表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
315/683

悪い薬は廃棄処分はしないで私が没収して預からせて頂きます♥


「オジさん達は薬の商人でしょう?」


「ああっ! そ、そうだよ」


「お嬢さんは傷薬が欲しいのかい?」


 ミリカの問いに対して、丸々と太った行商人と痩せこけた行商人は答える。


 二人は、自分達の聞かれたら不味い会話を、まだ目の前に立つ女性には聞かれていないと思う。

 なので、そうだよと作り笑を顔に浮かべて嘘を言ったのだ。



「ふーーん、じゃあさっ! 私達に傷薬と疲れを癒す薬を頂戴っ!」


「私達?」


「他にも誰か要りますのでしょうか?」


 ミリカが仲間の為に傷薬と疲れを癒す薬が欲しいと頼む。

 すると、何処に居るのかとアチコチに目を配り、ミリカの仲間を探す行商人達。



「居るわよっ! ほらっ! アソコに?」


「どうも、私達は魔物との戦闘で仲間が負傷しまして、薬が欲しいのです」


「そうなの、丁度私の身体に巻いている途中で包帯も切れちゃったし」


 ミリカの指差した、暗闇の中からスゥ~~と二つの人影が姿を現した。


 行商人達は、新たに現れた、二人を見つめる。


 一人は、噂に聞いていた女僧侶の様である。

 もう一人は、体中に包帯を巻いている東洋系の女性らしかった。



「はい、はい、只今御用意致します」


「それと、疲れを癒す薬も此方に・・・」


 新たに現れた二人に対して、丸々と太った行商人と痩せこけた行商人等は、ワゴン馬車に向かう。


 商品を持って来ると言って。


 彼等は、ワゴン馬車の中でコソコソしながら、見つけた箱を持って来て傷薬や包帯を取り出す。

 勿論、二人は疲れを癒す薬だと偽り、イケない道具も忘れずに出す。


 それは、無味無臭の睡眠薬、即効性の超強力な催淫作用の有る媚薬入りの茶だ。


 その様子を見守っていた護衛の傭兵達は、何処からか現れた三人の女性達へ視線を向ける。

 自分達傭兵が見張る中、暗闇から突如姿を現した、この女性達は何者だろうと彼等は思う。



(・・・コイツ等は只者ではないな・・・)


(・・・俺達の見張りを掻い潜る何て・・・いったい何者だ・・・)


 薬を飲ませるまで並みの冒険者。

 或いは傭兵ではないので有ろう三人に気を脱かず、警戒を怠らない剣士と銃兵。



「さぁ~~疲れた身体を癒す、お茶をどうぞっ!」


「貴女も回復薬を染み込ませた包帯を、少々傷口が染みるかも知れませんが、我慢を」


 丸々と太った行商人は薬入りの茶を出す。

 痩せこけた行商人は、密かに催淫剤と麻痺毒を染み込ませた包帯を、ニウへ差し出す。



「有り難う、オジさん達、じゃっ早速飲ませて頂きくわ♥」


「それでは、お茶を遠慮無く頂きます」


「私の為に包帯を分けて下さり感謝致します」


 丸々と太った行商人から薬入りの茶を受け取り早速飲もうとする、ミリカ、シャリル、ニウ達。


 そして、薬漬けにした包帯を巻き付けようとする、痩せこけた行商人。



(・・・ぐふふ・・・間抜けな女達め・・・)


(・・・さぁ・・・早く薬入りの茶を飲め・・・)


 丸々と太った行商人と痩せこけた行商人達。

そして、護衛の傭兵達。

 連中は、イヤらしい笑みを浮かべて、三人が茶を飲もうとする様子を伺う。

 


『ジョボボボォ~~~~』


「はぁ~~? お芝居はもう終わりっ! あんた達は私等を騙して、媚薬でレ⭕️プする気だったんでしょうがっ!!」


 お茶を地面に垂らして、急に怒鳴る、ミリカ。

 そして、二人の行商人と護衛の傭兵達は武器を構えようとする。



「なっ!? やっぱり聞いていたのかっ!」


「クソが・・・折角もう少しで美女を物に出来たのに『シュッ!』 !?」


 懐からナイフを取り出す、丸々と太った行商人。

 腰のポケットからフリントロック式ピストルを抜き取る、痩せこけた行商人であったが。


 痩せこけた、行商人の首は喋り終える前に、ミリカのレイピアに撥ね飛ばされた。



『ドンッ! コロンコロン』


「ひぃぃぃっ! お前達何をしているっ! 早くコイツ等を殺せぇっ!!!!」


「今直ぐにっ!」


「殺してやりますよっ!」


 撥ね飛ばされた、痩せこけた行商人の首が、地面に落ちて転がる様を見た、丸々と太った行商人。

 彼は、護衛の傭兵達に命令を下すと弓兵と魔法使いが攻撃してきた。




「ファイアボール、ファイアボール」


『スゥッ!』


 魔法使いは、火炎魔法をシャリルに向けて放ち、弓兵はニウに狙いを定めて矢を放った。



「この程度っ!」


「くっ!」


 メイスを振るって、シャリルは火炎球を弾き消す。

 自らを狙って飛んできた矢を、ニウも左側へ軽く、ステップして避けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ