情報の聞き取り調査
「取引は無事に終わりましたが、我々は情報を欲してましてな、何か変わった事や有益な情報は有りませんかな?」
「あっ! ・・・それなら魔物退治の話は知ってるか?」
リュージンが、新たな情報を得るために質問をすると、行商人は魔物退治の話を教えようとした。
「それは、もう知っていますよ」
「なら内容は知ってるか? 魔物の姿は大きくて、名前はゴリラ・ゴーレムって言うんだ」
リュージンは、魔物の事ならば既に知って居たのだが。
行商人の口からは、強そうな魔物の名前が出てきた。
「ゴリラ・ゴーレム・・・強そうな名前の魔物ですね」
「だろっ? 何でも大型の魔物で、ゴーレム系の魔物何だが、その見た目から予想通りかなりの強さを誇るらしい」
魔物の名前から察するに、非常に手強い魔物なので有ろうと判断する、リュージン。
そして、行商人は得意気な顔で行商人は、ゴリラ・ゴーレムの情報を話す。
「そのゴーレム系の魔物は、そんなに強いのですか?」
「体長は、何れ位の大きさに成りますか」
「それはな・・・まちまち何だよな? 人間の二倍、三倍の奴から、馬車位の奴に・・・そして、噂じゃあ伝説的な存在の群れの長老・・・そいつは未確認何だが、結構な大きさに成るんじゃないかと言われているんだ」
リュージンとファレド達は、魔物の強さと特徴に興味津々になる。
そして、行商人に強さと体長等を尋ねる。
行商人は、かなり貴重で有益な情報を三人にもたらした。
「そいつ等は群れで行動するのぉ?」
「群れか? まあ何匹か集まって行動する見たいだな? それで、あんなに大勢の傭兵さんが必要って訳だっ!」
ゴリラ・ゴーレムの生態に疑問が浮かんで質問した、キャロル。
彼女に対して、行商人はゴリラ・ゴーレムの行動様式を教える。
「へーー? それで沢山の傭兵さん達が必要何だね、何か戦争でも始める見たい」
「そうですねーー? 補給物資の量、傭兵部隊の人員の数、まるでこれは大戦争の準備ですな」
キャロルとファレド達は、行商人達が馬車で運ぶ補給物資の量。
コーチ馬車に乗る傭兵達の人数や、物々しい雰囲気を眺める。
それを見た、二人は戦争の準備みたいだと思い呟いた。
「はははっ! 戦争かっ! 確かにその通りだな・・・それで、その戦争のこと何だが、明日は何組かのパーティーが徒党を組んで、ゴリラ・ゴーレムの討伐を行うらしいな?」
行商人は、二人の呟いた戦争と言う言葉に反応して笑う。
更に、拠点の人間達が明日ゴリラ・ゴーレムに対しての討伐作戦を行うとの情報を呟く。
「ゴリラ・ゴーレムの捜索、及び討伐作戦に参加するのは全部で三組だ・・・傭兵達のボスであるカミンスキー、魔法科学調査隊の体長にして科学者のカルメン、遥か遠くのインディーから来た行商人のカマル」
行商人は、様々な情報の詳細を話し、それを黙って聴く、三人のアンデッド達。
「彼等をリーダーとする部隊が沢山の補給物資と傭兵達を必要としている・・・だから、俺達が今日も明日も人を物資を運ぶって訳なんだ」
「ふぅむ・・・貴方達も大変ですな」
「おーーい! 喋ってないで行くぞぉ~~!」
自らの仕事を自慢するように語る、行商人。
彼に対して、リュージンは目を瞑って頷きながら答えた。
すると、行商人の仲間が遠くから、早く向こうれ行くぞと叫んできた。
「あっ! ・・・悪い悪い、今行くからな~~っと? そう言う訳で俺達は拠点へ向かうから、おたくらも旅路を気をつけてな・・・」
「貴方達も、どうか気をつけて下さい無事を祈ってます」
行商人は三人へ別れを告げる。
そして、頭を下げて、リュージンもそれに答える。
その後、行商のために彼は仲間達の待つ、キャリッジ馬車の所へ走って戻ろうとする。
「じゃあなーー! 旅人さん方ーー!!」
「ばいばぁいっ!」
「さようなら、行商人達」
キャリッジ馬車に戻り、御者としてをする行商人は手を振る。
彼に向かって、キャロルも無邪気な笑顔で手を振り、ファレドも軽く手を振る。
「行ってしまったね・・・」
「そうじゃな?」
「拠点に帰りましょうか」
キャロル、リュージン、ファレド達。
彼等は、必要充分な補給物資を行商人達との取引で確保する事に成功した。
更に、貴重な情報を入手する事も出来た。
任務を達成したので、彼等は自分達の拠点へと帰還しようとする。
「その前に、シャリル殿を呼びに行きましょう」
「そうしようね?」
「その方が!?」
リュージンとキャロル達が、シャリルを呼びに行く様に提案する。
すると、ファレドは遠くから、シャリルの乗った、キャリッジ馬車が来るのが目に入ったので驚いた。
「皆様、遠くから観察していましたが無事に取引は終わりましたね・・・さあ帰りましょう」
三人と行商人の取引様子を遠くから隠れて観察していた、シャリル。
彼女は、取引が終了するのと同時に、キャリッジ馬車を走らせていたのであった。
「はい、帰りましょうな」
「あーー終わった、終わった」
「取引は長かったですな、これで帰れますね」
リュージン、キャロル、ファレド達は三人とも、ようやく拠点へ帰れると思う。
それで、肩の力が抜けてしまい、一気に精神的な疲れが出てきた。
そして、彼等三人がキャリッジ馬車に乗る。
こうして、四人は自分達アンデッドの拠点を目指して、大量の物資を積んだ馬車を走らせた。