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謎の人物の正体は?


「また視界の悪い場所だな・・・」


「前見たいに岩場の影から恐竜見たいな奴とかが襲って来ないわよね?」


 ジョージとミリカ達アンデッドのパーティーは山岳地帯を目指し。

 暗い夜道を馬車を走らせていると、山岳地帯の麓まで辿り着いたのだが。

 ゴツゴツとした沢山の岩場へと進入すると。

 両側を岩壁に挟まれた、細い迷路のように、入りくんだ道に入り込んでしまう。


 視界の悪さと、敵が奇襲を仕掛けては来ないかと警戒するのに気を張り詰める。


 

「見失ったか? 仕方が無いな、んっ! あれは誰だ・・・女? 一人なのか」


 ジョージ達アンデッドのパーティーを追跡していた謎の人物。

 彼は、迷路の様な道に入るとジョージ達を見失ってしまい困っていたが。

 そこに、一人で花や雑草を採集している、長い棒を持った女性を見つける。

   

 女性の見た目は非常に長い黒髪に、整った顔立ち。


 白みがかった小麦色の肌で、大きな丸い黒真珠の様な瞳にアヒル口の唇の持ち主だ。


 服装は緑色の長袖のシャツの様な着物。

 長いメロンオレンジ色のスカートを履いていた。


 武器は、二メートル程の長い棒らしき物を右手に所持していた。

 それ以外には、他に武器として使用できる物は無かった。



「アハハッ! 見ぃつけたぁ~~これで薬草が作れるわぁ♥ さてっともう少し薬草を取ったらっ!?」


 彼女は、後ろから近付いて来たラクダの気配を感じ。

 振り向き様に棒を口に加えて、両手で構え。

 ラクダに跨がる謎の人物に、先を向けて狙いを定める。



「待て・・・別に怪しい者ではない? 私は旅の商人で道に迷ってしまったのだ、済まないが街か近くのキャンプ地まで案内して貰えないだろうか・・・」 


 青装束に身を包んだ謎の人物はそう言うと。

 ラクダの背の上で胡座をかいていたが。

 足を開いて赤茶色の地面に飛び降りる。 



「それは良いけれど貴方の名前は? どこから来たの?」


「遠い場所にある商人の交易所から来たんだ、それで中間達とはぐれてしまった所に君が現れたって訳なんだ・・・」


 女性は一端、口から棒を離して謎の青装束の人物に質問するが。

 謎の青衣の人物は、嘘の理由を話して女性を騙す。



「そうなの? 分かったわ、着いてきなさい・・・」


 女性は長い棒を背負い、歩きだし。

 後に着いて来るように、青装束の人物に言って、道案内をしようとするが。



「そうか案内してくれるのか? 非常に有り難い・・・」


『カチッバンッ!』


「なっ! 何をするの!?」


 謎の青装束の人物は、道案内をしてくれようとしていた女性の背中を目掛け。

 青装束の服の中から取り出した、フリントロックピストルを発砲した。



「危ないっ! 騙される所だったわ・・・あんたは人拐いか盗賊ねっ! くらいなさいっ!!」


 背中から攻撃された女性は発砲音に驚き。

 転倒した為に銃弾には当たらず、直ぐに体勢を調える。

 そうして、謎の青装束の人物に棒を構えて狙いを定め。

 素早く息を吹き、毒針を発射する。



「ぐっ!」


 謎の青装束の人物は、毒針が体に刺さってしまい。

 一瞬苦しそうに呻くと地面に倒れる。



「その針に塗られている毒は凄く強力なの・・・それを体に受けた貴方は後三日は寝むったまま動けないでしょうね?」


 女性はそう言って、ブローパイプ(吹き矢)に毒針を装填し。

 倒れている、謎の青装束の人物に近付いて行くが。



「それはどうも・・・」


「なっ!! いやっ!? 何で毒が効かないのっ!?」     


 動けない筈の青装束の人物が動き出したのに驚いた女性。

 彼女は、悲鳴を上げて棒を投げ捨てて逃げ出すが。

 その女性の背中を再び狙う謎の青装束の人物。



「ん? 銃よりもこっちの方が良いな・・・」

 

 謎の青装束の人物は女性が投げ出したブローパイプを拾い上げ。

 棒の付いたラクダの背中に飛び乗り。

 棒に足を組んで胡座をかいて跨がる。

 そして、即座にラクダを駆け出させて、走る女性を物凄い速さで追い掛けて行く。



「嫌ぁーー何アイツ!?」


(・・・アイツひょっとして最近噂のアンデッド・・・そう言えば何日か前に交易所が襲われたって? 私もアイツ見たいに襲われてアンデッドに成ってしまうの・・・)


 女性はそう思いながらも、必死の形相で走り出し。

 謎の青装束の人物から逃れようと素早く逃亡する。



『プシュッ!』  


「そんのは嫌よぉーーおァっ!?」


 しかし、ラクダに跨がる謎の青装束の人物は、素早く動き。

 無情にも、女性の背中に向けてブローパイプの毒針を発射してしまい。

 逃げる女性の動きを止めてしまう。



「うぅぐぅっ!?」


 チクッとした背中の痛みを一瞬感じた女性。

 彼女は、そのまま前のめりに力無く倒れて眠ってしまう。

 その女性に近付いた謎の青装束の人物。

 彼は、ラクダの上から飛び降りて女性の体を縄で手足を縛り。

 万が一、逃げられぬ様に拘束する。


 ラクダの背中に乗せると、再び縄で女性の体とラクダを縛ってきつく固定した。


 その後、青装束の人物自らもラクダに乗ると。

 ジョージ達アンデッドのパーティーを探して、岩壁の隙間の迷路に向かっていった。



「良い手土産が出来たな・・・それと、こいつのおかげで助かったな・・・」


 謎の青装束の人物はラクダの上で、そう呟き。

 懐から針で小さな穴の開いた干し肉を取り出し。

 それを勿体無いと思いながらも投げ捨てる。



「生きの良い生け贄も手に入れたし、早く彼等に合流せねば・・・」


 謎の青装束の人物は、背中に憐れな生け贄の女性を乗せたラクダを走らせ。

 どこかへと向かったので有ろう、アンデッドのパーティーを探して行った。

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