四人で彼女と遊んであげましょう
拘束された、ヌルの体をマッサージしつつ、撫でたり指圧したりして遊ぶ四人の女性アンデッド達。
その姿はまるで淫獄に住まう、サキュバスを彷彿とさせる。
「くっ! ぐぅ・・・」
「それ、それっ!?」
俯せで寝転がる、シャリルの背中をマッサージで指圧する、ニウ。
その二人を余所に、ヌルの手甲から右上腕部に掛けて指を這わす、ミリカ。
彼女の首筋から脇下を人差し指と中指で、すぅ~~と撫でて、コチョコチョと擽る、シニッカ。
「くっ・・・! う・・・ふぅ・・・?」
(・・・嫌っ? もう私を解放して・・・)
喘ぎ声と荒い吐息を口から吐いて我慢を続ける、ヌル。
彼女は、心の中で、もう解放して欲しいと思う。
(・・・懇願した所で? どうせっ! この不浄な女性アンデッド共は私を解放してくれはしないだろう・・・)
ヌルは、そう考え黙って、マッサージを耐え続ける。
「ミリカ様ーーーー!? 報告に御座いますっ!!」
そこに、ファレドが騙して連れて来る予定だった、人間二名の報告をする為に監獄へと走ってきた。
彼は、ミリカ達がきっと捕虜である、ヌルを拷問する為に裸に成っていると思う。
なので、監獄の手前で、大声で監獄内に居る彼女達に聞こえる様に報告をする。
「ファレドッ! あんた五月蝿いわよっ! 折角私達が楽しみにしていた拷問を中断させてぇっ!」
「そうですわっ! 貴方はいったい何を考えているのですか? お姉さまと私達が、お楽しみの所に邪魔して入って来る何てっ! 罰として貴方の体をバラバラに切り刻みましょうかっ!!」
女性アンデッド四人皆のお楽しみを邪魔してしまった、ファレド。
そんなファレドを、顔を真っ赤にして、カンカンに怒鳴る、ミリカと凄まじい声で叫ぶ、シャリル。
「誠に申し訳有りません・・・しかし? どうしても、お耳に入れて起きたい情報が入ってきたので御座いますっ!」
「そんな事より! さっさとあっちに行きなさいっ! 何時まで私達を邪魔するのですっ!!」
「まさか・・・覗きに来たのっ?」
どうしても伝えたい情報があると言って譲らない、ファレド。
そんな彼に、キツい言葉を吐き続ける、シャリルと覗きに来たのかと思う、ニウ。
「まあ、良いわ・・・言って見なさい?」
「お姉さまっ? 宜しいので・・・」
気の変わったのか、ファレドの話に興味を持った、ミリカ。
その横で、良いのかと焦る、シャリル。
「良いのよ、シャリルちゃん? どうせ、大した事じゃなければ、ファレドの脳髄には、私のレイピアが突き刺されてグチャリと掻き回されるだけ何だからさぁ~~♥」
「分かっております、ミリカ様・・・して、報告内容ですが・・・現在、我等偵察隊三名が人間の姉弟を此方の拠点まで騙して連れて来る予定です・・・彼等も殺さずに補給用の血袋とされては如何でしょうか?」
満足の行く内容で無かった場合・・・。
かなり、過酷な刑罰を与えると言って恐ろしい刑罰執行方法を告げる、ミリカ。
彼女に、ナスターゼ姉弟の事を報告した、ファレド。
「ふむふむ、それで姉弟って?」
「成人女性の姉と幼い少年の弟の二人組に御座います」
報告内容に興味を抱いた、ミリカは更に詳しい話を、ファレドにさせる。
ミリカは、その姉弟にも興味を抱いた。
そして、悪戯っ子の様な笑みを浮かべ口角を釣り上げて吸血鬼の犬歯を覗かせる。
興奮する彼女は、サッと急いで下着と服を着始める。
「よしっ! 分かったわよ、ファレド・・・私達もその姉弟を捕虜にするのに協力するわっ!」
「はいっ! お姉さまっ! それじゃあ皆行きましょう!!」
姉弟を騙す事にやる気を出した、ミリカ。
彼女に続き、シャリル達も急ぎ服に着替え始める。
武器を取り、やる気満々で監獄を出る四人の女性アンデッド達。
「ええっ行きましょう、シャリルッ! ヌルちゃん・・・私達はちょっとの間、姉弟を騙しに行って来るから、その間は一人で大人しく待っていてね?」
「じゃあねぇ~~ヌルちゃん、シニッカの言う通り大人しくしていたら、ご褒美にお友達として、姉の方を此処に連れて来て、一緒に監禁して上げるから楽しみに待っていてね~~?」
シニッカとニウ達は、去り際に黙って、話を聞いていた、ヌルに告げる。
それから、ファレドに案内されて、遺跡の方まで四人の女性アンデッド達は向かっていった。
(・・・また誰か連れて来られる・・・可哀想に・・・)
一人残された、ヌルは思う。
しかし、勿論ミミズに拘束された体は動かず、何もする事は叶わなかった。




