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人間共を包囲するぜ


「ビョルンとニウ達が殺られたのかっ!?」


「それよりっ! 目の前の敵に集中してっ!」


 援軍に現れた人間達を相手に、カブラルはラッパ銃を撃ち。

 シニッカは、弓を射ち放って応戦しつつ後退する。



「リーダー?」


「お姉さま・・・」


 前進する、ジョージとミリカ達を含む六人の仲間を視認した、カブラルとシニッカ達。


 彼等には、ジョージから声が掛かる。



「カブラルッ! シニッカッ! 俺達は左側面から攻撃を仕掛けるっ!」


 走りながら、ジョージは遠くから二人に対しそう声を掛けると。

 暗黒魔法を放ちながら、アレリオとキャロル達と一緒に、左側面へと回り込んでいく。



「私達は二人を援護するわっ! フレイムボール!」


「二人ともっ! 援護しますよ、サンダーショット」


「助けが必要なようじゃのう? さて・・・エアーカッター、エアーカッター」


 ミリカ達は正面から攻撃を仕掛け、火炎魔法を放ち始めると。

 それに続いて、シャリルとリュージン達も次々と雷撃魔法と風魔法を放ち。

 スティックパン型巨岩の根本の丘に陣取る人間達を攻撃する。

 そうやって、注意を引き、カブラルとシニッカ達の援護を行う。



「ミリカ様っ! 援護感謝しますっ」


「皆も有り難うっ!」


 カブラルとシニッカ達は、ミリカ達にそう言うと、再び人間達に射撃攻撃を行う準備を始める。


 カブラルは、ラッパ銃に丸石を銃口から内部に詰めて装填し。

 ラッパ銃を構えて敵を狙う。

 シニッカは、背中の矢筒から矢を取りだし。

 狙いを定めて、弓の玄を引き絞る。



『バァンッ!』 


『ヒュゥッ!』


 二人は、敵に向けて攻撃を行うと。

 人間達は、その何倍もの魔法と銃撃と矢で反撃してきた。



「また避難しようっ!」


「そうね、一次撤退よっ!」

 

 カブラルとシニッカ達は、再び敵に対し応戦しつつ、一旦安全な後方へと後退した。



 一方、その頃・・・。



「どうしよう・・・どうやらビョルンは動けないようだし? 早く傷の手当てをしないと・・・」


 ニウはじっと動かず、スティックパンの根本の丘の下で伏せながら隠れていた。


 その場所からニウは、遠くに倒れているビョルンの方を心配して見てみると。

 彼が、手を振って来たのが見えたので安心した。



「ニウ・・・安心してくれ、僕は無事で・・・は無いけど命はまだ有る」


 ビョルンは小さく呟くと、気力を振り絞り。

 満身創痍の体に力を入れて、傷だらけの腕を振り。

 遠く離れた場所に居るニウを安心させた。



「それに・・・このままじゃ私も何れ人間に見付かって・・・」


 人間達に発見される恐れを考えて、ニウはうずくまり。

 両腕で体を抱き抱えて怯えるが。

 そこに、聞き慣れた声と魔法の音が遠くから響いて来た。



「はっ!? リーダー、来てくれたんですねっ!!」


 ニウはそう呟いて、援軍の登場に喜ぶ。

 一方のビョルンも援軍に来たジョージ達の姿が目に入ると。



「リーダー達が来たのか? よかった、これで僕とニウも助かる」


 そう力無く呟いて、ビョルンは再び地面にうつ伏せに伏した。

 その後、援軍に現れた三体のアンデッドは勇猛果敢に戦う。



「ダークボール、ダークボールっ!! 突撃だあーーーー!!」


「うああぁぁぁーーーーーー」


「アイスビーム、アイスビーム、突撃だよぉ~~~~」


 ジョージ、アレリオ、キャロル達。

 三人は、スティックパンの根本の丘に陣取る人間達の左側面を突こうと。

 魔法を放ちながら突撃して行く。



「ゾンビだっ! ゾンビが来るぞっ!」


「スケルトンも居るぞっ! あの少女は何だっ?」 


「そんな事はどうでもいいっ!? どうせ奴もアンデッドだっ撃てぇ~~」


 人間達も丘の上から様々な攻撃を行ってきた。

 魔法、銃弾、矢、石、等がジョージ達を目掛けて頭上から降り注ぐ。



「くっ? 反撃してきたか・・・」


「これくらい何ともないぜ」


「きっか無いよ~~アレ!?」


『ボンッ』 


 ジョージは、ダンゴムシ型のシールドを展開し。

 それを、構えながら敵に一直線に突っ込んで行き。

 アレリオは、次々と飛んでくる銃弾や矢を、モンタンテの刃を正面に構えて弾き。

 キャロルは、飛んでくる銃弾や矢による攻撃は余り効かないが。

 魔法攻撃を受けると、大ダメージを受ける事が分かった。



「このまま、突っ込むぞぉ~~~~!」


 ジョージ、アレリオ、キャロル達は敵の攻撃を防いだり。

 回避して人間達の元へと突撃し、一気に距離を詰めて行く。



「こっちに向かって来るぞっ!?」


「喋って無いで撃ち殺せっ!」


 慌てて、ジョージ達を狙い撃ちする人間達。

 その攻撃は、近付く度に激しく成り。

 次から次へと、魔法や銃弾が途切れる事無く飛んでくる。



(・・・リーダー達が危ないっ!? ・・・)


「くっ! 今しか無いわねっ!」


 丘の下から上を目指し。

 人間達を睨みながら、ニウは気を引き閉めて静かに歩き出す。



(・・・気付かないでよ・・・静か~~に・・・静か~~に・・・)


 猫のように音を立てず。

 忍び足で丘を登るニウは、気付かれず。

 人間達の背後へと回り込む事に成功し。

 そこから、一気に一人の人間へと襲い掛かった。

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