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次の買い物は美味しい食べ物を皆の為に・・・


 幌馬車の後ろで、女性商人とアンデッド達は商談を進める。


 品物の一覧表を見つめる三人のアンデッド達。


 彼等は、絶対に必要に成るで有ろう食料を買おうとする。

 チーズと干し肉を始めとする、様々な食料を買う為に、一覧表に丸を付けていく。



「では、これだけ買います」


「こんなにっ!? 有り難う御座いますっ!!」


 ファレドは一覧表を女性商人に渡す。

 彼女は、一覧表の商品名の横に、沢山の丸を付けて有ったので、とても喜ぶ。


 それから、頭を深く下げて三人に感謝の意を示した。


 こうして、この商談は成立した。



「荷物を降ろすのを手伝って?」


「はいはいっ」


「分かりましたよ」


 女性商人が、幌馬車の荷台の中に待機していた護衛の傭兵達を荷降ろしに呼ぶ。

 直ぐに、彼等は荷台の奥から返事を返して現れた。



「でぇ~~何を運べば宜しいので?」


「何れと何れを降ろすのでしょうか」


「ここに丸してある物は全部よっ!」


 傭兵達が女性商人に何を何れだけ運べば良いか尋ねる。

 すると、女性商人は商品の一覧表を彼等に渡して、丸してある商品は全部降ろすのだと伝えた。



「こんなに沢山か、大変な作業に成るな」


「あんたらは、これだけの荷物を馬車も無しに、どうやって運ぶんだ?」


 二人の傭兵達は早速、木箱や樽等の重たい荷物を降ろしつつ、三人に対して質問してきた。



「心配は要りませんよ、我々の仲間は後で、この場所に来ますから」


「ですから木箱や樽は、その辺の地面の上に置いといてくれれば良いですよ」


 傭兵達の質問に対して、リュージンとファレド達は笑顔で答えた。



「そうかい・・・それなら、あんた等も安心だよな?」


「ああ、最近はアンデッドが神出鬼没に出現するって言うからな、気をつけなよ?」


 傭兵達は三人の身を案ずる。

 だが、肝心の三人の正体が、正にそのアンデッドである事には気づいていなかった。



「はい、御心配をどうも・・・」


「ええ・・・私達も気お付けます」


「大丈夫ですよっ!」

 

 二人の傭兵達に対して、リュージンとファレド達は、にこやかな笑顔で言葉を返す。


 それから、キャロルも元気な笑顔で答えた。



「それはそうと貴方達以外にも、ひっきりなしに山道を通る方々が居りますが、そんなに何を運んでいるのでしょうか?」


「山頂付近の拠点って、そんなに物資に事欠いているの?」


「戦争でも始める位の物資を、皆様運搬していますが・・・」


 リュージン、キャロル、ファレド達は女性商人と傭兵達二人に質問をする。

 山道を通り拠点へと、物資を運搬する大勢の行商人達と傭兵達の事が、彼等は気にかるのだ。



「あっ! それでしたら、聞いた話に依りますと・・・どうやら山の反対側に町を作る計画が立てられていてですね」


「それで、山の反対側には魔物が数多く棲息していて・・・」


「町を作るにも物資が・・・魔物を倒すのにも物資が必要不可欠なんだ」


 女性商人と傭兵達は三人に、何故これだけ沢山の物資が運搬されているのか、その理由を答えた。



「そんなに魔物は多いの?」


「それはもう沢山居まして、しかも多いだけではなく強いのです」


 魔物の強さと数が気になった、キャロルは女性商人に聞いてみる。

 すると、彼女は強くて数は多いのだと、真剣な表情を向けて答えた。



「ふむ・・・そう言う事情でしたか」  


「反対側の魔物は、さぞ狂暴なんでしょうな?」


 事情を理解した、リュージンとファレド達は両腕を組んで答えた。

 そして、傭兵達は最後の木箱を地面に置き、品物を全て下ろし終えた。



「ふぅ~~これで最後だ?」


「全て終わったな・・・」  


 仕事を終えた、傭兵達は疲れた表情を見せる事なく、女性商人から次の指示が出るまでその場に立つ。



「有り難うねっ! 傭兵さん達」


「御苦労様です」


「有り難う御座います」


 その二人に対し、キャロル、リュージン、ファレド達は感謝して礼を告げた。

 そして、女性商人は別れを告げて、山頂付近の拠点へと向かおうとする。



「それでは皆様、沢山の品物を購入して頂き誠に有り難う御座います、また何処かでお会いしましょう」


「さようなら、行商人と傭兵さん達・・・」


 別れを告げて立ち去ろうとする、女性商人と傭兵達。

 彼等に、キャロルも別れの挨拶を告げて、行商人達とアンデッド達は互いに手を振った。


 その後、女性商人と、その隣の武器商人は幌馬車を走らせて、山頂付近の拠点へと行ってしまった。



「行ってしまったか・・・」


「そうですね・・・」

 

 リュージンとファレド達は遠く成る度に段々と夜の闇に包まれる幌馬車に目を向ける。

 二人は、姿の小さくなる二台の幌馬車を見つめて呟いた。

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