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更なる発見っ!?


「他のボタンも試すぞ・・・」


「師承・・・押すの?」


 リュージンとキャロル達はホログラムの絵を押して、様々な仕掛けを動かす。



「次は注射器に変化した?」  


「今度は牙が生えたっ!」


 リュージンとキャロル達は、次々とミミズ型の生体兵器を動かして行き。

 様々な機能を調べ上げる。


 ミミズ型の生体兵器は注射器や拘束具に変化したり。

 透明な粘液を吐き飛ばしたりと、様々な形態に変化する。

 他にも、一ヶ所に集まって不気味な赤黒く蠢く椅子や。

 手術用のベッドの様な形状に成ったりと、多様な機能を保持していた。


 

(・・・うん・・・こいつは? 単なる拷問と言うよりは性的な拷問用として造られたのかも知れないな・・・)


 リュージンは不気味に蠢くミミズを前に、目を細め腕を組んで一人考える。



「しかし・・・リーダー殿とミリカ殿には報告せねば成るまいな? 言いにくいが仕方あるまい」


「師承、この生体兵器・・・何だか、やらしいね?」

 

 静かに考え込むリュージンに対し。

 横から、キャロルが明るい声を掛ける。  

 


「んっ? そうだな、キャロル・・・」 


「私・・・師承とそう言う事したい♥」


 いきなり、キャロルにそう言われたリュージン。

 彼は、既に動いていない心臓が飛び出るかと思うほど驚いた。



「こっこらっ! キャロル、はしたないぞっ」


「えへへ・・・冗談だよっ~~~~♥」  


 一瞬だけ心臓がドキッと鼓動が苦しく成ったリュージン。

 彼は、自らを驚かせたキャロルを強く叱り。

 叱られた当の彼女は、無邪気な笑顔で冗談だよと言ってはしゃぐ。



「はぁ~~もう良いわいっ! 帰ってリーダー殿とミリカ殿に報告じゃ」


「はぁ~~いっ♥」


 そう言いながら、リュージンとキャロル達は歩き。

 ジョージとミリカ達が待つ、遺跡へと踵を返し。

 牢屋の生体兵器を報告する為に帰って行く。

    


(・・・キャロルの奴め・・・ワシはお前の恋人じゃあ無くて親代わりなのじゃぞっ!)


(・・・えへへっ! 師承大好きだよっ♥・・・とっても師承の事愛しているよっ♥)


 リュージンとキャロル達は、お互いに何を考えているのか知らず。

 遺跡まで、トボトボと歩いて向かう。



 一方・・・。

 カブラルとビョルン達の二人組は、余りにも見張りが暇過ぎるので、飽きてしまい。

 螺旋状の道がついた岩柱を降りて来ると。

 ジョージとアレリオ達に、見張りを交替して貰った。



「アレリオ、交替するぞ」


「はい、リーダー」


 螺旋状の岩柱。

 これは、少し前にキャロルを悪堕ちさせるために戦った場所。

 つまり、あのトンネル内の遺跡と大体は同じ構造だ。

 柱の回りを道が螺旋状に続く。

 その柱の中間部分がくり貫かれており。

 トンネル内の柱と違う点はと言うと。

 根元の部分にも、穴がくり貫かれていると言う所が違っていた。



「リーダー、先に休まさせて貰いますよ」


「僕たちは、お先に休憩させて頂きます」


「おおっ! お前らもゆっくり休めよ、いくらアンデッドでも連続で働くのは精神的に辛いからな?」


「見張りは、リーダーと俺がバッチし見といてやるからな」


 こうして、荷物の積み降ろしを終えて、休憩していたジョージとアレリオ達と。

 ビョルンとカブラル達のコンビは岩柱の見張りを交替した。



「さぁ~~て美味しい匂いが漂って来たぞ?」


「おっ! 本当だ何だか良い匂いだなっ!」


「二人共、まだ晩御飯は出来てはいませんよ・・お腹が空いているのは分かりますがもう少々お待ちを」


 漂って来るスープやシチューの匂いと。

 香ばしくチーズを焼く匂いを嗅ぎとって、興奮するビョルンとカブラル達。

 彼等に対し、シャリルは優しい笑顔を向け。

 食事の準備が整うまで少々お待ちをと。

 丁寧に、まるで母親が腕白な子供達を諭す様に言った。



「そうよ、二人共子供じゃないんだからもう少しだけ待ってて貰える? ちゃ~~んと料理が完成したら呼ぶからっ」


「そうは言っても、腹が減って辛いぜーー」


「僕もお腹がペコペコで待てないよ」


 シニッカも、二人に嬉しそうな眩しい笑顔を向けて待つ様に言うが。

 腹が減って仕方の無い、カブラルとビョルン達はと言うと。

 二人して、幼い子供の様な文句を言ってぐだぐだと愚痴る。



「ふぅ~~? 仕方の無い大きな子供達ねえ~~・・・味見だけなら許すから今はそれで我慢してねっ♥」

 

「シャリルさんがそう言うのなら、しょうがないわね・・・私もあなた達に味見をして貰いましょうか?」


 機嫌の良いシャリルが味見をさせると決めると。

 シニッカもそれに納得して、結局は、ビョルンとカブラルに味見をさせる。



「うぅん・・・美味いっ!」


「おっ! こいつはいけるなっ!」


 玉ねぎスープと肉入りキノコシチュー。

 これを、それぞれ一口ずつ飲んだカブラルとビョルン達。

 それから直ぐに、二人は美味い美味いと騒いで喜ぶが。



「それで我慢してよ~~後は晩ごはんまで何も食べさせ無いからねっ?」


「そうそう、時として人間・・・じゃなかった! アンデッドも我慢は必要な事だって有るんだから」


 シャリルとシニッカ達は、味見をして喜ぶ二人に対し。

 これ以上は、仲間達が揃うまで我慢しろと言ってたしなめた。



「仕方無いかぁ~~?」


「だな・・・皆来るまで待つか」


 その後は、シャリルとシニッカ達は料理を作り続け。

 ビョルンとカブラルは、武器や道具の手入れをして皆がそろうのを待った。

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