やっと戦闘は終了したか? はぁ~~疲れたわ
『バンッ!』
『ドンッ!』
飛んできた、二つの岩石。
それは、ザリーンの頭を飛び越え、二匹のゴリラ・ゴーレムの胸にめり込んだ。
こうして、何者かによる攻撃は、見事にゴリラ・ゴーレム達を、一撃で仕留める事に成功する。
「・・・何処から?」
ザリーンは敵の攻撃だと思った岩石投射を投げたのは誰かと。
彼方此方に目を向けつつ、回りのゴリラ・ゴーレム達を蹴散らす。
「援護は届いている様だね~~? よしっ第二段を投げるわよ、それっ!」
「アッシもいくでやんすよっ!」
金髪ロングパーマの女性、胴鎧を着こんだ男性。
彼等は、再度岩石を投射しようと、スリング紐&スタッフスリングを振り回す。
「あの二人は? 確かブラウン・ドラゴンを倒した傭兵の・・・」
多数のゴリラ・ゴーレム達を容易く倒していく、ザリーン。
それと、遠距離から援護する二人の男女の傭兵を眺めた、カマルは呟く。
「おーーい、カマルッ! アタシ達の方は粗方片付けたぜ」
「どうやら他の場所の戦闘も終わったわ見たいよ」
そこに、後方での戦闘が終了して戻ってきた、ファビアンとドロレス達も加わる。
スナップハンスロック式銃による狙撃。
それと、風魔法による斬撃で、ゴリラ・ゴーレムに遠距離攻撃を与えていく。
「私達も援護しますわ、さあ行くわよっザロモン!」
「ああっ! 行くぜ、ゴーレム共を吹き飛ばしてやる」
箒の毛先を氷の槍先の様に固めたアイスランスを構えたリリー。
二又に別れた穂先のミリタリーフォークを構えたザロモン。
二人、はファビアンとドロレス達の援護射撃の元。
ザリーンの周りを囲む、ゴリラ・ゴーレムの群れへと突撃して行く。
「ありゃあ~~もう少しで片が付くな・・・」
「戦闘が終われば、即ズラかりましょうね?」
カマルの仲間達が残りの敵を殲滅する。
その様子を、ジョージとミリカ達は、魔法を射ち放って援護しながら眺めていた。
そんな中、ワゴン馬車の暗闇に放置されているヌル、ヴィカ、ヴーク達はと言うと。
(・・・音が小さくなっている? ・・・)
縛られたままのヌルとヴィカ達。
彼女達が大人しく床に寝ながら、外の様子を耳を澄まして聞いている中。
ヴークもまた同様に、耳を澄ましていた。
(・・・終わったんだろうな・・・)
ヴークは徐々に聞こえなくなる戦闘音に、安堵を覚えたのか眠ってしまう。
「はぁ~~大方戦闘は終わりだね」
「後は彼等にまかせましょう」
大勢の決した戦闘を、ワゴン馬車に背中を凭れ掛けながらボンヤリと眺めるビョルン。
その隣で、一緒に背中をワゴン馬車に凭れたニウは腕を組みながら呟く。
「せいっ!」
「はぁーー」
リリーのアイスランスは勢い良く突き出され、ゴリラ・ゴーレムの溝内を貫き倒す。
ザロモンのミリタリーフォークは、二又の切っ先で腹を突き刺し。
直ぐに、二撃目を首に喰らわせる。
「・・・」
ザリーンは鋭い蹴りを放ち、ゴリラ・ゴーレムを吹き飛ばし。
後ろのゴリラ・ゴーレムも巻き込んで倒れさせる。
その後、直ぐにザリーンは倒れたゴリラ・ゴーレムの上に飛び乗ると。
右足で何度も蹴りつけ、二体共に踏み潰してしまった。
この二体が最後のゴリラ・ゴーレムであり、長く続いた戦闘もやっと終了したのだ。




