拉致されたゾンビ!?
「ぅっ!? うっ!? ぁ・・・」
いきなり大量のアルコールを飲まされた、ジョージ。
彼は頭が痛くて回らず、ただただミリカに温泉に連れて行かれるだけだった。
「さてっ? あんなに沢山飲んだんだから意識は朦朧としてるわよね・・・」
顔を紅潮させたミリカは、ジョージの鎧を素早くパッパと脱がせるが。
「じゃあ、大人しく成っている所で脱ぎ脱ぎしましょうねぇ~~♥」
そう言って、ミリカは意識が朦朧としてるジョージに近づき、本番に突入しようとするが。
「さぁ~~って? アレッ!! 何で興奮してないのぉっ?」
「・・・リカ? 無・・・ゾン? から・・・起た・・・な・・・いよ?」
ミリカは、下に居るジョージが何の反応も無いのに気付いて驚く。
そして、意識の朦朧とする中で、彼か微かに口を開き、ゾンビだから無理と答える。
「はあああぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?」
ミリカは洞窟内どころか、仲間達の居る遺跡まで響き渡るような大きな声で叫ぶ。
「あんたっ! 嘘でしょうっ? 服も脱ぎなさいよっ!」
「や・・・めっ!? ろよ・・・?」
直も、ズボンを脱がせようとベルトを掴む、ミリカ。
彼女を、意識が朦朧とするなか彼女の体を押さえて必死で抵抗するジョージ。
「そっ! そんな・・・?」
「諦め? か・・・」
ミリカは抵抗して、中々ズボンを脱がせない、ジョージの大事な部分に注目し。
ズボンの上から立つものが立って無いかと、確かめるのだが。
一行に何の反応も無いと言う衝撃の事実に遂に、ジョージのズボンを脱がす事を諦めてしまう。
頭がズキズキと痛むジョージは、アルコールが体に回り火照ってきたのか、その場で寝込んでしまった。
「・・・あっ!! そうよ? こいつをレベルアップさせれば、私見たいにヴァンパイアにっ!?」
ジョージのレベルを上げれば、ヴァンパイア。
或いは、より上位のゾンビに進化して、子作り可能に成るのではと、ミリカは考えた。
「よしっ? そうと決まれば早速っ! 行動に・・・」
ミリカはそう考えたが、暖かい温泉の湯気が舞う中。
その場で、横に成って眠りこける、ジョージの寝顔を見て、自らも一緒に寝ようと横に並んで寝た。
一方、その頃・・・。
アンデッドのパーティー達は、それぞれ好き勝手に遊んだり、仕事や戦いの準備をしていた。
「あーー? 午後からは狩りにでも出掛けるか」
「そうよねえーー? そろそろ肉とかが切れてきた物ね」
段々と少なくなってきた、食料の確保を心配するカブラルとシニッカ達。
二人は、狩りに出掛けて獲物を仕留めようと考案する。
「キャロルちゃんは、やっぱり可愛いわねっ♥」
「ふふっ、シャリルお姉ちゃんに言われると私嬉しいっ♥」
キャロルの体を愛しそうに抱いて木の箱に座るシャリルが呟くと、彼女も嬉しそうに笑顔で答える。
姉妹のように、二人はのんびりと半日だけの休日で、体と心をリフレッシュさせる。
「リュージンッ! かかって来いっ!」
「アレリオ殿っ! 行きますぞぉっ!」
アレリオは、モンタンテを掴む両手に強く力を込めて、飛び掛かりながら斜めに振り下ろし。
それを偃月刀の柄で受け止めて勢い良く弾き返し。
そのまま、偃月刀の刃の切っ先を彼に向けて突き出す、リュージン。
二人は戦闘訓練をして、何時でも戦える様に体を鍛え、次の戦に備えていた。
その後、仲間達がそれぞれ自由行動に興じる中、丁度半日たつ頃に彼等は。
「うっ! 頭がズキズキする? 吐きそうだ・・・」
目を覚ました、ジョージは直ぐ隣に、ミリカが気持ち良さそうに安眠しているのを目にした。
「う、うん? はっ!!」
丁度よいタイミングで、ミリカも直ぐに目を覚まして、ササッと身を起こした。
「お前・・・さっきは良くも・・・」
「えへへ? だってあんたが私の手料理を馬鹿にするから・・・」
半ば呆れながらも怒りの表情を向けるジョージ。その顔を見たミリカは言い訳をする。
「まあ? 良いや、何時もの事だしな」
「えっ? 怒んないの・・・」
意外にも、ジョージはミリカを怒らずに許した。
ミリカは何故怒んないのかと聞いたが。
「お前の手料理を馬鹿にしたのは事実だし、お互い様だろう?」
「・・・本当に怒って無いのね?」
お互い様だろうと言うジョージに、ミリカは驚きキョトンとした顔をする。
「何回言っても無駄だろ?」
「うっ! あははっ! そうね・・・」
ジョージの鋭い指摘に、ミリカはひきつった笑みを浮かべて気まずくなる。
「それよりも、皆の所に向かうぞ?」
「そうね? そろそろ時間だもんね」
そう話すと、二人は仲間達の場所に向かって仲良く並んで歩いていく。
寝起きで、気だるい体を動かしながら。