前方から大軍団~~ここはステルスで~~
敵を倒す。
これで八体目全部人間だ。
そして、俺もミリカも敵に噛みつくが部下になるアンデッドはいない。
何故かって、それは噛まれた人間は腐肉の塊に成るからだ。
これまで倒した人間に、ミリカの血液を飲ませたり。
俺の血液を塗った剣を相手に刺したりしたが。
アンデッドになっても言う事を聞く部下には成らない。
たぶん俺達のレベルが上がれば、このスキルの交果もアップするんだろう。
例えば、腐肉の塊ではなく、ゾンビとかヴァンパイアに最初から変化するとか。
後、俺の腕を自分で斬りつけ。
血を剣に塗り相手に刺したり斬ッたりするのもあまり使えないな。
ゾンビと言えど、出血しすぎると、どうなるか分からないからな。
それに、戦闘中に一々自分で斬りつけている余裕は無いし。
何より面倒だ。
ミリカの方も、同じような物だろう。
きっと、彼女の血液を飲んだら、血族化する。
それで、腐肉の塊から進化すると、ヴァンパイアになるんだろ。
だが、さっきも言ったが。
腐肉の塊の時点で、言う事を聞かないので、どうしようもない。
持っと、二人ともレベルを上げなければ、きちんとした戦力に。
そして、頼れる仲間に敵を作り変える事ができるかもしれないからな。
と考えていたが。
「ねぇっ?」
「それはまだ」
ミリカは声を掛けるが、ジョージは考え事に夢中で、ぶつぶつ独り言を話す。
「ねぇってば?」
「先だろう」
二回目の話しかけも、無視されたミリカは苛立ってきたが。
それでも、ジョージは返事をしない。
「ねぇねぇ?」
「なんだ? ミリカ、さっきから」
三回目にして、ようやくミリカに返事を返したジョージは何の用だと言うが。
「ジョージが返事しないからでしょうっ!」
「ああ、それは悪かったわ」
ぷんすかしながら怒るミリカに、ジョージは困ったような表情を浮かべて謝る。
「んもう~~? さっきから一人でぶつぶつ言ってーー何考えてるか知らないけど、それより敵よ」
「三人か・・・奇襲を仕掛けるぞ」
ミリカは前方から歩いてくる三人の人間を指差す。
幸い彼等は、まだ此方に気がついてはいない様子だ。
「いつもの作戦は?」
「今回は後ろからの奇襲を行う、だからいつもの人間の振り作戦はやらない」
作戦はとミリカは聞いてきたので、ジョージは作戦内容を教えたのだが、彼女は。
「それなら、いっくわよーー!!」
「待てっ! ミリカ・・・ちっ! 仕方ないな?」
真っ先に一人で駆け出したミリカ。
彼女を、呼び止められなかったジョージは、仕方なく自分も突撃していく。
「フレイムボール」
「ダークボール」
二人は魔法を放ちながら、三人の人間達を目掛けて、颯爽と駆け出して行った。
その後も。
オーク、二体。
ビッグラット、十体。
ホラアナトラ。
等を倒し狩をしながら進む。
そして、運悪く大勢の人間に出会ってしまった。
相手の数はざっと十三、いや十四人てとこか。
ここは通路、つまり狭い場所だ。
このままでは前見たいに囲まれてしまう。
どんな職業で、どんな武器を使うのか何て考えている暇はないな。
速く逃げなければならない。
すると、突然ミリカが俺の前に立ち、レイピアで俺の体に一突き入れる。
「なっ何っ!?」
「いいっ! しゃべらないで敵に気付かれるからか」
ミリカは顔を近づけ、真顔で耳元で囁く。
敵の方を、横目で追いながらがら続けて。
「殺られた振りするの」
「そうかっ!?」
ミリカが小声で囁くと、俺は頷き、直ぐにガクッとうなだれながら倒れる。
そして、ミリカはレイピアを俺の体から引き抜き。
刃の部分についた血を一振りして払う。
そして、人間の集団に手を振る。
「こっちは大丈夫よ」
「そうか? でも気を付けろ、ここはアンデッドが多いからな、まあ~あんたなら今見たいにゾンビも簡単にのしちまうか、それとも一人かなら着いてくるか」
ミリカは笑顔で人間達に話し掛けると、人間達のリーダーらしき人物が答えた。
「どうもありがとう、でも大丈夫です・・・後、もう少ししたら私の仲間達も来ますから」
ミリカは大丈夫です丁寧に答えると、人間達のリーダーは少し考えてから。
「なら安心だなまあ無理はするなよ? さあて皆行くぞ」
リーダーがそう言うと、人間達は前進を開始した。
その間俺はピクリとも動けず。
じっと、男女十四からなる人間達が通り過ぎるのをじぃっと待つ。
「後ろを警戒しろっ!」
「ランサーは左右に展開」
「分かった」
「魔法使いは前方だ」
大勢の人間達が俺を気にする事なく、前進していく。
よし、人間達の姿と声は小さくなり。
「通り過ぎて行ったか? はあぁっもう誰も居ないよな」
ジョージはため息を付きながら呟き、そして、緊張が溶け動き出す。
とその時。
「おーーいっ! 待ってくれよーー!」
一人の魔物使いが、ペットのコウモリを肩に乗せて、走って近づいてきた。