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見つけた物は・・・⚪⚪⚪な物だった


「どうしたっての・・・二人は?」


「さあな・・・行って見ようか?」



 ミリカがそう言うと。

 ジョージは、馬車から飛び降りてリュージンとキャロル達に近づいて行く。

 そして、キノコの生えている場所まで近づいて来ると。

 そこには、馬車が一台通れる程の大きさの横穴が開いていた。

 その穴を覗くと、とんでもない物を発見してしまう。



「これ・・・は? 皆あぁっ来てくれっ・・・」


 発見した物の凄さに驚き、大声で叫んで仲間を呼ぶジョージ。

 そして、声を聞いた仲間達は彼の元に駆け寄る。



「何だって言うのよ~~?」


 ミリカ達も近づいて行くと。

 そこに存在する想像を絶する程の物に驚嘆する。

 そして、彼等は驚きを声に出す。



「こっ! これはあぁっ!?」


「凄いわ!!」


 ミリカとシャリル達を始め、他の仲間達も驚き。

 その場所に目を向けたまま、ずっと固まる。



「遺跡だっ!」


 ジョージはそう言い。


 広い空間に佇む遺跡の二つの小さな建物と、大きな二階建ての建物に近づいて行く。

 遺跡の周囲には、所々に洞窟ヒカリダケやヒカリ蘚が生えていた。

 淡い緑色の光を灯し。

 暗闇と明りの灯る場所のコントラストは、幻想的で凄く綺麗な光景だった。


 左右には螺旋状の柱が二本有り、その手前を緩やかな流れの川が流れていた。

 川の中央には石橋が掛かっており。

 そして、その川まで緑色に光る液体が道路の側溝の様な場所を通り流れていた。



「ここには敵は居ませんよね?」


「あんた、本当に臆病ね・・・」


 臆病なビョルンがそう言い出すと。

 余りの情けなさに、パートナーである、ニウは呆れてしまう。



「ビョルンッ! ビビってる暇は無い・・・俺達は奥を調べる、お前とシニッカ達はここから援護してくれ、リーダー行きますよ」

 

「俺とミリカは左の建物を、カブラル、お前はニウと右の建物を、アレリオとシャリル達は裏側を、シニッカとビョルン達は援護を、リュージンとキャロル達は後方を警戒してくれ・・・皆それぞれ頼む」


 カブラルは、ラッパ銃に火薬と散弾を装填しながらジョージに許可を求める。


 リーダーとして、ジョージは彼の意見を聞き入れ。

 仲間達に指示を出して、遺跡へと前進して行く。



「ぶぅ~~また、お留守番ん~~つまんないーー!!」


「そう言うな、キャロル? 後ろから敵は襲って来るかも知れんのじゃぞ?」


 キャロルとリュージン達。

 彼等は、後方から敵が襲って来ないように、警戒して洞窟の横穴に立つ。


 そして、ビョルンとシニッカ達。

 彼等は、遺跡の建物を探索に向かったジョージ達を眺め。

 何時でも援護射撃出来る様にじっと弓やニッケルハルパを構えて待つ。



「ジョージ、何も居ないわね・・・」


「どうやら安全な様だな・・・」


 ミリカとジョージ達は、右側の小さな遺跡を二つ共調べ。

 敵の魔物が、隠れて居ない事を確認する。



「ここは安全だな?」


「敵の姿は無し・・・っと?」


 カブラルとニウ達も、左の大きな二階建ての建物を調べて見たが。

 敵の姿が無かったので、安全を確認すると、ほっと一息吐く。



「裏側に来ては見たものの・・・あの側溝の緑色に光る液体は何なんだ?」


「アレリオ、それをこれから調べるんじゃないの?」


 アレリオとシャリル達は、遺跡の裏側を調査する為に来て見ると。

 側溝を流れる、謎の緑色の液体が、見え。

 更にそれが、奥の岩壁にある、二つの洞窟の内右側から流れている事を確認する。



「この緑色の液体は? 湯だっている? ひょっとして温泉・・・」


「だと良いな? グリーンスライムかも知れないからな? 気を付けろよ」


 シャリルは、側溝の謎の液体を調べる為に触ろうとするが。

 アレリオは、魔物かも知れないと、無用心に素手で触ろうとした彼女を止める。



「そうね・・・下手に触るより、先ずは奥の洞窟を調べた方が良いわね・・・」


「左の洞窟は俺が行く、シャル、右の洞窟は君に任せる・・・」


 アレリオとシャリル達は、それぞれ左右二手に別れると。

 怪しい、洞窟の中へと入って行く。



(・・・何か? ジメジメしているな・・・)


 アレリオは、生暖かい湿気が漂う洞窟の中をそう思い。

 敵が居ないか警戒してゆっくりと歩いていく。

 洞窟の中は、通路の様に石畳で舗装されていた。

 そして、所々に洞窟ヒカリダケやヒカリ蘚が生えており。

 奥の方は、何やらボワ~~と淡い緑色の光が強く輝いていた。



(・・・湿気が暑いわね・・・はっ!? これは何? 牢屋? ・・・)


 一方、反対側の洞窟の入り口から調査に入って行ったシャリル。

 彼女は、舗装された石畳の上を歩き続けながら、洞窟の億へと向かっと行き。

 洞窟の岩壁をくり貫いて作られた牢屋を発見する。



「鉄格子なら錆びるものね・・・」


 牢屋の壁に埋め込まれた大きな四角い煉瓦。

 鉄格子の代わりに備え付けられた太い六本の石柱を見たシャリル。

 彼女は、ここが昔は刑務所か捕虜の管理場所だったのだろうかと思いながら呟いた。



「でっ? その向こうには強い光ね・・・」


 シャリルは、牢屋よりも更に奥で緑色に光る場所を目指して警戒しながら歩く。

 そこで、彼女は前方から何者かの気配を感じた。



「シャル! そっちは誰も居なかったのか?」


「びっくりさせないでよっ! アレリオ、こっちには何も居なかったわよ?」


 こうして、反対側から洞窟へと入って行った二人はバッタリと出会してしまう。

 そして、お互いに敵や人間が居なかった事を報告し合うと緑色に光る泉。

 ・・・ではなく、温泉に目を向ける。



「また温泉か・・・」


「お姉さまに報告ね・・・」


 シャリルとアレリオ達はそう言うと。

 待機しているジョージ達の元へと、急ぎ戻って行った。

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