待ち伏せ組の戦い
「俺を倒そう何て、百年早いぜぇ、岩の集まりの土塊人形ども風情が」
「岩は岩人形なんて、やらなくて良いから黙って、そこら辺に転がってなさい」
ケビンは大剣クレイモアを振るい。
左右から襲いくる、ゴリラ・ゴーレムを、二体同時に首を撥ね飛ばして倒す。
首を失ったゴリラ・ゴーレム達は、力無く地面に前のめりに倒れる。
それを見届ける事なく、ケビンは後ろから来た、三匹目を頭から真っ二つに叩き割る。
その間、ドロレスもゴリラ・ゴーレム達を蹴散らす。
彼方此方と四方八方から飛び掛かる、ゴリラ・ゴーレム達。
奴等を、ブル・ウィップを巧みに振るい、彼女は難なく撃退する。
頭を叩かれて、粉砕される者。
腕を強い力で弾かれる者。
足を吹き飛ばされて、転倒する者。
首を絞められ、頭をもぎ取られる者。
と、彼女の多彩な攻撃は強力だった。
「凄いな、あれならゴリラ・ゴーレムも・・・? そう簡単には行かないか」
「別動隊ね、今度は私達の出番よ、アレリオ」
「分かってるっ! そんじゃあ、いよいよ剣を振るいますかっ!」
飛び出して行った四人の派手な活躍振りに、カマルは感嘆して呟くのだが。
ゴリラ・ゴーレム達も、易々と殲滅される程甘くは無く。
弾薬類を集めた、テントの左右の地中から現れ、挟撃する形で押し寄せて来た。
テントの元に残っていた仲間達。
彼等も、やはり来たかと警戒心を解かずに居たので、直ぐに対応する事が出来た。
その中でも、アレリオとニウ達は右側のゴリラ・ゴーレムを担当する。
二人は、テントを守るべく果敢に戦う。
「イスパーニャ、トレド製の各剣を喰らえっ!」
「私のダンは叩かれたり、殴られたら痛いわよーー!」
多勢に無勢の中、アレリオは臆する事なく、モンタンテを振るう。
放たれた斬撃は、一匹のゴリラ・ゴーレムを袈裟斬りにする。
その隣では、ニウが両腕に装備した、ダンを巧みに使いこなす。
繰り出される打撃は、ゴリラ・ゴーレムの顎を叩きつけ意図も容易く砕いてしまう。
「ダン、カマル、左からも来るわよ、私は壁役になるから攻撃は、お願いするわね」
「ああ、何とか凌いで見せるさ」
「分かった、任せてくれ・・・」
レアは、背中からパヴィス型の大楯を取り出し。
代わりにルツェルン・ハンマーを背負うと、腰のシュバイツァーサーベルを抜き取る。
パヴィスを構えて、どっしりと構える、レア。
その左側に、カマルは立ち。
右側には、ダンが立つ。
「来たわ、サーベルの錆にしてやりたいけど? あんた等岩に血は流れて無いわね」
不適な笑みを浮かべた、レア。
彼女は、真っ直ぐにシュバイツァーサーベルの切っ先を突き出す。
そのまま、彼女は走って来るゴリラ・ゴーレムを待ち構える。
「グォォォッ!!」
繰り出された、ゴリラ・ゴーレムのパンチ。
それを、パヴィスで防御し、シュバイツァーサーベルで反撃する、レア。
「旅で出会す、盗賊や魔物との戦いで腕は鍛えてるんだ」
彼女の左右を守る、カマル。
彼も、タルワールを華麗に振るっては、ゴリラ・ゴーレムを倒しつづける。
「この程度では、俺は殺られんぞ」
胸や頬を殴られた、ダンは痛みに顔を歪める事ない。
トマホークを強く握る彼は、直ぐ様ゴリラ・ゴーレムの腕を切り裂飛ばす。
ジョージ達が、ボスゴリラを引き付ける中・・・。
こうして、カマル達もまた必死で弾薬類を守っていたのだった。




