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買い物は楽しいな


 幌馬車の荷台内で品物を見つめる、三人のアンデッド達。

 彼等が、アンデッドだと気づいていない御者であり、移動武器店の店主である男。



(・・・武器は要らないが? 魔法具ならワシも必要かの・・・)


 クルりと体の向きを変える、リュージン。

 彼は、武器の飾られている板から、反対側の魔法具が飾られている板を見つめる。


 彼は、更に一つの魔法具を見つめた。



(・・・これは私に必要な魔法具だな・・・)


 リュージンは龍の彫刻の刻まれた黒い鉄製の腕輪を自らの装備品に選んだ。


 そして、他の二人はと言うと。



「す~~?」


(・・・これは綺麗・・・これ欲しいなぁ? これに決めちゃえ・・・)


 深く息を吸い込む、キャロルは自分への褒美に買うものを眺める。


 中心に大きく綺麗な深緑色の宝石。

 紐に水色がかった薄翠色のビーズの詰められたネックレス。


 それらを購入するのに決めた。



(・・・後はシャリルお姉ちゃんの分も何か買わなきゃね? 何が良いかな・・・)


 姉と慕うシャリルの分も魔法具を購入しようとする、キャロル。


 やがて、商品棚変わりの装飾品の飾られた板を見つめる、彼女は一つの魔法具に視線を合わせた。



(・・・これ凄くシャリルお姉ちゃんに・・・似合いそう・・・ううんっ! 絶対に似合うっ・・・)


「アレと、コレに決めたっ!」


 キャロルは嬉しそうに、シャリルへの手土産に、青い宝石の付いた金の指輪を購入する事に決定した。



「最後は私ですか? 私はこの剣を・・・」


「この剣ですね、確か・・・この剣は私が北ダークネス大陸を旅している時に入手した、トゥアレグ族の剣でタコーバと言いましてね・・・頑丈で鋭い刃が特徴の剣です」


(・・・知っているよ・・・駝上での戦いでは私の短剣テレクは短すぎるし・・・槍は長すぎるから私には使い難いから・・・このタコーバなら駝上で扱うのに調度良いんだよな・・・)


 ファレドの選んだ剣の特徴を御者は説明する。

 その間に、彼は色々と考え込む。


 そして、御者は一通り剣の説明をえる。

 すると、今度はリュージンとキャロルの選んだ魔法具の説明を始める。



「そちらの方が選んだ腕輪は素早さを上げる魔法具でして、効果はそれほどでも無いですが、腕が軽くなり戦闘や走る時に体に負担が掛からず動作が楽になります」


 御者は、リュージンへ向けて、龍の彫刻の彫られた腕輪の効果を丁寧に説明する。

 そして、次にキャロルに対して、ネックレスと指輪の効果を説明する。



「お嬢さんが選んだのは、回復力と魔力を底上げさせるネックレスと・・・対氷魔法の防御力をアップさせる魔法具だね、これは若干物理攻撃に対する防御力もアップさせる効果がある」


 御者は商品を手に取り、三人に効果を説明し終えると、早速代金を受け取ろうとする。

 そして、リュージンは懐から財布を出すと、中から金貨を取りだして代金を支払う。



「毎度あり、また何処かであんたらが何か必要な物が有って俺と出会ったら取引しような」


「ええ、その時はお願いします」


 御代金を頂いた御者と、リュージンはこうして別れた。

 そして、次に三人のアンデッド達は食料を購入しようと、もう一台の幌馬車に向かう。



「いらっしゃいませ、皆様は何をお探しですか?」


「うーーんっ? 凄く美味しい食べ物が欲しいのっ!」


 荷台の中から茶髪の髪の女性商人が現れ、三人に対して頭を下げ丁寧な挨拶をした。

 そして、彼女にキャロルは何か美味しい食べ物は無いかと問う。



「クスッ・・・ええ・・・私の取り扱う品物は保存食が中心とは言え、美味しい食べ物と飲み物ばかり揃ってますよ?」


 クスりと笑みを浮かべた、女性商人は品物のリストが書かれた紙を、三人に見せた。

 そこには、彼女が仕入れた品物の名前と、数の一覧表が書いて有った。



「赤丸の書かれた品物は山頂付近の拠点への補給品ですから、それ以外の物をお願いします」


 女性商人は、商品一覧表を見つめて、何を購入するか思案する、三人に対して色々と教える。


 赤い丸の付いた品物は、既に予約済みなので購入出来ない事を説明した。

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