土の中から、こんにちは
「アレは岩魚、ロック・フライング・フィッシュですっ! 大きいのは群れの長たる、ロック・ボス・フィッシュですっ!」
現れた無数の敵と、大きな岩魚の姿を見た、シャリルが叫び、敵の名前を仲間に教える。
その間も、ロック・フライング・フィッシュ達は攻撃を仕掛けてくる。
土中から顔を出したり、空中をすばしっこく飛び跳ねてきたり、地面に潜ったりと忙しなく動き回る。
「皆、今すぐに馬車を降りろ、戦うぞっ!」
「リーダーの御命令と有らばっ!」
ジョージは、口から大きな声で指示が出すと共に馬車から飛び降りた。
そして、素早くショートソードを抜き取り、左腕のラウンドシルードを展開する。
その隣で手綱を握っていた、アレリオも飛び降りる。
次いで、直ぐ様ロック・フライング・フィッシュ達との戦闘体制を整える。
周りの仲間達も次々と馬車から降車して、武器を手に取り敵との白兵戦に備える。
「貴様等、リーダー、ミリカ様の食料にしてやるっ!」
『バンッ!』
「彼奴等は、岩の塊に見えるけど食えるのかしら?」
『ヒュッ!』
カブラルは、ラッパ銃を発砲し散弾で宙を跳ねるをロック・フライング・フィッシュを撃ち落とす。
シニッカは、素早く弓を構えると狙いを定めて集中する。
そして、地面から頭を出したばかりのロック・フライング・フィッシュの右側の目玉を撃ち抜いた。
群れの長たる、フライング・ボス・フィッシュを除くと。
体長が役二十~~三十センチ程のしかない、無数のロック・フライング・フィッシュ達。
「二人に負けてられないなっ!」
『ドドドドドドドドドドドド~~』
「アタシ等も頑張らなきゃねっ!」
ビョルンは両手に構えた、ニッケルハルパで音波魔法を発射する。
この攻撃は、宙を攪乱する様に舞う、ロック・フライング・フィッシュを次々と仕留める。
それに続いて、ニウも回し蹴りを放ちまくり、ダンを振り回した強烈な一撃を繰り出す。
これらの連続攻撃は、ロック・フライング・フィッシュ達を次々と粉砕する。
こうした、アンデッドのパーティーの反撃により、奇襲を仕掛けた岩魚の群れだが。
連中は、ものの数分と立たずに頭数を一気に減らした。
「ぶっ叩いて上げるわっ!」
「邪魔だぁっ!」
「風よ、エアーカッター」
「凍れっ! アイスビーム」
シャリルが、一体の宙を跳ね飛んでいる、ロック・フライング・フィッシュを倒さんとはしる。
メイスを振るう彼女は、敵を頭から叩き潰し、黄色い体を粉々に四散させる。
その攻撃に続く、ファレド。
彼も、十字短剣テレクを噛み付こうとしてきた、敵の開いた口に突き刺して倒す。
リュージンとキャロル達は風魔法・氷魔法を放つ。
二人の魔法攻撃は、数匹の岩魚を西部劇のリボルバー拳銃の早撃ちの如く、仕留め地面に撃ち落とした。
リュージンの風魔法による斬撃を浮けた、岩魚達。
連中は、体を正面や横から真っ二つに斬られ、身体の左右が離れる者。
頭と尾鰭が斬られた者ーー等が、ボロリと地に落ちた。
キャロルの氷魔法による、凍結粒子を当てられた敵は身体全体が凍って動けなくなる。
体が固まった連中は、そのままコツンと音を立てて地に落ちた。
こうして、全ての岩魚ロック・フライング・フィッシュは撃ち落とされ、残るはボス一匹だけと成った。
「右から行くっ!」
「じゃあ左から」
ジョージとアレリオ達は、左右から挟撃を仕掛ける。
それで、ロック・ボス・フィッシュの頬を斬りつけようと試みた。
だが、予想より速い速度で、ロック・ボス・フィッシュは斬りつけられる前に土中に潜る。
この素早い回避により、二人の攻撃を寸での所で回避した。
「何処に行った?」
「潜んでいるな?」
『ブバッ!!!!』
ジョージとアレリオ達が、彼方此方に目を配り左右を見渡していたが。
突如彼等の背後から、ロック・ボス・フィッシュは現れた。




