でっ仲間にするか・・・? それより捕虜の女性をっ!
「如何でしょうか・・・?」
「うぅん・・・折角ここまで来てくれたんだし、仲間に加えても良いよな?」
「そうね? 良い手土産も持って来たようだしさぁ~~♥」
ファレドを仲間に加えても良いかとシャリルは許可を求める。
彼女の言葉に、ジョージとミリカ達は思案した。
ここまで苦労をして、たどり着いた彼の実力と捕虜を連行してきた功績。
結局はそれを讃えて、仲間に迎え入れる事を決定した。
「まぁ? 詰まりは、お前は今日から俺達の仲間だ、ファレド」
「ファレド、それより、あそこで縛られている女性の名前は何て言うの?」
遂に、ジョージ達のパーティーの正式な仲間と認められたファレド。
しかし、ミリカはそんな事より地面に寝かされて女性に目を向ける。
首に、アレリオの持つ長剣、モンタンテの刃を当てられる女性。
身動き一つ取れず、怯えて額から冷や汗を垂らす彼女の事が気になっていた。
「あの女性の名前は・・・私も知りません?」
「そう・・・じゃあ私が、あの女性を貰っても良いのよね?」
ファレドが女性の名前を知らないと答える。
すると、女性の血液と豊満な肉体がどうしても欲しくて堪らないミリカ。
彼女は、貰っても良いかと彼に尋ねた。
「勿論ですともっ! 彼女は貴方達二人に捧げる供物なのですからっ!!」
「そう・・・じゃあっ! 彼女は遠慮なく頂きましょうっ♥」
ファレドの勿論との言葉を聞いたミリカ。
彼女は大喜びで女性の近くまで走っていく。
そして彼女は、怯えて喋る事すら出来ない女性の顔を覗き込む。
「ねえぇ? 貴女お名前は何て言うの?」
「ヌル・・・です?」
しゃがみ込んで、ミリカは女性の瞳に真っ直ぐ視線を向ける。
彼女は、お名前はと言って話し掛ける。
それから、女性は視線を剃らしつつヌルと名を名乗った。
「ミリカ様、この女はどうしますか?」
「このまま、置いておくと言う訳にもいきますまい?」
ミリカに対して、捕虜として捕らえられたヌルが、怪しい動きをしないかと見張る二人。
モンタンテの刃を首筋に突き付けて居た、アレリオ。
その側で、ヌルを見張る、リュージンは進言する。
「うんーーんっ! そうだわっ!? キャロルちゃんにさっき教えて貰った例の場所にヌルちゃんを連れて行きましょっ!!」
「さっきの場所? ・・・てっ!? ミリカお姉さま、まさかっ! あのミミ・・・」
「本当に彼処に連れて行くのぉっ?」
あの場所にヌルを連れて行こうと言い出したミリカ。
彼女の言葉に、本当にミミズ型生体兵器の檻まで連れて行くのかと、ニウとキャロル達は驚く。
「ミミって・・・まさかあの場所に?」
「アレリオッ? ミミって、何っ?」
ミミズの絡み合った触手型生体兵器の存在を知っている、アレリオはまさかと言うと。
シャリルが、その言葉に反応して、頭に?マークを浮かべて問い質す。
「私も気になるわねぇ~~? アレリオ、そのミミがいったい何なのか、名前を教えてくれる? 例えばミミックとかかしら?」
「いやっ! それは・・・その? ・・・あっ! 俺よりカブラルの方が詳しく知っているから彼に聞いてくれっ?」
ミミっが何なのか凄く気になるシニッカ。
彼女もそれが何なのかと、アレリオに質問するが。
彼は、カブラルの方が詳しいと言って、自らに問われた質問をはぐらかした。
「おっ俺も詳しくは知らないぞっ! あっそうだ耳の事じゃないか?」
「耳? ・・・って何よ?」
「もぉーー? みんな、だべって無いでヌルちゃんを彼処まで連れて行くわよっ! ニウちゃんシャリルちゃん、担いで頂戴っ!!」
アレリオに話を振られた、カブラルもまた適当に言葉を濁した。
それで、結局ミミッがいったい何なのか分からず頭に?マークを浮かべ続ける、シニッカ。
彼女に、ミリカはこれ以上此処で駄弁って居ても仕方が無いと判断する。
それから、彼女の命令で女性アンデッド達だけで檻へと向かう事にした。
「はい、では早速っ!」
「はいっ! お姉さまの為なら」
「キャロルちゃんに、シニッカちゃん二人もついてきて頂戴ね」
ミリカの指示に従い、ニウとシャリル達は指示通り、縄で後ろ手に拘束されたヌルの体を担ぐ。
そして、ミリカは自分の背中に続くようにと、キャロルとシニッカ達に告げる。
「はい分かりました・・・私もついて行きます」
「はーーいっ! 私もついて行くよぉーー?」
洞窟を目指して歩くミリカと、捕虜であるヌルを担ぐニウとシャリル達。
その後に付いていくキャロルとシニッカ達。
彼女等は、洞窟に向かって捕虜の尋問を行おうとする。
「ジョージ・・・そっちは、あんたに任せたからあ~~♥」
「へいへーーいっ! 分かりましたよっ! 吸血鬼のお姫さま」
ファレドの事や昼のご飯の事等を、ジョージに全て任せた我が儘な吸血姫ミリカ。
彼女は洞窟へと取り巻きの女性アンデッド四体と捕虜の人間女性一人と共に歩いて行ってしまった。