物品とまた情報を・・・
「やぁ、あんた等も薬が欲しいのか?」
「だったら私達のを買っていかないかい?」
御者席の男と、後ろで荷物を整理していた女性が、二人に商品を買わないかと声を掛けてきた。
「ふむ、薬ですか?」
「見てみますか」
リュージン、ビョルン達は新たに現れた薬の商人達から色々な薬を購入しておこうかと考えた。
「それで、お客さんは何を買いたいんだい?傷薬、消毒薬、頭痛薬、解毒剤、それとも魔物用に使える毒薬か」
「食料も多少は仕入れてるわよ・・・ケフィール、ピーナッツバター、ブルーベリージャム・・・」
「うむうむ、では内のパーティーは大食らいばかりだから、纏めて貰いましょう」
リュージンは、御者席の農民風の若い男性から、医薬品と包帯に、眠り薬やマヒ毒等の薬品を購入する。
後ろの箱形荷台に座る、学者らしき格好の女性から言われたジャム以外も購入する。
ラズベリージャム、リンゴジャム、オレンジジャム、ピーチジャム等も小さな樽で購入した。
「それから菓子は・・・ビスケット、クッキー、クラッカー、シュガーラスク、蜂蜜ラスク、キャラメルラスク、チョコラスク、ガーリックラスク・・・」
「酒はウォッカ、スコッチ、ワイン・・・茶はカモミールティー、リンデンティー、セージティー、ローズマリーティー、ハイビスカスティー、ガーデニアティー・・・」
盗賊風の装束の男性と、医者や看護士のような格好の少女かは、一気に捲し立てられた、ビョルン。
困った彼は、ジャム類に酒類とハーブティーを纏めて買う。
彼は、彼等の進めた以外の、金平糖やリコリスドロップ等の菓子と。
ローズヒップティー、ローズティー、サフラワーティー等も大量に購入した。
「これだけ購入すると、馬車に満載しなければならないですな」
「沢山の物品の買い集めましたね」
リュージンは、ドクター馬車の後ろに木箱を積んで縄で縛る。
ビョルンは、カート馬車の後部座席に小樽を無理矢理積む。
「さて、商品は買い終えましたが、後は貴方達から情報を教えて頂きたい」
「何の情報だ? ゴリラ・ゴーレムの事かい・・・それとも奴隷商人の事か? 行方不明者の事かな?」
リュージンから情報が欲しいと言われた農民風の男。
彼は、彼是と色々な事を知っていそうな口振りで話始めた。
「ふむ・・・それ等の事は知っていますが、行方不明者の事は知らないですから、是非教えて欲しいですな」
「ああ言いとも、最初に行方不明になったのはヌルとか言う道具製作者でな・・・次に行方不明になったのは司祭と狩人のヴィカ、ヴーク姉弟だ」
行方不明者について、リュージンは興味を抱き彼に尋ねると、農民風の男性は詳しい事を教え始める。
「それから、ゴリラ・ゴーレムと襲われた振りをして、ゴーレム達を引き連れて来た奴隷商人が連れ去った、行商人カマルの仲間ファビアンとマルセルとか言う冒険者も行方不明だな」
「風の噂では、最初の行方不明になった三人は、皆西側で神隠し見たいに消えたから、最近悪名を轟かせたアンデッドにやられたって聞くな・・・」
「更に、アンデッド達と奴隷商人達は実は同一人物で、西側の洞窟の奥に潜んでいるらしく人間に変装しては何食わぬ顔をして、商人との取引や魔物狩りをしているらしいわ」
「・・・んでっ! 奴隷商人だか? アンデッドだかの隠れ家にしている洞窟の位置は、大体の検討はついているから近々討伐隊が踏み込むそうよ」
農民風の男と、盗賊風の装束の男性に、学者らしき格好の女性。
それから、医者のような格好の少女達は知っている事を全部話した。




