弾薬と爆弾入手
「それでは、私は再び向こうで待機してますので?」
「分かりました・・・我々も再び行商人達を待ちます」
魔物の毛皮と骨を、キャリッジ馬車から降ろした四人。
そして、馬車に乗った、シャリルは再び遠く向こうで隠れていようと馬車をは走らせ始める。
その彼女に対して、リュージンもこの場所で待ち続けると伝えた。
「また行商人達を待つわけね」
「待つしか無いな?」
シャリルの乗った、キャリッジ馬車の後ろ姿を見つめながら、キャロルとファレド達は呟いた。
それから幾ばくかの時間が立つ。
三人のアンデッド達は、行商人達が通るのを待っていると、二台の馬車が現れた。
一台は此方と同じくキャリッジ馬車だ。
もう一台は四頭立てで、大型のコーチ馬車で、大勢の傭兵達が乗っているのが見えた。
「行商人と、その護衛に雇われた傭兵達じゃな?」
「あんなに大勢で・・・やはり魔物の掃討の為に集められたのでしょう」
「それより? 買い物しよう、おーーいっ!」
リュージンとファレド達は、二人して向こう側から来る、行商人と傭兵達の事を話し合う。
そして、キャロルは此方にやって来る彼等に向かって声を掛けた。
「行商人さぁ~~んっ! 私達と取引しよぉーーーー」
「あっ! 取引か? よしっ! 旅人さん達と取引だっ!!」
「取引だと、商売のチャンスだっ!」
キャロルの掛け声を聞いた、キャリッジ馬車に乗る行商人達は、取引する為に此方に寄って来た。
すると、隣を走っていた傭兵達のコーチ馬車もくっついて向かって来た。
「取引にアイツ等の所に向かう見たいだぞ」
「はぁ? 何を言ってるんだ、こっちは早く拠点に行きたいのにっ!」
「そう言うなって? 俺達が食って行けるのも行商人達の、お蔭何だからよっ」
コーチ馬車の傭兵達は、それぞれ愚痴を溢しながらも歩く。
彼等は、行商人達のキャリッジ馬車と共に、三人のアンデッド達が待つ場所に向かう。
「よおっ! 旅人さん達、あんた等は何を探しているのかな? 弾薬、矢、火焔瓶、それとも薬草や包帯か? もしかして魔力回復薬が欲しいのか!」
「ん~~とねぇ? 満遍なく全部少しずつ欲しーーーー!?」
三人に近付いて来た、キャリッジ馬車から降りた行商人達。
彼等は、何の品物が何れだけ欲しいか尋ねてきた。
そして、キャロルは満遍なく全部欲しいと笑顔で答えた。
「お嬢さん、満遍なく全部ですって!」
「あーー? 購入資金なら、此処に有りますので御安心を」
キャロルの言葉に驚いた行商人に対して、リュージンは懐から金貨・銀貨の詰まった袋を見せる。
本当に購入出来る資金なら充分に有ることを示した。
「おお、それなら早速商品を御購入なさいますか?」
「はい、取り合えずは弾薬や道具類等を」
かくして、行商人達から三人は弾薬類&道具類等を購入する。
そして、行商人は傭兵達に商品を運ぶ様に指示を出す。
それから、リュージンから代金を頂くと、他にも何か欲しいかと聞いてきた。
「ええとですね・・・私共が入手した魔物の毛皮と骨を貴方達に買い取って欲しいのですが」
「魔物の毛皮と骨を売りたいと・・・大した値段では買い取れませんが、宜しいでしょうか?」
魔物の部位を売りたいとのリュージンの申し出を聞いた。
行商人は、大した値段では買い取れ無いと説明した。
彼は、いったいどんな物を売却しようとしているのか確かめる。
「して・・・その魔物の毛皮と骨は何処に有りますかな?」
「彼方に有ります袋に包んで有るのがそうで御座います」
魔物の毛皮と骨の存在が気になる行商人。
彼は辺りを、キョロキョロと目を動かして、当の売り物は何処に有るのかと探す。
すると、リュージンは側に置かれた布袋を指差して、あれが売り物の毛皮と骨だと行商人に伝えた。
「これが、その魔物の毛皮に骨です」
「幾らで買い取れますかぁ?」
「これですな・・・ふぅむ、ふむ」
ファレドは、行商人に毛皮と骨を見せる為に布袋を開き中身を見せる。
そして、キャロルは幾らで買い取れますかと可愛らしい笑顔を行商人に向ける。
そんな二人に対して、毛皮と骨の買い取り価格を決める為に行商人は目を凝らしてじっと見つめる。
「針の付いた毛皮は全部で15ブロンズコインです、この狼と馬の骨は30ブロンズコインに成りますね」
「それ位にしか成りませんか? 此方としては大した値で買い取って貰えるとは思ってませんでしたし、その値で引き取って下さい」
行商人から値段を聞かされた、リュージン。
彼は安くても、その値段で良いから毛皮と骨を引き取って貰おうとする。
「では、そちらが購入する私共の品物の代金から毛皮と骨の分を差し引いて起きますね」
「それで宜しいです」
こうして、行商人とリュージンの取引は無事に終了した。
そして、彼等三人は行商人から情報を聞き出そうとした。