食料にはまだ出来なかった、今回こそカメレオン・リザード達との決戦!! そして、蜥蜴肉をゲット!
「皆ぁっ! 行っくよぉーーーー!」
左手をかざして、四体の人形を飛ばす。
そして、自らも後を追い荒野を駆ける、チュリーナ。
その四体の小さな人形達は、グレート・カメレオン・リザードの群れとの戦闘に入る。
槍兵の人形は、リザードの頭を狙い槍を突き立てる。
騎士の人形は、剣を振るい首筋を狙う。
魔法使いの人形は、杖の尖端から火炎魔法を右前足に向けて放つ。
銃兵の人形は、猟銃でリザードの鼻の頭を小さな弾丸で撃ち抜く。
「ギュィィーーーー!!」
「ゲエェェ~~~~!?」
四体の人形達は、果敢に戦う。
彼等は、グレート・カメレオン・リザード達を倒せ無くとも、突撃を妨害する事はできる。
四体の攻撃は、小さな負傷を何度も負わせる事には成功したからだ。
「チュリーナ様っ! 前に出過ぎです、下がって下さい」
「あの蜥蜴達は我々に、お任せをっ!」
一人、先頭に前に出た、チュリーナ。
グレート・カメレオン・リザードは、彼女を標的に定めて、イカ腹を狙う。
猛攻に襲われる前に、チュリーナを攻撃から庇おうと前に出た、リリーとザロモン達。
二人は、武器を構えて、リザードの襲撃を待ち構えた。
「氷結魔法で凍らせる、アイスビーム、アイスビーム、アイスビーム」
「来い、蜥蜴共っ! 尻尾切りをしてやるっ!」
グレート・カメレオン・リザードが猛烈な勢いで近づいて来る。
リリーは箒を力強く振り回し、氷結魔法で足元を狙う。
その連撃で、凍結させて転倒させたり、凍結して動けなくする。
転倒したグレート・カメレオン・リザードを狙って、ザロモンは駆け出して行く。
二俣のミリタリーフォークで手足を突っつき、鞘から抜いた長剣カッツバルゲルで体を切り裂く。
「僕も皆を援護しようっ! 飛んでいけっ!」
何も無い宙に雷の絵を描いた、マルセル。
それを飛ばして、三匹のグレート・カメレオン・リザードの体を丸焦げにしていく。
雷に打たれ苦しそうに吠える、リザード達。
奴等は、やがて雷が消え失せ、吠えなくなると、黒焦げに成った体を晒して事切れていた。
「この調子で残りも、やるぞっ!」
「後は二匹だっ! 皆気を抜かないでっ!」
ルチアーノとカマル達。
彼等も、残り僅か二匹と成ったリザード達を狩りつくさんと指揮を取る。
二人は、仲間達と共に残りのリザード達を倒そうとする。
「ギュィ!」
「ギャイッ!!」
やがて、残りの二匹も、ルチアーノとカマル達のパーティーに狩り尽くされてしまう。
彼等は、もう戦いが終わったので、事後処理に移る。
「やっと倒したな?」
「全滅かしら・・・」
カメレオン・リザードの皮を、ナイフで剥ぎ肉を切り取る、ケビン。
そして、周辺を警戒しつつ、彼から受け取った蜥蜴肉を皮袋に容れる、ドロレス。
「怪我人は居ますか?」
「いや? そこまで酷いのは居ない」
負傷者を探し、薬草や包帯を手に持つ、リリー。
彼女に、重傷者は居ないと、ルチアーノは答える。
「かすり傷程度でも、化膿したら厄介ですので、きちんと薬草で消毒して包帯を巻いて置かないと後で困りますよ?」
「ああ、それは勿論僕も理解しているよ、だから相棒のレアを頼む・・・彼女は前衛にいたから、体中かすり傷だらけ何だよ」
傷の程度に関わらず治療を受けて置かないと、後で大変になると説明する、リリー。
彼女に対して、ルチアーノは自分よりも、レアの治療を優先して貰うように頼んだ。
(・・・彼女の方が怪我は酷いな・・・全身が傷だらけだ・・・)
ルチアーノが視線を向けた先には凛とした表情のレアが居る。
ルツェルンハンマーを握り、衛兵の様に立つ彼女。
そこで、彼女は他の魔物達が襲って来ないように見張りを行っていた。
「・・・は?」
(・・・またアイツ・・・やらしい目で私の事を見てるわ・・・)
そのレアは見張りを行い、回りに、ぐるりと視線を向けて見渡す。
そこで、不意にルチアーノと視線が重なると、彼女は視線を剃らす。
レアは、ルチアーノが怪我の心配をしているなど露知らずだ。
その上、イヤらしい目を自分に向けているのだと勘違いしていた。
(・・・顔は良いし? 腕も確か? そして家柄もそれなりに良いんだけど・・・あのチャラい性格と能天気さが災いして・・・信用が無いのよね・・・ヴィネツィナ人の民族性かしらね? あの性格とかは・・・)
地面を見つめるレアは、そんな事を考えていたが。
やがて、ルチアーノの事よりも見張りを真面目に行わないと考える。
それに、次なる魔物の襲撃に皆が晒されると思う。
その後、彼女は周囲を見張ろうと辺りを警戒した。




