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遺跡の拠点化は続く~~


「さぁーー? これで終わりだ」


「やっと終わりましたねぇ、リーダー」


 シャリルとシニッカ達が小さな声で百合ゆりしている事を知らず。

 木箱を運び終えた、ジョージとアレリオ達だが彼等以外の仲間達は。



 同時刻・・・リュージンとキャロル達は洞窟の中に入り。

 奥の牢屋と温泉を調査していた。



「どうやら・・・奥の温泉から溢れ出たお湯が流れているのか?」


「はぁ~~温泉にまた入りたいなぁ?」


 左側に位置する、温泉の湯が流れる側溝。

 それが続く、洞窟の中へと入って来た、リュージンとキャロル達。

 二人は、呟きながら奥の温泉と牢屋を目指してゆっくりと歩いて行く。



「温泉より牢屋を調べなくてはならんのじゃぞ、キャロルよ?」


「はいっ師承、分かってますよ? 温泉も良いけど牢屋を詳しく調査するんでしょ?」


 リュージンとキャロル達が、話し合いながら奥へと歩いて行くと。

 緑色の温泉と牢屋が見えて来た。

 牢屋は柱が鉄格子代わりに備え付けられており。

 中には何も無く。

 暗い空間に、四角い大きな煉瓦の石が壁や。

 天井に、網のような線を描いているだけであった。



「ふむ・・・これは? どうやって開けるのかいの~~」


「師承・・・あれは? 彼処の四角い石は?」


 リュージンが困っていると。

 キャロルは壁に大きな四角い石が嵌めれているのを発見し。

 それを彼は右手で押し込む。



「おっ? 何じゃっ! 動いたぞっ!」


「石が奥にめり込んでいく・・・」


 そして、奥へと入って行った石の代わりに。

 リュージンもキャロルも見たことが無いような、奇妙な形の装置が出て来た。


 それは、ジョージとミリカ達ならば直ぐに分かったで有ろう装置であった。

 何故ならば。

 その装着の使い方や、書かれている不思議な形状の文字は分からなくとも。

 それは、一目見れば、タッチパネル式のパソコンだと分かる形の石であったからだ。



「何じゃこれは? こんな古代文字は見たことが無いわい!」


「この沢山付いている文字と記号は? 此方の幻影は・・・」


 リュージンとキャロル達が、不思議そうな顔をして見ている装置。

 それは、石の表面に薄い緑色のホログラムが張られ。

 複雑な文字や記号の羅列が並べられていた。



「何じゃろうな・・・これは?」


「師承・・・取り合えず、この絵の通りに触って見て見よう?」


 謎に満ちた未知の古代文明のテクノロジー。

 それを見て、リュージンが驚いたまま固まって居ると。

 キャロルは、ホログラムのタッチパネルの表面に書かれている、四角い線を眺め。

 その中に描かれている、柱を上げる様な絵を指で触る。



「こらっ! キャロル勝手に触っ!? はっ!」


「はっ!! 牢屋の柱が上がって行くっ!?」


 グゥーーと音を立てて上昇して行く柱を見上げるリュージンとキャロル達。

 二人は、はっと我に帰ると中に入って見る。

 二人が、牢屋の中を調査しても何も怪しい物は無く。

 隠し扉や脱出口さえも見当たらなかった。



「何も無しかの・・・そうじゃっ?」


「師承? どうしたの・・・」


 リュージンは、牢屋の外の通路に出ると。

 ホログラムのタッチパネルを押して見る。

 それを横から、不安そうな表情でキャロル。

 彼女は、ホログラムを操作するリュージンの押した絵を覗き込む。



「これを押せば・・・」 

 

『ズズズッ!』


 ポチっと押されたホログラムの部分には、数本のミミズの絵が描かれていた。

 そして、絵に書かれている通りに天井の石が上昇して四角い穴が開き。

 うねうねと蠢く錦蛇程の太さのミミズが出て来た。



「触手っ! 魔物かっ!?」


「やだぁっ! 気持ち悪~~い!!」


 突如、天井から現れたミミズ型の触手にリュージンとキャロル達は驚いて身構えるが。

 一向に触手達は、此方を攻撃して来る様子は無く。

 大人しく蠢いているだけであった。



「此方を攻撃しない・・・・・・そうか、コイツらはこの装置の一部なのじゃな?」


「てぇ~~事は? このミミズさん達は魔物じゃないって訳なのね?」


 大人しい触手の様子を少し離れた場所から観察する、リュージンとキャロル達。

 二人は、ミミズ型の触手が魔物ではなく装置の一部であり危険はないと判断する。



「いや・・・正確には魔物と装置の間? つまりはコイツらは生体兵器と言う訳じゃな・・・」


「生体兵器?」


 赤いミミズ型の触手を生体兵器だと言う、リュージン。

 彼の横顔を見ながら、キャロルは何それと言うが。



「左様・・・コイツらの様に魔物と魔術を合成させた物でな、きっと古代人が造ったに違いない?」


「でっ! ・・・何でそんな物が有るの?」


 生体兵器の事を詳しく説明した、リュージンに質問する、キャロル。

 そして、彼は勿論質問に答える。



「恐らくは、この牢屋が有る事から判断するに・・・此処で生け贄の儀式か? もしくは捕虜や囚人を使った何らかの実験を行う為にあの触手型の生体兵器を造ったに違いないな・・・」


「それってっ!! あのミミズは拷問や処刑の道具って事っ!?」


 天井から垂れ下がる複数のミミズ型の生体兵器。

 それを険しい顔で、きつく睨むリュージン。

 そんな彼の様子に、キャロルは、ミミズ型の生体兵器が、何であるか理解する。

 それは、人間を残酷に痛め付けるための拷問器具であり、処刑道具で有る事を。



「他にもこの装置を調べて見るぞ・・・」


「はいっ! 師承・・・後でリーダーやミリカお姉ちゃんに報告する為に色々調べておきましょう」 


 リュージンとキャロル達は、その後も二人で、色々と装置を弄り。

 拷問や処刑道具としての機能を調査した。

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