悩みを抱えた不老不死賢者と、その話を聞いた熟練化け物兵士
ミリカ達、女アンデッドが温泉から戻って来ると。
これから見張りに着く、ジョージが歩いているのが見えた。
「あっ? ジョージ何をしているのよ、見張りの仕事はどうしたの・・・」
「んん! ミリカか見張りはこれからだ・・・それより、お前らも早く寝ろよ? 明日も色々とやらなきゃ成らない仕事が沢山有るんだからな?」
バッタリと出会したミリカとジョージ達は、お互いに驚きながらそう話す。
「分かっているわよ、そっちも無理しないでよね?」
「リーダー? お姉さまの言う通りどうか御無理を為さらずに・・・」
ジョージの事を心配して、ミリカとシャリル達はそう優しい言葉をかけた。
「ああっ有り難うな、そっちも無理しないで明日に備えてくれな・・・んじゃあ~~な?」
ジョージは女アンデッド達にそう言うと。
一人、螺旋状の岩柱を目指して歩いて行く。
「ミリカ達はもう寝るのか? 俺はこれから遅くまで一人で見張りと・・・」
一人、寂しく呟くジョージ。
彼は、螺旋状の岩のくり貫かれた見張り代の上から監視を続け。
真面目に、遺跡を中心とした広い空間の入り口をずっと見ていた。
「そろそろ交代の時間か・・・」
ジョージは、螺旋状の岩の坂をゆっくりと下り。
次の見張り番のアレリオの所まで行こうと歩く。
「リーダー、交代の時間ですね?」
「ああ? そうだなアレリオ、後は頼んだよっ」
二人は手を振って、それぞれが向かう寝床と螺旋状の岩を目指して行く。
「真面目に見張りをやるとしますかっ?」
アレリオはそう呟いて、螺旋状の岩の坂を上がって行き。
何をするでも無く、見張り代の上から真面目に立ち。
次の見張り番である、ビョルンが起きて来るまで入り口の見張りを続けた。
その後も、アレリオ、ビョルンと見張りは交代していき、リュージンの番がきた。
「ああ~~? 一人で見張り何てつまらないなぁ~~? 何で僕はこんな下らない事をしているんだろうな・・・」
ビョルンは、この広い空間の入り口から、魔物や人間が入って来ないかと。
岩壁に凭れ掛かりながら見張りをつまらなさそうに続ける。
「自分も、お化けってのは分かっているけれど? やっぱり、お化けは怖いな・・・」
「そうですか? 私は全く怖くは有りませんがね・・・」
突然、見張っていた入り口とは、反対方向から聞こえて来た声に驚き。
振り返ったビョルンは、そこに立っていた、若い黒髪の賢者の姿を見て安心する。
「ビョルン殿・・・交代の時間ですぞ? 次の見張りはワシが引き継ぎますので、どうぞお先に御上がり下さい」
「あっ? ああ? リュージンさん、すいません取り乱しちゃって、次の見張りを頼みます、じゃあ僕は、お先に失礼します・・・」
螺旋状の岩の上へとやって来た、リュージンと少し話しをすると。
ビョルンは見張りを交代して、寝床へと帰って行った。
(・・・見張りに立って居ると、ふと考えてしまう・・・キャロルの事を・・・あ奴はワシの弟子で有って・・・異性として愛してる訳ではない・・・でもあ奴はそうではない?)
リュージンは入り口を見つめながら、一人静寂が辺りを支配する中、そう考える。
(・・・キャロルの奴とは歳が離れ過ぎている・・・だからそう言う節だらな関係は良くない? しかしいったい? ワシはどうすれば良いのじゃ・・・)
リュージンが見張りに立って一人悶々と考え込んでから二時間が立ち。
やがて、カブラルの見張りの番が来ると。
「おいっ! リュージン、交代の時間が来たぜ?」
「ん? そうですな、交代の時間ですか・・・」
交代に来たカブラルの声を聞き。
考え事から、はっと我に返ったリュージンは、見張り番を変わろうと歩き出す。
「リュージン、何か悩みが有るなら聞いてやろうか?」
「悩みですか・・・折角ですし、貴方に聞いて頂いて貰いましょうかな?」
カブラルは、リュージンが見張りをしている間中に悩み考え込んでいたのを察し。
その悩みの理由を聞いて上げようとする。
リュージンは、それを承諾して悩みの原因を話し始めた。
「・・・と言う訳なんですじゃ?」
「そう言う事か・・・」
カブラルに悩みの原因であるキャロルの事。
彼女が、自分に異性として好意を抱いている事・・・を話したリュージン。
「うーーん? それは困ったな・・・」
「でしょう? ワシもどうすれば良いのか悩んでまして・・・」
カブラルとリュージン達は二人して腕を組んで考え込む。
こうして、賢者と銃兵は暫しの間、悩み続けた。
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