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害虫退治


「ジョージっ!? 正面からも来るわよっ!」


 ミリカは叫び。

 馬車を追い掛けてくるオケラケラの群れに、火炎魔法を放とうと右手をかざす。



「サンダーショットッ!?」


「きっ!? ききーー」  


 ミリカよりも素早く、シャリルが雷撃魔法を放ちオケラケラを倒す。

 雷撃魔法が背中に直撃した一匹の死骸。

 それは、ジョージの乗るゾンビ・ホースの蹄と馬車の車輪に巻き込まれ。

 グチャグチャに潰されてしまった。



「くそっ! コイツら数が多すぎるぜっ!?」


「私・・・虫は嫌あぁ~~アイスビーム」


 アレリオは手綱を引っ張る。

 すると、彼はチラリと敵を見た。

 キャリッジ馬車を右側面から襲おうと強襲を仕掛けて来る三匹のオケラケラ。

 連中が見えたので、彼は反撃する。


 自らに襲い掛かろうと近付いてきた一匹のオケラケラ。

 それを、右足で勢い良く蹴り飛ばし。

 続く飛び掛かってきた、もう一匹。

 そいつは、腰の鞘からモンタンテを手早く抜き取り様に首を跳ねた。


 キャロルは、アレリオが二匹倒すと、ショートスタッフを振るい。

 残る一匹に氷結魔法を放ち。

 何発もの氷結魔法をオケラケラの体に当て。

 氷で間接や足を凍らせ、体中あちこちを覆い。

 幾ら、もがいても動けなくしてしまった。



「少々害虫共が多過ぎですな・・・ウィンドストーム」


 段々と遠ざかる一匹のオケラケラを尻目に、リュージンは大風魔法を起こし。

 砂嵐で昆虫の群れを巻こうとする。



「おや? 左右から来ましたか?」


 リュージンの大風魔法で吹き上がった土煙に巻き込まれた、オケラケラの群れ。

 奴等は、強風と土煙を避けて左右から回り込み。

 ジョージ達アンデッドの馬車を、左右から取り囲むように挟撃して来た。



「皆、とにかく撃てーーーー!?」


 ジョージは右側面から迫るオケラケラの群れに右手をかざし。

 暗黒魔法を連発して放つ。

 連続で放たれた暗黒球は、昆虫達を二・三匹吹き飛ばす。



「ききぃーーーーーー」


「きぃーーーー!!」


 他のオケラケラが。

 その後ろから続々と、ジョージ達の肉を強靭な顎で噛みきろうとし。

 カチカチと、口元から不気味な音を立てながら距離を縮めて来る。



「何で、こんなにゴキブリ見たいな奴が居るのよぉーーーー!?」


 ミリカは火炎魔法を放ち。

 左側面から回り込んでくる、オケラケラを数匹燃やして仕留めるが。

 他の連中がミリカの馬車の直ぐ側まで近付き。

 ミリカは腰の鞘からレイピアを引き抜くと、一匹の眉間を刺し貫き。

 後頭部から、レイピアの鋭い銀色の切っ先を出す。



「うわっ!? キモっ!?」


「きぃぃぃーーーー」


 ミリカは、嫌悪感丸出しの表情をオケラケラに向け。

 眉間を貫いたレイピアをそのまま引き抜き。

 右から飛び掛かってきた別の一匹の背中にレイピアで浅く突き刺し。

 そのまま斬りつける。



「きぃーー!?」


 斬りつけられたオケラケラはそのまま、うつぶせに倒れて動かなくなるが。

 まだまだ、オケラケラの群れの数は多く。

 このままでは、ジョージ達アンデッドは昆虫達の餌に成ってしまう。

 と言うように、正に絶体絶命の状況であった。



「昆虫何て嫌いよっ!」


 ニウは手綱を操り。

 襲って来た、二匹のオケラケラの頭部の頬を右腕のダンで殴り。

 頬をへこませて倒す。



「ぐっ! 噛まれたか」


「アレリオっ! 怪我をしたのねっ!回復魔法を」


 アレリオが襲い掛かってきたオケラケラの腹を蹴り飛ばすが。

 その際に肩を噛まれてしまい。

 シャリルは、強敵オケラケラと戦い怪我をしたアレリオに回復魔法を掛ける。



「ヤバイな! このままじゃあ・・・」


 ジョージは、自らもオケラケラと戦いなつつ。

 仲間達の戦いぶりを観察して、やや此方の方が不利な戦況である事を察する。



「何か使える武器は? 無いかな・・・カブラル、アレリオ、ニウっ! そっちは爆弾とか有るかっ!」


 ジョージは、戦況を覆すため。

 自らの乗った馬車の座席の下に積まれている荷物や、懐を探るが。

 何も武器として使える物が見付からなかった。

 なので、後方に居る仲間達に武器は無いかと声を掛ける。



「リーダー、こっちには食料しか無いですよっ」

 

「アタシの方は火炎瓶が有りましたっ!」


 アレリオ達の馬車には食料しか積載去れていなく。

 武器らしき物は一つも積まれて居なかったが。

 ニウとビョルン達のチャリオットの座席の下からは、火炎瓶が見付かった。



「有りましたよっ! 爆弾が、一箱分もっ!」


 カブラルとシニッカ達のチャリオットの座席下。

 そこには、爆弾が大量に詰まった木箱が、二箱も見付かる。



「取り合えず、積めるだけ荷物を積んで来たけど、役に立つ物が有って良かったぜ」


 カブラルはそう言うと、直ぐに木箱の蓋を開けて爆弾の導火線に着火し。

 左右から挟撃して迫り来る、オケラケラ達に向かって投げつけていく。

 


『バーーン!?』 


『ドォーーンッ!』


「きぃーーーー!!!」


「きいぃーー!?」


 爆発と爆風に、巻き込まれたオケラケラ達。


 連中は、次々と爆弾の破片、爆発の衝撃、爆風の熱波に殺られ。


 体を吹き飛ば去れる者。

 破片が体中に刺さり、炎に包まれる者が続出した。

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