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飯にすんべよ? んだな、んだなっ!


「よっこい昭一と小野田さんは中が悪かったと・・・」


「誰の名前でしょうか?」


 戦利品を運び終えた、ジョージはまたもや下らない事を言った。

 彼の言葉に出た誰かの名前に、アレリオは反応した。



「ああ、日本兵だよ」


「日本兵・・・?」


 ジョージの口から出た兵士の名称に対して、アレリオは何それと言う顔をする。



「二人とも、戦争が終わったのを知らなかったり、信じなかったりして戦後もジャングルで、サバイバル生活していたんだ」


「はぁ~~成る程」


 ジョージの語る話の内容に大人しく耳を傾ける、アレリオ。


 そんな彼に対して、ジョージは更に話の続きをは語る。



「そんで日本に帰還した後はテレビに出まくった横井さんに対して、小野田さんは嫌いだったらしいけどね?」


「テレビ・・・?」


 ジョージの口から出た、テレビと言う新しい単語。

 この言葉に、またもやアレリオは何ですかと如何にも不思議そうな顔をするが。



「まぁ、そんな事より飯にしよう」


「そうですね、皆も待ってますし」


 ジョージとアレリオ達は話を途中で止める。

 それから、戦利品の食事を皆で食べる為に仲間達を呼びに戻って行った。



 その後、オムニバス馬車の上で見張りを担当し遠くを眺めている、シニッカと。

 駝上に跨がり、周囲を見渡しながら警戒している、ファレド。


 二人以外の仲間達は、オムニバスの車内から漁った食料を食べ始めた。



「モグモグ・・・ねっ! 明日はどうする? 美味しっ♥」


「さあな、奥に行って散策でもするかな、しょっぺ!」


 エリザベス女王の大好物として名高い、癖の強く無い、スティルトン・チーズ。

 これを、顔に幸せな表情を浮かべつつ、無邪気に頬張る、ミリカ。


 白カビ・チーズの一種で、♥型の形をした塩味の強い、ヌーシャテル・チーズ。

 これを、物凄く美味しそうに頬張り続ける、ジョージ。



「くぅ~~! 染みるぜぇーー?」


「美味しいぃ~~♥」


 発泡性のスパークリングワインである、スプマンテを飲む、アレリオ。

 彼の口内には、シュワシュワとした口あたりの良い、非常にさっぱりとした味が舌の上と喉に染み渡る。

 ーーような感じが、彼の舌も喉も無い顎骨に伝わる。

 スケルトンである彼には勿論だが、人間に有る筈の味覚を感じる器官は無いのだ。


 そして、隣ではポートワインの中でも酸味の強い、白葡萄を原料に使用した、ホワイトポート。

 これを、シャリルが透明なワイングラスを優雅に揺らしつつ飲んでいた。



「はいっ! あーーん♥」


「あーーんっ♥」


 ニウは手に摘まんだ、カンタル・チーズを、ビョルンの口へと運ぶ。

 それを、彼が満面の笑みで受け取り、イチャラブ・バカップル振りを披露する。


 ビョルンの舌を刺激するのは、カンタル・チーズの濃厚で力強い味である。

 彼は、舌先から感じる刺激に思わず、赤く染まった頬を緩ませる。


 その後、ニウ自身も成熟した、プロヴォーネ・チーズを頬張る。

 彼女も、口の中にクリーミーで非常に塩気が強く、まろやかな風味を広がらせる。



「ビョルン・・・幸せ?」


「幸せに決まってるよ」


 イチャラブ・バカップル振りを続ける、ニウとビョルン達。

 二人のラブラブッ振りを間近で見せつけられた、ジョージ、とミリカ達は。



「みっちーー! よしりん見たいだな?」


「そこは富士夫、柿江でしょっ!」


 国民的な人気アニメ、ニ作品のバカップルが頭に浮かんだ、ジョージとミリカ達。

 二人は、呆れた眼差しで愛し合う、アンデッドのバカップル達を眺めていた。



「うむ? ・・・美味い・・・」


「はむっ!? 美味しーーい♥」


 メロンジュースを飲むリュージンは、喉を潤す甘く冷たい果汁を染々と味わう。


 その横で、キャロルは塩味の効いたビスケットを、ボリボリと音を立てて頬張る。


 片手で持てる、ティッシュ箱程の大きさの木箱から取り出して、彼女は一枚一枚を口に放り込んでいく。


 こうして、夜が更ける中、食事会を開いている彼等アンデッドは食欲と腹を満たしてだけど過ごした。

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