詐欺るのは成功よっ!
突如現れた、三人のアンデッドに警戒感を強めるナスターゼ姉弟。
そして、二人に笑みを浮かべて近付く、ミリカとシャリル達。
彼女等は、縄で姉弟を縛り上げると姉である、ヴィカを連れて行くように命令を下す。
「貴方は美しいから、奥の監獄に監禁させて上げるわ? あそこにはヌルちゃんも居るし、彼女も新しいお友達が出来て、きっと喜んでくれるわよね?」
「何を言ってるのっ! ヌルって誰よ?」
口角を吊り上げ牙を覗かせながら怪しく笑う、ミリカの言葉に反抗する、ヴィカ。
だが、彼女は、弟と共に手足を縄で縛られ抵抗する事は出来ない。
そのまま、彼女はニウとキャロル達に引き摺られて行くだけであった。
「さてと? 貴方は遺跡の裏側で待機しててね? ボウヤ」
「五月蝿いっ! お姉ちゃんを放せっ!」
監獄まで囚人の様に引き摺られながら送られて行くヴィカの後ろ姿を見ていた、ミリカ。
彼女は、一人だけ置いてかれた、ヴークに話し掛ける。
すると、彼は五月蝿いと叫んで反抗的な態度を取る。
「暴れても無駄だし、それに今日から私達も貴方のお姉さんに成るんだからね? 年上のお姉さんの言う事はちゃんと聞きなさい?」
「何だって? お前見たいな化け物が僕のお姉ちゃんに成るだって・・・ふざけるなっ!」
姉弟二人共、アンデッドへ悪堕ちさせようと考える、ミリカ。
彼女は、悪堕ち後ヴークにもキャロル同様にお姉ちゃんと呼ばせ様とする。
だが、彼は勿論それを受け入れる訳がない。
そんな彼は、彼女に対して拒否するだけではなく、険しい顔を向け、ふざけるなと怒鳴り散らす。
「まあーーその態度をしていられるのも今の内だけよ? 私が貴方の目を潰せば同じ口を聞けるかしら?」
「お姉さまに何て口を聞くんですかっ! 口の悪い子には罰が必要ですねっ!」
縄をほどこうと、必死で体を揺する、ヴーク。
彼に対して、ミリカは腰の鞘からレイピアを抜き取ろうとするポーズを取る。
一方、シャリルはキツい目付きで、ヴークを睨み、両手に持ったメイスを強く握り締める。
「やーーめろっ! ガキ相手に、何をムキになってるんだよっ・・・と?」
『ゴスッ!』
「うっ!? 痛~~いっ?」
険悪なムードの中、ミリカの背後からチョップを喰らわす、ジョージ。
後頭部を叩かれた彼女は、アンデッドの弱点である頭部を叩かれたから何か叫ぶ。
それとも、痛みは無くとも、叩かれた衝撃が頭に響き、人間だった頃の癖なのか痛いと言った。
「何をするのよっ! 痛いじゃないっ!」
「リーダー・・・何を?」
「何をじゃない、相手はまだガキだし、後で仲間にするんだから、今傷めつけても仕方が無いだろう?」
いきなり、頭を叩かれたミリカは後ろに振り帰りらチョップして叩いてきた、ジョージを怒鳴る。
そして、シャリルも何故叩いたのかと思う。
彼が止めた理由は、子供を傷めつける場面は見たく無いと思った。
それで、武器を手に持った二人を止めたのであった。
「もぉーー冗談よっ! 本当に目を潰すなんて残虐な真似を、私がする訳無いじゃないっ! ねっ? シャリルちゃん・・・」
「えっ? ええーーそうですよっ! リーダー、私達は少し脅す真似をしただけですよっ?」
「そうか・・・なら良いんだ・・・」
ミリカとシャリル達は二人して言い訳をするが。
こいつら、絶対に本気で拷問しようと考えていたなと、ジョージは思った。
「まあ・・・お前は遺跡の建物の裏で大人しくして黙って寝ていろよ」
「くぅっ! 絶対に、お前らアンデッドを全員殺してやるっ!」
ヴークの頭を右手に余り力を入れず、ポンポンと軽く叩く、ジョージ。
それから彼は、縛られたままの彼を、建物の裏まで連れて行こうとする。
しかし、縄で両手を縛られた、ヴークは少しでも反抗しようと暴れて罵声を吐く。
「はいはいっ? 分かった、分かった・・・向こに行ったら両足も縛ってやるからな?」
「馬鹿にしやがってっ!!」
その後、ヴークは叫び続けて足をバタつかせていた。
だが、無理矢理ジョージに遺跡裏まで連行されて行く。
彼は、騒がれても迷惑なのでと、両足と口にも縄を猿轡の様に巻いて、彼が喋れないようにした。
「さっ! これでよしと? じゃあな・・・」
「んんーー! んんーー!!」
両手足を拘束されて体を動かす事の出来ない、ヴーク。
彼を一人置き去りにして、その場から離れて行く、ジョージ。
彼は、遺跡から離れて皆の所に戻る。