山猫の群れの最後
「もう一発喰らえっ！ ダークボール、ダークボール」
マウンテン・タイラント・キャットの足を見事に負傷させる事に成功した、ジョージ。
だが、彼は間髪入れず矢継ぎ早に暗黒球の次弾を放つ。
「何度でも撃ってやるわよ、フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」
マウンテン・タイラント・キャットの身体に狙いを定めた、ミリカ。
彼女もまた相手の身体を焼こうと、連続で火炎球を近距離で乱射して放ちまくる。
「ガオオオオオオーーーーーーーー！」
咆哮を上げつつ、凄い跳躍力で、二人の真上に飛び上がると。
反対側に着地して、放たれる魔法攻撃を回避しようとする暴君山猫。
だが、ジョージとミリカ達の頭上を越え、反対側に着地した瞬間。
暴君山猫の身体には、幾つかの負傷の後が着いていた。
「少しは傷着けたか」
「まだまだ行くわよ」
ジョージとミリカ達の魔法攻撃により暴君山猫の身体に、二つ三つの出血と焦げ後が着いていたのだ。
そして、彼等は更なる魔法攻撃を浴びせて、一気に畳み掛けようと。
こちらを向いて構える、奴に対して再度攻撃を仕掛けた。
「ダークボール、ダークボール」
「フレイムボール、フレイムボール」
「僕等も、お前を」
「攻撃に行くわっ！」
ジョージとミリカ達が素早く魔法球を放つ。
その魔法攻撃を避けつつ、彼等に襲い掛かろうと動き出した、暴君山猫。
奴の左右から、ビョルンとニウ達も先に攻撃を仕掛けた、二人に加わる。
それぞれ、彼等も見事な巨体を持つ暴君山猫を仕留めようと得意技を放った。
「喰らえっ！」
「視ねっ！」
『ドドドドドドドドドドーー』
ニウは右腕を思いっきり振るい暴君山猫の首に殴り掛かり、ビョルンは音波魔法を放つ。
四方から包囲攻撃を加えられた、暴君山猫は彼等の技を避け切れず、まともに受けてしまう。
このアンデッド四人による猛攻撃で、身体中の彼方此方に怪我を負ってしまった。
「ガアアアァァーーーーー！」
痛みや怪我は大した事の無い、暴君山猫ではあったが。
連続して負傷を負うと殺られてしまう危険性を即座に判断してのか。
サッと身を翻して、子分の元へと戻ろうと駆け出したのだが。
「逃がすかっ！」
「死になさい」
「くたばれっ！」
「殺ってやる」
ジョージ、ミリカ、ビョルン、ニウ達は暴君山猫の背中に向けて追撃を掛けるが。
当の暴君山猫は、彼等四人の追撃を軽く交わしてしまう。
こうして、簡単に逃れた奴は自らの率いる群れの子分達の元へと戻った。
「！？」
しかし、暴君山猫の眼前では、三人のアンデッドが、派手に暴れていた。
その眼には、敵が子分の山猫たちを軽くあしらい撃退している様子が映った。
「うぐぐぅ～～」
「たぁっ！」
「それっ！！」
スケルトンの剣士である、アレリオは噛みつかんと襲い掛かって来た、人食い山猫の相手をする。
顎を長剣モンタンテの刃で力強く抑え、何とか力付くで押し返す。
それでも、直襲い来る、人食い山猫をモンタンテを上から振るい、身体を真っ二つに裂いた。
アンデッドの僧侶である、シャリルは鋭い爪で身体を引き裂かんと襲い来る、人食い山猫を迎え打つ。
自らを殺そうとする、虐殺山猫を彼女はメイスで殴打して、次々と倒していった。
駱駝騎兵である、ファレドは十字短剣テレクで虐殺山猫の喉を狙って刺殺する。
次いで、直ぐさま後ろに振り返ると、サッと素早く右腕を突き出す。
この一撃で、背後から飛び掛かって来た、人食い山猫も下から胸を一突きして刺殺してしまった。
「ガアア・・・」
こうして、三人の活躍により子分を殲滅させられた暴君山猫。
奴は、七人の侍成らぬ七人のアンデッド達に再び四方を囲まれる。
こうして、逃げ場を失ってしまった奴は、彼等と己の力比べをせざる得なく成ってしまった。
「ガオオオォォ・・・」
「いよいよ、最後だな」
「後は貴方だけよっ？」
山岳山猫の群れの最後の一匹である暴君山猫と、アンデッドのパーティーを指揮するジョージ。
ミリカ達は、正面から対峙しゲームで言うならば。
これから主人公達と敵対する側のボス戦が始まる処であった。
