★ 疲れた様子だし二人は寝かせて上げましょう
「ぁっ! ぁあん♥」
「おぉ~~んっ♥️」
「うあぁ~~♥️♥♥♥」
「やんっ!! ひぃゃっ!?」
何時しか七人全員が混じりあい、チョコレートが蕩けるように重なりあっていた。
「はぁーーはぁーーはあーー?」
「ふぅ~~ふぅぅーーふーー!」
無限の体力を持つアンデッドに比べ体力の無い人間である、ヌルとヴィカ達は床で横たわっていた。
「ふぅ~~? そろそろ一端終わらせて、お風呂にしますか」
「お姉様、後は放って置いたら彼女達は腐肉の塊化するでしょうね」
ミリカが風呂にしようと言い出すと、シャリルも笑顔で、ニコニコしながら賛同した。
「それまで、休ませて上げましょう」
「ミミズちゃん達に、ベッドを作らせて寝かせるわ」
「そうして上げて、二人はぐったりしてる様子だし」
ミリカから下された命令。
それに、ニウは大の字で手足を開いている、ヌルを可愛がって長い黒髪を撫でつつ答える。
キャロルも、ヴィカの満足気な顔を見ながら。
頭を膝枕で抱える、シニッカも寝顔を見ながら。
それぞれ、ミリカの命令に従った。
「それじゃあ行きましょう、キャロルちゃん二人をベッドに寝せて上げて頂戴、それから今日は疲れたから、お風呂での遊びは無しよ」
「分かってますよ、私達も大分疲れましたから」
「いくら体力が無限でも、私等も精神的には疲れきってますから」
お風呂に行こうとする、ミリカの後を付いていこうとする、シャリルとニウ達。
「だよねーー? あっ! それからキャロルちゃん、黒い子もミミズ玉を解いて、そのままミミズさん達に相手させといてね」
「はぁ~~い、分かったよ、ミリカお姉ちゃん」
ミリカはまたキャロルに命令すると、ミミズ玉を解除するべく、彼女はタブレットを操作した。
玉状に固まっていた、ミミズ達の幾らかは天井に開いた四角い穴に戻っていく。
ファビアンの手足に、ぐるぐると絡まって拘束しているミミズ四匹と。
身体を這い回る、数匹だけがマッサージの為に残された。
「ふぁっ! ぁぁう? ・・・お前達、まだ私に用が有るのか」
「今日はもう無いわ、それより朗報を貴女に伝えるわ、後ろの二人は既に堕ちたわよ」
這い回るミミズの擽ったさに思わず喘ぐ、ファビアンであったが。
目の前に、ミリカが立っていると知ると、直ぐに彼女を憎んだ瞳を向けて睨むが。
己に向けられた鋭い視線を意に介す事なく。
ミリカは彼女に向かって目を細め、嬉しそうに微笑みながら淡々と事実を話した。
「!?」
「フフ・・・驚いたかしら? じゃあそう言う事だから、さようなら」
既に堕ちたと聞かされた、ファビアンは驚き黒玉色の瞳を見開いて沈黙してしまう。
その様子を楽しんでいる、ミリカは固まっているファビアンを放置して、お風呂場へと向かおうとする。
「まっまて、お前ら二人を本当にっ!」
後ろ姿を見せる、ミリカ達五人に対して、ファビアンは叫ぶように問い質すが。
彼女を無視して、アンデッド五人は牢屋から出ていった。
「おい、戻って来い、戻って来いっての!!」
『ゴゴゴッ!!』
直も食い下がろうと叫ぶ、ファビアンであるが。
無情にも、彼女の正面には岩柱が音を立てて天井から降りてきた。




