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町まで一直線


「うぅ~~とっ! さあ眠りから覚めたし街に行こう出発だっ!」

  

 大きな欠伸あくびをしながらジョージは出発を仲間達に告げる。

 だが、仲間達もまだ起きたばかりで眠たい時間帯なのだ。



「リーダー、僕はまだ眠ーーいですぅ・・・それに体が気ダルいぃ・・・」


「何を言ってるんだ! リーダーが行くっって言ったら、喩え火の中だろうと水の中だろうと行くんだよっ!」


 だらしない欠伸をするビョルンに対して、アレリオは怒って彼の背中を軽く叩いた。



「いてっ! 何も叩かなくても良いだろうっ」


「ビョルン、あんたが寝惚けているからアレリオに叩かれたんでしょうっ!!」


 背中を叩かれたビョルンは、アレリオに文句を言ったが。

 横から、ニウが呆れたと言わんばかりの視線を向ける。



「うぅっ・・・ニウっ! 君まで、そんな視線を向ける何て・・・」


「お前が、だらしないからだろっ!」


 ニウにも激しく怒鳴られた、だらしのないビョルン。

 更に、彼は再びアレリオに渇を入れられてしまう。



「あんた達・・・遊んで無いで早く馬車に乗りなさいっ出発するわよっ!」


 バギータイプの一人乗り馬車の椅子からミリカは、呆れ果ててしまい。

 見下すような視線を向け、騒ぐ三人にそう言った。



「はい、お姉さまっ!」


 ニウが馬車の上に飛び乗ると、アレリオとビョルン達も急いで馬車に乗った。

 ジョージは、ゾンビ・ホースに引かれたバギータイプの馬車に乗り。

 ミリカも同様に、ヴァンパイアホースに引かれたバギータイプの馬車に乗っていた。


 アレリオ、シャリル、リュージン、キャロル達。


 この四人はキャリッジタイプの馬車に乗る。

 馬車は、ゴースト・ホースとスケルトン・ホースが引いていた。

 アレリオが馬車の御者を担当して、他の三人は座席で護衛を担当していた。


 ニウとビョルン達ペアは、チャリオットタイプの二人乗りの馬車に乗った。


 ヴァンパイア・ホースとスケルトン・ホースに引かれたチャリオットだが。

 御者は、ニウが担当して、護衛はビョルンが引き受けていた。


 カブラルとシニッカ達ペアも同様に、チャリオットタイプの馬車に乗っている。


 ゾンビ・ホースとヴァンパイア・ホースに引かれた、チャリオットだが。

 御者はカブラルが担当し、護衛はシニッカが引き受けていた。



「さあっ! こんどこそ皆も馬車に乗ったし出発するぞっ!」


 ジョージは手綱を叩いてゾンビ・ホースを走らせる。

 背中を軽く叩かれたゾンビ・ホース。

 この騎獣は、蹄鉄の付いた傷だらけの脚で、力強く地面を蹴り飛ばし。

 バギータイプの馬車を引っ張って前進して行く。



「私達も行くわよっ!」


 ミリカも、ヴァンパイア・ホースの背中を勢い良く手綱で叩いて走らせ始める。

 漆黒の体色である、ヴァンパイア・ホースは颯爽と地面を掛けて行き。

 その後を、仲間達の馬車が続く。



「町まで行く途中で敵の襲撃が無ければ良いんだがなぁ・・・」


「アレリオ、心配は要らないわよ・・・街までは後役三キロの距離なのよ」


 御者として馬の手綱を操縦するアレリオは敵の襲撃を心配して呟いたが。

 その後ろから、シャリルは何も心配は要らないと、彼に優しく声を掛けた。


 ジョージ達アンデッドのパーティーは、闇夜の荒野を五台の馬車で掛ける。

 街までは、後三キロの距離。

 彼等は静夜の大地を街を目指すため、馬の足音と馬車輪の回転音を響かせて進む。



「見えてきたな・・・港町だ・・・」


 アンデッドのパーティーの先頭を、ミリカとジョージのバギー馬車が並走する。


 ジョージは、馬車の座席から、遠目に朧気ながらも見える町を眺め。

 遺跡の残骸の上に建てられた、大きな丸太小屋。

 それと、周囲を囲む丸太の壁を見てそう呟く。



「後少しね・・・町の側まで行ったら後は? リュージンさんとシャリルちゃんに行って中をスパイしてきて貰いましょう、ねっ! お願いっ♥」


 ミリカは、リュージンとシャリル達に中を偵察してくるように両手を合わせ。

 ウィンクして甘える様な仕草で頼んだ。



「ミリカ殿の頼みでは仕方ないですな」


「お姉さまの頼みと有らばっ!」


 リュージンとシャリル達は、そう言って、港町に潜入する任務を承諾した。

 そうこう話をしている内に。

 港町の丸太で囲まれた、壁の入り口付近が見え。

 ジョージ達は、魔物や人間に遭遇する事無く無事に辿り着く事が出来た。



「ここからは、リュージン、シャリル・・・頼むぞ」


「町の中を見て来るついでに買い物も頼むわねっ!」


 ジョージとミリカ達は、二人に頼み。

 自分達は、二人が街の中を偵察している間は待機する事にした。



「はいっお姉さま、取り合えず私達は町で情報を集めて来ます」


「大陸までの定期船の中で、我々の一団を運んでくれる船を探して参ります」


 シャリルとリュージン達は、港町の入り口の丸太の壁の正門まで歩いて行った。

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