帰ってきた彼等は
「はひゃーー! やっと帰ってきたぜ」
「無事に帰って来れたわね」
「さあ、中に入りますかっ!」
「そして、食事しながらの会議・・・?」
『パカッ! パカラッ!! パカラッ!』
海辺から帰還する事が出来た四人は、大きな洞窟の入り口を前に疲れた様子を見せる。
ジョージとミリカ達は精神的な疲れで溜め息を吐き、アレリオとシャリル達は天を向く。
そんな中、ふとシャリルは前方右側から聞こえてくる妙な音に気を向ける。
この音は、どうやら馬の蹄と馬車の車輪が回る音だ。
彼女が音のする方向へと、首を振ると。
「リーダー、ミリカ様、我々も無事帰還しました」
「それより重大な報告が有りますっ!」
「おおっ!?お前らも戻って来たのか、まーー話は中に入ってからにしような」
今すぐに話したい程の重大な報告があると。
ジョージに見てきた物事を話そうとする、リュージンとビョルン達であったが。
肝心のリーダーであるゾンビが、この調子なので彼等も仕方なく、四人の後に続く事にした。
洞窟の中に入った一行は、岩石で塞いだ横穴の場所に着くと、男四人が岩石を退かす。
「よっこしょ、あっ! そこは正一さんだったぜ・・」
(・・・またそれ・・・)
口には出さないが、ジョージが呟いた下らない言葉に、ミリカは目を細めて呆れる。
その後、岩石を退かして中に入った彼等は、再び岩石を積み上げると。
崩れかけた石橋を渡り、遺跡の前まで帰って来た。
「リーダー、ミリカ様、お帰りなさい」
「無事を祈って待って居りました」
見張り台代わりの螺旋状である岩柱に開いた穴に立つ、カブラル。
彼は、大声で帰って来たばかりの六人を出迎え、ファレドも皆を暖かく迎えた。
「おおっ! 帰って来たぜ」
「早速だけど会議よ」
出迎えた二人に、ジョージとミリカ達は、これから緊急会議を行うと告げる。
「後で来てくださいね、次の見張りは・・・」
「俺とリュージンで見張るさ」
シャリルが、次の見張り要員はと言おうとすると。
自分とリュージンが見張りに立つと、アレリオは言った。
「そう、悪いわね・・・リュージンさんもお願いします」
「分かりましたじゃ、シャリル殿」
こうして、シャリルは見張りを交代する事になった、アレリオとリュージン達に礼を言う。
「何時も悪いな、お前達・・・」
「帰って来たばかりなのにね」
ジョージとミリカ達も、二人に面倒な見張りを任せてしまって悪いと思った。
「でっ! 俺は食事の準備をビョルン、カブラル、ファレド達と始めるが、お前達はどうするんだ?」
「取り合えず、私とシャリルちゃんは、捕虜と戯れている色惚け連中を連れて来るわね」
ジョージの質問に、答えたミリカは、洞窟の奥へと向かって行ってしまう。
「じゃあ、行って来るわよ」
「リーダー、私も行きます」
「あ、分かった」
ミリカは洞窟まで歩きながら一言呟く。
その後を、シャリルも皆に一例してから追い掛けて行くと、ジョージは短く答えた。
「さて、小がねえから飯の仕度をするか」
ジョージを始め、残った男連中は黙々と食事の準備を始める。
そうやって、女連中が戻って来たら直ぐに暖かいスープにありつけるように動いた。




