決着が着いたな、帰ろうか?
四匹のニードルランサーウルフ達は、下手に動こうとはせず、ジョージ達と睨みあって対峙する。
そして、ジリジリと後退を始め、遂にジョージ達の強さに畏れを成したのか。
ニードルランサーウルフ達は蜘蛛の子散らす様に撤退していく。
「勝てないと理解して逃げ出したか?」
「コイツらは知能が高いから、このまま戦い続けたら死ぬって分かったのかしら?」
ジョージとミリカ達は逃げ出した、四匹のニードルランサーウルフ達を睨む。
奴らの背中を、その場に立ち尽くしながら見届けたが、そこに後ろからニウが走ってやって来た。
「リーダー、お姉さま、ビョルン、三人共無事でしたか?」
「ニウ、見ての通り無事だよ、それより君の方は?」
三人が大した怪我は殆ど無く無事である事を確認する、ニウ。
彼女が仲間達を心配すると、ビョルンが無事だよと爽やかなイケメン笑顔で答えた。
「ビョルンッ! そう、無事だったなら別に良いけど・・・」
「ニウ? ・・・顔が紅いけど、どうかしたの?」
ビョルンのまぶしい笑顔を見た、ニウ。
彼女は、余りの笑顔のまぶしさに一瞬だけ恥ずかしそうに目を剃らしてしまい、顔をほんのりと紅潮させる。
「ニウ? まさか毒にやられたのかっ!?」
「ああ・・・お前のな・・・」
「そうねぇ~~? イケメンさん・・・」
顔を紅潮させる、ニウ。
彼女の身を心配して、ニードルランサーウルフの持つ刺毒に感染したのかも知れぬと慌てる、ビョルン。
彼に対して、ジョージとミリカ達は、お前の毒にやられたんただよと、突っ込みながら言った。
「そうよっ! じゃなくてっ!? 何でも無いわ・・・それより獲物を仕留めた事だし帰りましょう・・・リーダー、お姉さま?」
「そうだな、食う分は獲ったし拠点へ一旦は帰るとするか?」
「そうしましょうね? シャリルちゃんや、キャロルちゃん達も、私達が獲物の肉を持ち帰って来るのを首を長くして待って居るだろうし・・・」
顔を紅くさせていた事を上手くごまかした、ニウ、
彼女の拠点へ帰還すると言う提案に対して、ジョージとミリカ達は賛成した
。
彼等は、拠点への手土産に、ニードルランサーウルフの肉を持ち帰る為に剥ぎ取ろうとする。
「肉を剥ぎ取ろう、そしてこの棘だらけの皮も持ち帰れば、シャリルとリュージンに売って貰えるからな」
「この毛が凄い硬くて、棘見たいになっているのねぇ」
「この棘は厄介ですね~~剥ぎ取ろうにも、棘が邪魔くさくて作業しにくいですよねぇーー?」
「でも? この棘だらけの皮も商人達に売れるのかもね・・・」
ジョージとミリカ達は、ショートソードやレイピアの刃をキラリと光らせる。
二人は近くに転がっている、ニードルランサーウルフの死骸に近寄る。
連中の遺体から、肉と皮や骨、牙~~等を出来るだけ剥ぎ取る。
そして、ニウとビョルン達も剥ぎ取り作業を手伝い、肉と皮を袋に入るだけ容れると。
作業を終えて、自分達の拠点へ向けて帰還する。
「一旦・・・拠点に戻ったら、此処に馬車に乗って再び来て持ちきれなかった分を積み込もうか?」
「そうしましょう? って、それだと今此処で剥ぎ取り作業する必要はなかったんじゃない!?」
ジョージの馬車で再び来ようと言う提案に対し、ミリカは大声で今の作業は無駄だったと叫ぶ。
「まあーー落ち着けよミリカ、確かに俺も今気づいたけど? お前の言う通り、確かに全部置いて行った方が後で馬車で来るんだから、その方が良いかも知れない・・・でもその間に他の人間や魔物に取られて全部無くなりましたなんて嫌だろう?」
「確かにそうね? なら此処で見張りに誰か二人を残して、他の二人が馬車を取りに行くのは・・・」
ジョージの馬車に沢山のニードルランサーウルフの死体を運ぶと言う提案に賛成した、ミリカ。
彼女は、それならば誰か二人をこの場に見張りに残し、他の二人が拠点に戻るのはと言う。
その間は、折角仕留めた獲物が他の人間や魔物に取られ無いように。
残った、二人が見張り続けると言う提案をする。
「それだと、沢山の魔物・・・さっきのニードルランサーウルフが仲間を大勢連れて戻って来たら、残った二人は囲まれて食い散らかされるかも知れない・・・」
「まぁ~~? たった二人だけじゃあ見張り何て心細いわよね・・・分かったわっ! 貴方の意見に賛成よっ!!」
こうして、意見の一致した、ジョージとミリカ達。
二人は、拠点へ馬車を取りに戻る為に、肉と皮の詰まった袋を背負い歩いて帰る。
「リーダー? お姉さま? 馬車はアレリオ達のキャリッジ馬車を借りましょう」
「アレだと、沢山ニードルランサーウルフの死体を運ぶ事が出来ますもんね?」
「おっ? そうだな? その方が良いな?」
「って言うか? 沢山死体を運べるのはあの馬車しか無いもんね・・・」
ニウ、ビョルン、ジョージ、ミリカ達。
彼等は、四人でワイワイと楽しくお喋りをしながら拠点までの帰路についた。