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拠点の中で愚痴る二人と、見張りの二人?


 遺跡の右端の木箱を集めて置いた、テーブル。

 椅子代わりの樽の席に座る、スケルトンの剣士&デスプリーステス。


 彼等は、カップに注がれた、お茶を飲みながら、ジョージ達外回り組を待って居た。



「あーー暇だぜぇ~~」


「そうだわね・・・?」


 カップの茶を、一口飲むと。

 つまらなさそうに、主達の帰りを待ち続けるのに嫌気がして堪らない、アレリオとシャリル達。



「はぁ~~俺も外回りに着いて行きたかったぜーー」


「私もよーー! お姉さまったら、帰って来たと思ったら? また直ぐに置いてきた肉を取りに行くって、馬車で行ってしまうしぃーー」


 アレリオとシャリル達は、外回りに行けず待つしかない。

 此処で暇な休暇を貰うより、外での魔物狩りや偵察任務をやりたかったと愚痴る。


 今から、四十分くらい前。

 二人の元には、ジョージとミリカ達が一度戻って来たのだが。

 直ぐに肉を取りに行くと告げて。

 キャリッジ馬車を借りて、洞窟の外へと出て行ってしまったのだ。



「あっ!! 戻って来たよーーーー!!」


「キャロル、本当かっ?」 


「リーダーとお姉さまの凱旋ね♥」


 螺旋状の岩柱のくり貫かれた穴から見張りに着いていた、キャロルが元気の良い大きな声を出す。


 その声を聞いた、アレリオとシャリル達。

 二人は、キャリッジ馬車に乗ったジョージ達外回り組が、無事に肉を積んで帰って来た事を喜ぶ。



『パカッパカッパカッパカッ!』


「どうやら? 皆ご無事の様で何よりです、リーダー殿、ミリカ殿、ニウ殿、ビョルン殿・・・」


 拠点へと帰って来た、キャリッジ馬車が川に掛かった石橋を渡る。

 その馬車に乗る、四人のアンデッド達を、リュージンが笑顔で出迎えた。



「おおーーリュージン? 肉を沢山持って来たぜ、早速焼いて食おうか」


「リュージンさん、沢山持って来たから私達の焼いたお肉を、たぁんと食べてねぇ~~♥」


 帰って来たジョージとミリカ達を笑顔で出迎えたてくれたリュージン。 

 彼に対して、二人は肉を焼いて食おうかとか、たぁんと食べて。

 と言って、後ろに積んであるニードルランサーウルフの死体を見せる。



「おおっ! これはこれは・・・旨そうな肉で御座いますな?」


「でしょっ! でしょ! でしょ!」


「コイツ等、僕の腕に噛み付いて大変だったんですからね~~?」


 ジョージ達の顔を向けた先の馬車の後部。

 そこに山の様に積まれた、ニードルランサーウルフの死体が載せられている。


 リュージンは目を輝かせて、昼ご飯の焼肉となる死体を見つめる。

 そして、旨そうな肉だと言った彼の言葉に、ニウは自らが仕留めた獲物を自慢する。

 ビョルンは噛まれた事を思い出し、厄介な敵だったと、疲れた様な顔をして回想する。



「そいじゃ? 俺達は肉の積み卸し作業をするから馬車の駐車させに行くからな」


「はいっ分かりました、私はアレリオ殿とシャリル殿と、それにキャロルの奴に火の準備をしておく様に伝えに行きましょう」


 ジョージとリュージン達は、互いに別れ肉を焼いて食うために、それぞれの作業に向かう。


 馬車を、アンデッド・ホース達と馬車の駐車スペースまで向かわせる、ジョージ達。

 待機組の元へ、薪と鍋等の調理器具の用意をするために、調理場まで進んで行く、リュージン。



「皆様、リーダー殿とミリカ殿が帰って来たので、フライパンと薪を用意しましょう」


「後は鍋とか塩を用意しとかなきゃ?いけないわね」


「まな板もな・・・?」


「それに皿と火挟みをっと?」


 リュージンが外回り組の四人が帰還した事を仲間に伝える。


 すると、アレリオ、シャリル、キャロル達は直ぐに動き出す。

 彼等は慌ただしく動き始め、何処かにしまっている調理器具を探して回る。



「あっ!! しまった!?」


「キャロル? どうしたのじゃ・・・」


 何かを思い出したかの様に、キャロルは大声を出してしまったと叫ぶ。

 その声に、リュージンは一瞬だけビクッと驚いて声を掛けた。



「ミリカお姉ちゃんに伝えてない・・・?」


「まさか・・・アレをか・・・?」


 キャロルは洞窟の奥で前に見つけた触手型生体兵器の報告を忘れていた。

 彼女の頭からはすっかり抜け落ちて忘れてしまって居たのだ。

 それを、リュージンはまさかと言って問い質す。



「うん・・・そのまさか・・・」


「はぁ~~仕方の無い奴じゃな? 向こうに居るミリカ様に今直ぐに報告に行くのじゃ、分かったのぅ?」


 怒られると思い、小さな声で弱々しく答えたキャロル。

 彼女に対して、リュージンは大きく溜め息を吐く。

 それから彼は、仕方が無いから報告にと言って彼女をミリカの元へ送り出す。



「うんっ! 分かった師承!!」


 元気良く返事を返したキャロルは、ミリカ達の居る、馬車の駐車スペースまで勢いよく走って行ってしまう。



「はぁ~~? 行ってしまったか・・・」


 リュージンは、走って行ったキャロルの背中姿が段々と小さくなるのを見届ける。


 その後、彼は肉の調理する為の調理器具を探さなければいけない事を思い出す。

 アレリオやシャリル達と共に、調理準備作業に戻って道具を探し始めた。

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