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トラ、トラ、ネコ、ネコ、ヤバい・・・俺達は囲まれた


「ガオオオオーーーー」


「来るなら来い・・・」


 他の三方向から攻めて来る山猫達。

 子分である連中より一足先に、黄茶色の巨体を力強く動かして猛突進してくる、ボス猫。

 マウンテン・タイラント・キャットの姿に、停止させた馬車の上から、ビョルンは睨む。


 魔法楽器ニッケルハルパを構えた、彼は狙いを定めて待ち構える。



「今だっ、喰らえっ!」


『ドドドドドドドドドドドーー』


 放たれた、音波魔法の音符達は連続で発射された銃弾の様に暗闇を飛んでいく。

 そして、マウンテン・タイラント・キャットの頭部や肩に命中するのだが。



「ガオオオオォッ!」


 ビョルンの音波魔法による連続攻撃は、僅かな掠り傷程度の怪我しか与えず、無駄に終わる。

 ボス猫たる、マウンテン・タイラント・キャットには余り効果は無かったからだ。



「ガオオォッ!」


「ちっ効かなかったかっ」


「ビョルン、接近戦に備えて!」


「中々、手強いですな」


 もう直ぐ間近まで迫った強敵。

 マウンテン・タイラント・キャットに武器を向け身構える、ビョルン、ニウ、ファレド達。


 ビョルンは、両手に魔法楽器ニッケルハルパを構えて。

 ニウは、両腕に装着した攻防一体の大型トンファー型楯であるらダンを強く握りしめて。

 ファレドは、左腕に巻き付けた鞘から十字の柄を握り、刺突短剣であるテレクを抜いた。



「ガオオッーー! ガオオオオーーーー!?」


 マウンテン・タイラント・キャットは、三人の身体を食い食い千切り臓物を散らかさんと。

 キラリと夜闇に輝く、鋭利な長刀の様な犬歯の付いた顎を大きく開いた、ボス猫。

 奴は、灰色のゴツゴツとした大地を蹴って、かなりの体重の有る身体を宙に飛ばす。



「ガオオオオォォッ!」


「くっ! 来るなっ! 来ないでくれぇーー!!」


『ドドドドドドドドドドーー』


 先ずは遠距離から攻撃してきた、ビョルンに狙いを定めた、マウンテン・タイラント・キャット。

 奴は、彼の頭に噛み潰さんと大顎を開いて襲い掛かった。


 この一撃に、ビョルンは音波魔法を放ちながら何とか逃れようと、徐々に後ろに下がり続ける。



「あんたの顎を砕いて上げるわよ」


「剣より短剣の方が使いなれてましてな」


 彼の右側からは、ニウが飛び出す。

 そして、魔獣虎猫の下から右手のダンを突きだし、下顎の骨を砕こうとアッパーを繰り出す。


 左側からは、ファレドが右手に握った、テレクを素早く突きだす。

 彼は、魔獣虎猫の左前足下にある肉球を弱点だと思い、そこを狙って一撃突き刺そうとした。



「ガアァッ!」


「ガオオ!」


 しかし、二人の横から二匹のマウンテン・マンイーター・キャットが現れ攻撃を妨害してきた。


 ニウはら突如左側から襲撃してきた山猫に、左腕のダンに噛みつかれてしまう。

 さらに、右側から飛び掛かってきた山猫に対して、ファレドはテレクを振るって鋭い爪を防御した。


 左右から襲い掛かって来た、マウンテン・マンイーター・キャットの別動隊。

 そこから、更に一匹ずつ分かれて、三人を襲う。


 群れのボスたる、マウンテン・タイラント・キャットを援護しようと。

 彼等二匹は、アンデッド達に奇襲攻撃を仕掛けて来たのだ。



「ガオオオオーー」


「ああっ・・・ヤバい!?」


『コツン?』


 ビョルンは頭を噛じられそうな処を後ろに下がって歩いていた為、小さな石につまづいて転んでしまう。

 しかし、お陰で間一髪の所で、マウンテン・タイラント・キャットの大顎から命からがら逃れた。



「二匹、潜り込んで来たかっ!?」


「正面から奴等も来るわよっ!」


「此方だけを狙ってるんじゃ無いのかよっ!」


「兎に角、応戦しましょう」


 ボス猫である、虎のようなマウンテン・タイラント・キャット。


 奴が、後方を守る三人を襲う中、前方に位置して、三方向から襲い来る山猫達に対処しようと。

 武器を構える、ジョージ、ミリカ、シャリル、アレリオ達は前右左から来る山猫達を険しい顔で睨んだ。

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