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男アンデッド達の冒険と買い物


『ふぁ~~』


 洞窟内の広い空間に、間抜けな欠伸アクビをする男の声が響く。

 声の主は、アンデッド・パーティーのリーダーである、ジョージであった。



「あーー? 良く寝たわぁ~~」


「リーダー、お早うっす?」


 昨夜、遺跡の中で寝ていた、ジョージ。

 時刻が晩方になり、アンデッドが活動する時間帯と成ったので、彼も目覚めて来た。


 そこに気だるげな、スケルトンのアレリオがやって来た。



「おっ? アレリオ、お早う」


「リーダー、今日は買い物と狩りの日ですよね?」


 ジョージとアレリオ達は、遺跡の前で話し合いながら木箱を組み合わせた、テーブル目指して歩く。

 目的は、朝の川から汲んだ喉を潤す綺麗な冷たい水を飲み、昨日の残りのロースト馬肉を食べる為だ。



「ジョ~~ジィーー?」


「うわっ! ミリカ、何だよっ?」


 テーブルまで歩く、ジョージとアレリオ達の目の前に遺跡の脇から突如ミリカが現れた。

 その姿は、目に黒い隈が出来、元々色白だった肌を土気色にして具合の悪そうな表情を浮かべる。


 そして、声は力無く弱々しい物だった。



「ビックリする・・・じゃないか?」


「驚かして、ご免なさいねぇ・・・私達遊び過ぎちゃって~~? ・・・眠いから今日は寝ていていーーいぃ~~? ・・・」


 突如現れた、ミリカに一瞬驚いた、ジョージであった。

 しかし、眠くて気だるい彼女は驚いた二人を気にする余裕すら出来なかった。


 何故なら昨晩、彼女は遊び過ぎたからだ。

 そして、彼女は凄く眠いから今日は寝ていたいと頼む。



「ああ? 分かった、寝ていたいなら好きにしろっ・・・」


「有り難う・・・ジョージィ~~? あと私と一緒にシャリルは寝ているから安心してね? アレリオ・・・」


「はいっ! ミリカ様、どうかシャルを頼みます」


 ジョージは、一日中寝ていたい程疲れている、ミリカを寝たいだけ寝かせて上げる事に決めた。


 そして、彼女の頼みを了承した。


 一方、ミリカは眠たそうな隈のできた目を細める。

 それから、アレリオに対して、シャリルの事は安心してと告げる。


 彼も、二人が共に睡眠するのを了承した。



「つぅーーん訳で、私は暖かい温泉の側で寝ているからあ~~?」


 ミリカは、目の前に居る二人にそう告げると温泉の方へと向かう。

 彼女は腰を曲げ、フラフラとした足取りで進む。

 その姿は、お歳を召したお祖母ちゃんの如く、ゆっくりと歩いて行った。



「ありゃ、かなり疲れているな?」


「ですねーー? まあミリカ様も、シャルにも体をゆっくりと休めて欲しいですね?」


 その後ろ姿を見守る、ジョージとアレリオ達。

 二人は、ミリカの後ろ姿が洞窟の中に隠れてしまうと、再び木箱のテーブルまで歩き出す。


 彼等はその後、数種類のチーズとロースト馬肉を腹が満たされるまで食べる。

 それから、朝ごはんを済ませると早速狩りに出掛ける仕度を始めた。



「リーダー殿、アレリオ殿、我々も用意は出来てますぞ」


「私達は何時でも戦えます、例え今この瞬間に敵が攻めて来ようとも」


 ジョージとアレリオ達が、丁度仕度を終えた頃、残りの男アンデッド連中四人も現れる。

 その四人の中でも、リュージンとファレド達はヤル気満々の様子であった。



「二人共、やる気満々な様だな? 俺達も仕度は出来たし、狩りに行こう・・・皆用意は良いな?」


「はい、リーダー・・・用意は出来てますが誰を見張りに残しますか?」


 その場に、集まった全員に用意は良いなと言う、ジョージ。


 誰を見張りに残すのかと問う、アレリオ。

 その質問を受けた、彼は少しの間考える。



(・・・リュージンとファレドを残そう・・・二人共・・・ヤル気は有るようだが? 俺達が戻って来るまでは見張をやって貰おうか・・・そして戻って来たら・・・二人には山道に行って行商人との取引に向かって貰おう・・・)


 そう思い付いた、ジョージ。

 彼は、リュージンとファレド達に拠点に残って待機して貰う様に伝える。



「リュージン、ファレド、悪いけど二人には拠点に残って欲しいんだよ」


「分かりました、リーダー殿」


「皆様が、無事に戻って来るまで拠点を守り通します」


 ジョージの指示に素直に従った、リュージンとファレド達。

 リーダーである、彼は何故二人に拠点に待機して貰う見張り役を与えたか説明を始める。



「二人には、俺達が戻って来たら、行商人の所に骨や皮を売りに行って欲しいんだ・・・そこでこれから必要になる武器・弾薬と道具を買い込んで来て貰いたい・・・」


 ジョージは、行商人と行う取引の詳しい内容を話す。

 それを、リュージンとファレド達二人は黙って聞く。



「それと、二人には捕虜を二名連れてきた功績を称えて、好きな物を買ってきて良い? 例えば武器とか道具とかな・・・」


「キャロルの奴には、私達が土産に何かを買ってきてやりましょうな?」


「彼女の土産には装飾品とかを買いましょうか」


 ジョージは洞窟の方で、ぐっすりと睡眠中のキャロルを含む捕虜を連れてきた、三人の頑張りを認める。


 そして、それぞれの好きな物を買ってきても良いと言って褒美を与えた。

済まん、女アンデッドの話が抜けてたわ。


前話と入れ替えたから。

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