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重たいわ・・・この死体?


 馬車の駐車スペースから死体の積み卸し作業を行う四人。


 ジョージ、ミリカ、ニウ、ビョルン達。


 彼等は、ニードルランサーウルフの死体を全て地面に積み卸すと、一息しようと休憩時間にする。



「この獣は重たかったわぁ~~?」


「ふぅ? 疲れたな・・・」


 ミリカとジョージ達は、背中を馬車に預けて休憩する。

 二人は、これから解体される、ニードルランサーウルフの死体の山を見つめた。


 そんな二人、肉は焼肉に成り骨は細かく砕いて肥料や薬にして行商人に売る。

 牙や皮などはアクセサリー等の材料に使えるだろうから、砕いた骨同様に行商人に売るかと考える。



「ああぁーーご飯は未だかなぁ~~?」


「ニウ、僕もお腹が空いたよ?」


 積み上げられた死体の山の側で座り込んで休憩するニウとビョルン達。

 彼等もお腹が空いたらしく、ご飯ご飯とうるさく騒ぐ。

 そんな二人は、何時までもまるで子供の様に愚痴を呟いていた。



「ミリカお姉ちゃーーんっ! 報告が有るんだけどぉ~~?」


 そこに、キャロルが、タッタッタッと足音を立てながら向かって来る。


 報告が有ると言って走って来た、キャロルはミリカの側まで来ると一緒に来てと告げる。



「一緒に来てちょうだい~~? お姉ちゃんに見せたい物が有るの?」


「はぁ~~いったい何かしら? まあ良いわよ、ジョージ・・・調理場まで肉を運ぶ作業は任せたわよ」


「良いぜっ! 肉運びは俺とニウとビョルンに任せとけ、でお前はキャロルと何かを見に行けよ?」


 キャロルがグイグイとミリカの袖を引っ張る。

 仕方がないので、袖を捕まれた彼女はジョージに肉運び作業を頼む。

 彼は仕事を頼まれると、二人を共に行かせる。



「ニウお姉ちゃんも着いてきてぇ~~」


「え? 私も・・・まあ良いわ行くわよ」


「悪いわね? ジョージ、キャロルちゃんが何を見せたいのか知らないけど、行って来るから後は宜しくね?」


 キャロルは何処かにある見せたい物の場所へと向かおうとする。


 彼女は、ニウも案内して連れて行こうとする。

 なので、ミリカは男二人しか肉運び作業が出来ない事を両手を合わせて詫びる。



「良いから、良いから、行って来いよ? ここは俺とビョルンでやっておくから、お前はキャロルについて行けよ」


(・・・見せたい物ってきっとミミズの事だよな・・・さて? ミリカはアレを見てどんな反応を示すかな? きっと嫌がって・・・その場でミミズを切り刻みまくるか? それとも気持ち悪がって火炎魔法で焼き尽くすかな・・・?)


 ジョージは、ミリカ達をキャロルに連れて行かせようとするが。

 内心はミミズを見た、ミリカがどういう行動を取るのか。


 その事をアレコレと考え込んでいた。



「本当に頼むわよ! じゃあ行って来るから~~♥」


「おお・・・行って来い、さてビョルン残りの肉を解体して運ぶか?」


「はいっリーダー、皆の為にも肉を切り取りましょう」


 キャロルに袖を引かれて、ニウと共に連れて行かれるミリカ。

 彼女に対して、ジョージは行って来いと声を掛ける。

 彼はビョルンと共に、そろそろ肉の解体作業を行おうかと思う。


 二人揃って、ニードルランサーウルフの死体の皮を剥いだり、肉を解体する。



「ね? キャロルちゃん、見つけた物ってさ・・・いったいどんな物何かしら?」


「そうよ? お姉ちゃん達、凄く気になるのよ? その見つけた物がさっ?」


 見つけた物が、ミミズ型生体兵器。

 詰まりは性的拷問様の触手である事を知らないミリカ、ニウ達。


 それが何で有るのかとミリカは何かしらと言う表情を浮かべる。

 ニウも、見つけた物は凄く気になると言ってキャロルに訪ねる。



「うっ! うん・・・見てからのお楽しみにだよ・・・」


(・・・まさか発見した遺物がミミズの生体兵器エロキモいミミズだって言えないし? だからって報告しない訳には行かないし・・・?)


 キャロルは勿体ぶって、ミミズ型生体兵器の事を説明せず、ミリカとニウ達を連れて行こうとする。

 二人を上手く誤魔化した彼女は洞窟の奥へと向かう。



 淡く緑色に光る温泉の湯が流れる側溝伝いに歩く三人。

 彼女等は、やがて五本の太い柱が、囚人を逃がさぬ看守の様に立つ、牢屋兼拷問実験室へとやって来た。



「これを押してっと?」


 壁についた四角い石のタッチパネルを操作して、天井からミミズ型生体兵器を出現させるキャロル。


 その背後の両隣に居たミリカとニウ達。

 二人は天井から降りてきた絡み合ったミミズの塊を見て、余りの気持ち悪さに目を見開いて絶句する。



「・・・何、アレ?」


「・・・キモい!?」


 うねうねと蠢くミミズ達を黙って見ていたミリカとニウ達。


 彼女等は凄まじい嫌悪感を露にするが。

 キャロルも気まずい雰囲気の中、タッチパネルを操作する。

 彼女は、二人に天井から生えるミミズ達を動かし様々な機能を見せつける。



「注射器に成った・・・?」  


「牙が生えたわっ?!」


 キャロルが操作したミミズ型の生体兵器は、様々な形態に変化する。

 注射器や拘束具に変化したり、透明な粘液を吐き飛ばしたり。

 一ヶ所に集まって、不気味な赤黒く蠢く椅子に変化したり。

 手術用のベッドの様な形状に成ったり、と多様な機能をミリカとニウに見せた。



「どうですか? お姉ちゃん、このミミズ型生体兵器を使って人間達を拷問して血を絞り取るって言うのはどうかな?」


「うぅん? 正直に言ったら気持ち悪いけど、便利な事は便利よね・・・」


「ミミズを見ただけで背筋に悪寒がするわよ・・・」


 ミミズを操作したキャロルの言葉を聞いた二人。

 ミリカは気まずそうに答え、ニウはミミズを睨みながら、両腕を擦って嫌そうな顔をする。



「お姉さまぁーーーー!!!」


 その時、三人の背後からシニッカの大きな叫び声が洞窟内に響いた。

 その声に驚いた三人は何事かと振り向く。

 すると、此方へと走って来たシニッカの方を向いた。

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