今度は晩飯探しに行きますか?
砂利だらけの広い平地を只歩く、アンデッドの四人組。
ジョージ、ミリカ、アレリオ、シャリル達。
彼等の目標は獲物を仕留めて晩のご飯にする事だ。
「飯、飯、飯、肉は何処だ・・・?」
「リーダー・・・そう簡単には見つかりませんよ?」
飯、飯、と五月蝿く肉を食べたいと辺りを見回しながら歩くジョージ。
そんな彼に、簡単には見つからないとアレリオも言って自らも獲物を探す。
「しかし、何も見つかりませんよねーー?」
「だろう~~?」
アレリオとジョージ達は、精神的に疲れたのかヤル気無く、ぶつぶつと呟きながら歩く。
彼等は、あの会議が終わった後から四人で獲物探しに出掛けたのだ。
ジョージを含む外回り組の四人。
彼等とは別に、遺跡に待機組のビョルン、ニウ、カブラル、シニッカ達。
別動隊リュージン、キャロル、ファレド達。
と言う風に、分かれて、アンデッドのパーティーはそれぞれ別行動を取る事に決めた。
「ジョージ!! 確りしなさいよっ! 貴方少しだらしないわよっ!!」
「アレリオ!! 貴方も真剣に探しなさいっ!!」
ダラダラと歩く、ジョージとアレリオ達に後ろから叱咤が飛んでくる。
怒りと共に叱咤を飛ばしたのは、情けない姿を晒す二人を見てキレた、ミリカとシャリル達であった。
「でもよぉーー? 二人はそう言うけどさ~~これだけ探して何も見つからないんだから少しは休まないか?」
「そうですねーー? リーダーの言う通り少し休んで、昼寝でもしましょうよ」
等と言い出す、ジョージとアレリオ達。
彼等は、お昼に肉を沢山平らげ、飲み物をがぶ飲みしたので、眠たくて仕方が無いのだ。
勿論、そんな駄目男二人を、ミリカとシャリル達。は甘やかせる筈は無い。
「全く、だらしないわねぇ~~」
「仕方の無い男達よねっ!」
ミリカとシャリルがそう言って呆れていると、不意に遠くの大きな岩の陰から魔物が現れた。
「ヒヒーン!!」
その魔物は馬に似て、大きな体躯をしていた。
真っ黒い肌に、黄色い瞳を光らせ、頭には山羊や牛の様な立派な角が二本生えている。
凶暴そうな顔を、此方に向けて岩の側から、此方へゆっくりと歩き出した。
「フローシェス・ワイルドホース!?」
「リーダー! お姉さまっ! 気を付けて下さいっ!! 奴は凶暴で足が速いですっ!?」
アレリオは現れたこの魔物の事を知っているらしく、名前を言った。
シャリルも、気を付けて下さいと、焦った顔で言い出す。
二人は慌てて武器を構える。
アレリオは、モンタンテを両手で構え、シャリルは、メイスを両手で確りと握る。
当然ジョージも、ショートソードを鞘から抜き取り、ダンゴムシ型のラウンドシールドを開いて構える。
ミリカも腰の鞘から、レイピアを素早く抜き取る。
「肉が見つかったと思ったら、これか?」
「アイツかなり強そうね? ジョージッ!」
ジョージとミリカ達も近付いてくるフローシェス・ワイルドホースを睨む。
彼等は、相手がどの様な攻撃方法を取って、来るか警戒する。
「ブルルッ!!」
ゆっくりと足を上げて歩いていたフローシェス・ワイルドホース。
奴は徐々に歩く速度を上げ、此方へと突進してきた。
「シャリルちゃんっ! アイツに魔法をっ!」
「了解ですっ! お姉さまっ!!」
右手をかざして魔法を放つ、ミリカとシャリル達。
二人の放った魔法が、フローシェス・ワイルドホースの正面に向かって飛んでいく。
「フレイムボール! フレイムボール!」
「サンダーショット、サンダーショット」
ミリカとシャリル達は、火炎魔法と雷撃魔法を放つ。
だが、それを回避する事無く突っ込んで来るフローシェス・ワイルドホース。
奴は火炎球と雷撃を、一直線に走り抜ける事に因って、逆に魔法攻撃を交わす事に成功する。
「奴が来るぞっ!!」
「剣で斬るぜっ!」
迫りくる凶暴野生馬に対して、ジョージとアレリオ達は、剣を構えて待ち構える。
そして、フローシェス・ワイルドホースは、一直線に突っ込んで来ると見せ掛けて右側に走って行く。
奴は、背中の左側面をピカッと雷の様に黄色く発光させる。
『ゴロゴロッ!! ガシャッ!!』
「ヒヒーンッ!!!」
フローシェス・ワイルドホースは、発光させた背中の黄色い筋模様から、雷撃魔法を発射させて攻撃して来た。
「ヤバイ!! 回避しろっ?」
「ジョージ! 危ないわっ!?」
此方を目掛けて飛んでくる複数の雷撃魔法を、四人は横へステップして回避する事に成功した。
ジョージとミリカ達は即座に魔法を撃ち返そうとする。
「ヒヒーン!!」
『ガラガラッ!!!!!』
フローシェス・ワイルドホースは、二人が魔法を放つ隙も与えない。
奴は、更に激しい雷撃魔法を連続で放って来る。
その様は、まるで重機関銃を撃ちながら走る装輪装甲車の様であった。
「アイツはBMPかぁーーーー!!」
「こんな非常時にまた、何をわけわかんない事を言ってんのぉーーーー!!!!」
ジョージとミリカ達は連続で放たれる雷撃を回避する。
アレリオとシャリル達も雷撃を交わしつつ反撃を伺う。
だが、フローシェス・ワイルドホースは、雷撃を途切れさせる事無く四人への攻撃を絶えず続ける。
「何とか策を練らなきゃ・・・?」
ジョージは走りながら飛んでくる雷撃を交わし続けて策を考える。
だが、フローシェス・ワイルドホースは策を練る彼を狙って雷撃を放った。
済みません、今日はトラブル続きで投稿できませんでした。