食事の後は・・・何ですか?
「さ~~て、皆待たせたわねっ! うちの馬鹿が余計な事を言うから、その躾に時間が掛かってねぇーー?」
「良いから飯にすんぞっ! 頂きまっす」
食卓を囲む仲間達に、そう言うと。
ミリカは、ジョージと共に頂きますと言って他の仲間達と共に食事を口に運ぶ。
「うわっ!! 旨いなあ・・・この料理、やっぱお嬢様だけの腕は有るな?」
「でしょっ? 私だって本気を出せばこれくらい朝飯前よっ!」
料理を一口食べた、ジョージは余りの美味しさに驚きながらゾンビ顔を笑顔にして言うと。
ミリカは胸を張って、自ら作った料理の腕前を自慢する。
ミリカが、一生懸命に作った手料理は二つ。
チョルバ・デ・ペリショアレと呼ばれる肉団子入りのチョルバ・スープ。
トキトゥラと呼ばれる色々な肉を入れてパプリカの粉を混ぜたシチューだ。
ミリカが上手に作った、二つの料理は吸血鬼大国ルーマニアの料理である。
「うぅむ? 肉団子うめ~~!」
「でしょっ!」
ジョージとミリカ達は、二人して、中睦まじい夫婦の様なやり取りをする。
「お姉さまの作った料理はとても良い味がしますね?」
「ミリカ様の料理は本当に最高の芸術品ですよっ!」
料理を食べた、シャリルとアレリオ達もそう言って、ミリカを褒め称える。
他の仲間達も、ミリカの腕前を称え始める。
「本当っ! 美味しいぃっ!」
「うんうんっ! 美味いっ!」
チョルバ・デ・ペリショアレの肉団子頬張る、ニウと。
トキトゥラを食べた、ビョルン達もそう言ってミリカの腕前を称えた。
「でしょ、でしょ~~? さぁーー皆様お待ちかねビールの時間よっ! 川でキンキンに冷やして置いたから凄ぉ~~く美味しいわよ~~♥」
二本のビール瓶を持ち出したミリカはそう言って仲間達にビールを振る舞うが。
「それを飲んだら酔うだろう?」
「気付け薬よ、気・付・け・薬っ!」
酔うだろうから止めろと言ったジョージであったが、ミリカは気付け薬だと言って皆に振る舞う。
「寝る前なら分かるが、今は要らないだろう? 寝起きで飲んでどうするんだよ?」
「皆は飲みたいのよっ! 日本人のあんたは酒に弱いかもしれないけれど、皆は外国人なのよ?」
直も酒を飲むなと言ってゾンビ顔をしかめるジョージを、ミリカは皆は飲みたいのよと言いくるめる。
「だから多少は飲んでも、そんなに酔わないし、あんたが飲まなきゃ皆も飲めないの? 分かった?」
「ああ・・・分かったよ、一口だけだぞ」
完全にジョージを言いくるめたミリカ、そしてジョージはビールを一口飲み始める。
「シャリルちゃんっ! ニウちゃんっ! 今よっその馬鹿を押さえてぇっ・・・シニッカちゃん、キャロルちゃん私が無理矢理ビールを飲ませるから、馬鹿を羽交い締めにしてねっ?」
ミリカは突然に女アンデッド達に命令を下し、ジョージの体を羽交い締めにして拘束する。突如襲い掛かって来た仲間達の奇襲に驚くジョージ。
「承知しましたっ、お姉さまっ!」
「はいっ、ただ今!お姉さまっ!」
シャリルは、ジョージの首を羽交い締めにして、ニウは左腕と左足を凄まじい力で押さえ付ける。
「リーダー・・・大変に申し訳有りませんが、お姉さまの御命令ですので・・・」
「リーダー? 暫くの間は我慢してねっ?」
シニッカは、ジョージの右腕と右足を押さえて、キャロルは両足首を押さえる。
「ふふったぁんと、お飲みに成ってねぇ~? 私のだ・ん・な・様♥」
「うごおぉおっおおぉぉぉ~~!?」
更には、ミリカが身動き出来ないジョージに無理矢理ビールを飲ませ。
他にも、ワインやスコッチ等のアルコール成分の強い酒を飲ませていく。
「うへぇ~~!??!?!」
すっかり、アルコールで酔ってしまって気持ち悪く成ってしまった、ジョージ。
そんな彼を、ミリカは頭の髪の毛を掴んで温泉の涌き出る洞窟まで引きづって行く。
「さ~~てっ! 皆は半日の間、自由にして良いからねぇ~~♥ 私はこいつと遊んで居るから邪魔しないでねぇ~~?」
「うぅ・・・!?」
一旦立ち止まった、ミリカは仲間達にそう告げると再び洞窟を目指して走る。
そして、拉致られたジョージはと言うと。
ゾンビ顔を更に青くして頭が痛くて何も話す事が出来無かった。