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捕虜連行アンデッド化の前に血袋にぃ~~


「ぁ? あの~~皆さんは私をどちらに運ぶんでしょうか・・・」


「黙りなさい・・・」


 ニウとシャリル達に担がれたまま連行される憐れな、ヌル。

 彼女は、ミミズ型の触手生体兵器の場所まで連行されるとは知らない。


 彼女は、周りの女性アンデッド達にどちらに連れて行くのかと話掛けた。

 だが、彼女は直ぐ側を歩く、シニッカの冷酷な紅い瞳に睨みつけられ、弓を向けられる。



「あっ!? 済みません・・・・・・」


「もぉーー? シニッカちゃんたらぁ~~このヌルちゃんも何れは、私達アンデッドの仲間になるんだから、丁重に扱わなきゃ駄目なんだよっ!!」


 自らに向けられた憎しみと侮蔑の籠った冷ややかな眼差しに畏縮する、ヌル。

 彼女は、恐怖に怯え黙り混んでしまい、横から、ミリカが口を挟む。


 ミリカは、ヌルも仲間になるからと、シニッカを制す。



「済みませんっ! お姉さまっ!! 私としたことが、つい人間に・・・」


「まぁーー? でも、良いわよぉ~~? シニッカちゃんが、まだ人間のヌルちゃんの事を憎むのは仕方が無い事だもんね?」


 勝手に人間である、ヌルの事を殺害しようとした事を詫びる、シニッカ。


 しかし、ミリカはそれを咎める事はしない。

 彼女は、担ぎ上げられ連行されて恐怖に怯える、ヌルの顎にそっと手を添える。


 そして、彼女の瞳に視線を合わせて覗き込む。



「でもぉ~~? 何れは、ヌルちゃんも、シニッカちゃんも中の良い友達になるんだからね?」


「ひいぃっ! あっ貴女達は私をアンデッドに変えようって言うの?」


 ヌルの顔を、じっとりと舐め回す様な目付きでと眺める、ミリカ。


 彼女の言葉に、ヌルは背筋に悪寒を感じた。



「何れは? よっ! 何れ・・・それまでは貴女は搾血用の血袋何だから、大人しくしていなさい?」


「搾血用の血袋?」


 ミリカは、何れはヌルの身体をアンデッドに変えると宣言した。

 それまでは、血液を啜り、栄養補給用の血袋にすると説明したが、ヌルは何それと言う顔を浮かべる。



「貴女は血を啜るために、暫くは人間のまま、拘束させて貰うって、こ~~とっ!」


「は・・・」


(・・・直ぐにはアンデッドに変えずに自分の体を痛め付けて楽しむ積り!? この女性はサディスト? ・・・)


 簡潔に説明した、ミリカだったが。

 彼女の事を、ヌルは恐れた。

  


「ミリカお姉ちゃ~んっ! そろそろ例の、お部屋だよーー?」


「キャロルちゃん・・・檻を開けてね? この場所はヌルちゃんも、きっと気に入るから・・・ふふっ♥」


 キャロルは檻の側まで来たことを、ミリカに告げる。

 すると、報告を受けた彼女は悪戯好きな小悪魔の様な笑みを浮かべて、ヌルを見る。



「じゃあポチポチっ?」


『ゴゴーーーー』


 洞窟内の岩壁に備え付けられた石板型タブレットを、キャロルは操作する。


 彼女は、五本の太い石柱と天井裏に住み着く、ミミズ型の触手生体兵器を動かす。


 その様子を見たヌルは、目を見開き何アレと驚き、ミミズの気持ち悪さに嫌がる。



「まさか、貴女達はアレに私をっ!!」

 

「そうよーー? あのミミズで拘束するの」


「貴女が逃げ出さない用にと、後は実験台に成って貰う為にねぇ」


 赤黒いミミズを嫌がり、拘束されているにも関わらず脱走しようと暴れる、ヌル。

 彼女に対して、さも当然でしょと、キャロルとミリカ達は、嫌がる気彼女の気持ちを無視する。



「おいしょっ! あーー? やっと着いたわあ~~?」


「貴女は幸せねえーー? お姉さまと私達に愉しく可愛がって貰えるんだから」


 今まで、ヌルを担いでいた、ニウとシャリル達。

 二人は絡まり合うミミズ達の中に、ヌルを入れようとする。

 拘束を解いた彼女の豊満な肉体を、両腕を押さえて強引に押し込んで行く。



「嫌だあああぁぁぁ~~~~~~!?」


「嫌だって言っても無駄なんだから」


「大丈夫よ、何も怖くないからね?」


 ニウは右側から、シャリルは左側から。

 ヌルの体をうねうねと蠢く、ミミズ達に絡め取らせて行く。

 腕や足をしゅるしゅると、ミミズ達に拘束されて、嫌だと凄まじい声で泣き叫ぶ彼女を見ながら。


 ニウは呆れた顔で無駄なんだからと言う。

 シャリルは母親が赤子をあやす様な笑みで、小馬鹿にしたようにヌルに言葉を掛ける。



「うふふ♥ 良い叫び声だわ」


「あははーー! お姉さま? これから、この女はどうしますぅ~~?」


 頬に手を当ててうっとりとした表情を浮かべる、シニッカ。

 悪魔の様な笑い声を出して、ミリカに、ヌルの体をどうするか聞いた、キャロル。



「こらっ! キャロルちゃん、彼女の事を女なんて言ったら駄目なんだよっ! ちゃんとヌルお姉ちゃんって呼ぶのよ? これからは暫くの間、彼女は私達に新鮮な血液を提供してくれる血液樽に成ってくれるんだし」


「うぅ~~! ご免なさいっ!! ミリカお姉ちゃん」


 ヌルの事を、お姉ちゃんと呼びなさいと、キャロルを怒った、ミリカ。

 そして、怒られてしまった彼女は、シュンと気落ちしてしまう。



「分かれば良いのよ、うふふっ♥ キャロルちゃんは私好みの物分かりの良い、お利口さんでお姉さまは嬉しいわぁ~~」


「えへへ~~♥ 私もミリカお姉ちゃん大好きぃ~~❤♥️♥️♥️」


 空かさず気落ちした、キャロルを優しく、フォローして頭を撫で撫でする、ミリカ。

 それを、キャロルは嬉しそうに喜び笑顔で、ミリカの身体に抱き着き頬擦りする。



(・・・何コイツら? ふざけてんの? うぅ~~! ・・・それよりも・・・きっ! ・・・)


「きっ気持ち悪いっ!?」


 ミリカとキャロル達の姉妹の様なやり取り。

 それを、蠢くミミズ達に拘束された状態で、ヌルは見つめていた。


 彼女は、二人の事より、ミミズ達の気持ち悪さの方に気が向いてしまう。

 その気持ち悪さを、ひたすら我満して耐えるしか今の彼女には出来なかった。

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