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狩りの時間だ


 湿原にたどり着いた、ジョージ達アンデッドのパーティー。

 彼等は、早速獲物を探して沼や川に目を配る。



「ミリカ、そっちは何か居るか~~?」


「ん~~残念だけど何も居ないわね」


 ジョージは川の方に目を向け獲物を探す。

 ミリカは川とは反対に位置する沼に目を配り、獲物は居ないかと注意深く探す。



「腹が減ったな・・・」


「そうねぇ・・・」


 ジョージとミリカ達を始めとするアンデッドのパーティーの仲間達。

 彼等は、一向に獲物を見つけられなかった。



「・・・? アレはっ!」


 シニッカは沼に隠れ潜む獲物を発見して弓を引いて矢を放つ準備をする。

 そして、獲物を一撃で仕留めようと矢を放った。



「当たってっ!」


『ヒュゥゥッ』


 シニッカの放った矢は、獲物まで飛んで行くと、見事獲物の脇腹に命中した。

 獲物の正体は泥沼大鯰どろぬま・オオナマズで、まだ息がありビクビクと体が痙攣して動いていた。



「シニッカ・・・見事だったな」


 カブラルは泥沼大鯰に近付いて行き。

 ラッパ銃の銃口を向け、散弾で止めを射した。



「こいつは、泥臭いのと生臭いな・・・」


「川の水で洗って焼きましょう、本当は鍋でアルコールを使って煮込んで臭みを取りたいけどエールやスタウトじゃ、アルコール成分が足りないしね」


 カブラルは、殺した泥沼大鯰を沼から引き揚げる。

 シニッカは、泥沼大鯰を食べる為の調理法を考えた。



「やっと、一匹仕留めたのか? 凄いな俺達はまだ発見すらしてないのに、流石は魔物猟師だぜっ!」 


 アレリオは、仕留めた獲物を仲間達の元へと運んできた。

 元人間の魔物猟師である、シニッカとカブラル達に称賛の言葉を述べた。



「二人とも、御苦労様です・・・鯰の調理は、お姉さまと私、ニウ、の三人が行いますので」


「そうそう、その鯰は私達が調理するから二人はガンガン獲物を仕留めて来てね」


 シャリルは、泥沼大鯰を仕留めた、シニッカとカブラル達に調理は任せてと伝え。

 一方、ニウはと言うと。

 シニッカとカブラル達の猟師コンビに、獲物を沢山仕留めて貰えると期待した。



「獲物なら私達に任せてねっ!」  


「期待して待ってろよ」


 仲間達の称賛と期待のこもった声を聞いたシニッカとカブラル達。

 彼等は、また狩りを続ける為に何処かへと向かって行った。



 その後もジョージ達アンデッドのパーティーの狩りは暫くの間続く。

 腹を空かせる、彼等アンデッドは食欲を満たさないと気が済まないのだ。

 


『ドドドドドドドドドドドドドドーー』


「アレリオっ!? そっちに行ったよ!」


「分かってるっ! 今直ぐに仕留めるからなっ!!」


 ビョルンは、獲物である赤ヌマエビーを、ニッケルハルパの音波魔法で追い詰め。

 反対側で待ち構えていたアレリオ。

 彼が、赤ヌマエビーの触覚の生えた赤茶色の頭を狙い。

 モンタンテの斬撃を喰わせて、仕留める。



「終わったな・・・ビョルン、そっちの鋏を持ってくれ」


「分かっているよ、早くミリカ様達の所へこいつを運ぼう・・・」 


 二人はそう言いながら、共に仕留めた赤ヌマエビーを運ぼうと近寄って行く。


 アレリオは、右腕の鋏を持ち上げ。

 ビョルンは、左腕の鋏を持ち上げ。

 ミリカ達三人の所へまで、赤ヌマエビーの死体をズルズルと引き摺って行った。



「キャロルッ! 今じゃっ!! エアーカッター、エアーカッター」


「今ねっ! 師匠っ!! アイスビーム」


 リュージンとキャロル達は、トリプルホーンアリゲーターを難なく倒してしまった。

 この魔物は、頭に鋭利な三本の角が、額から鼻の先に掛けて縦に直列に並び。

 性格は、大変に凶暴な水陸両性の魔物であった。


 最初に、キャロルが沼から飛び出してきた、トリプルホーンアリゲーターの脚を狙い。

 素早く、氷結魔法を放ち。

 トリプルホーンアリゲーターの泥沼の水で濡れている、両前脚を凍らせる。

 それから、リュージンが風魔法の斬撃を放ち。

 トリプルホーンアリゲーターの頭部を、集中的に攻撃して倒したのであった。



「ふぅぅ・・・こやつを運ぶのは骨が折れるわい」


「師匠、頑張って~~」


 リュージンは、体長二メートルも有るトリプルホーンアリゲーターの腹を肩に担ぐ。

 頭と尻尾を引き摺りながら、キャロルと共にトボトボと歩き。

 ミリカ達三人の所まで、帰って行く。



「さあ~~焼きましょう~~焼きましょう~~フレイムボール」


「お姉さま、カブラルとシニッカがまた獲物を仕留めて参りました」


「お姉さま、泥沼大鯰のロースト肉が焼き上がりましたっ!」


 ジョージ達アンデッドのパーティーの仲間達は、全員が集まり。

 それぞれが獲物を持って来た。

 それを、ミリカ、シャリル、ニウ達に調理して貰っていた。


 ミリカは火炎魔法を使い、仕留められた獲物の泥沼大鯰を丹念に焼き上げて行く。

 それを横から、シャリルは雷撃魔法で体の芯まで電気で焼き上げ。

 ニウはそれを手伝い、火打石で火を着けて泥沼大鯰を燃やす。


 シニッカ、カブラル達のペアは、泥沼大鯰を仕留めた後。

 マッドスネークや大蝲蛄オオザリガニを仕留めて死体を運んで来た。


 アレリオとビョルン達のペアも、赤ヌマエビーを倒したらしく。

 二人並んで、死体を引き摺って持って来た。

 

 リュージンとキャロル達のペア。


 彼等は、リュージン一人でトリプルホーンアリゲーターの死体を担ぎ。

 それを引き摺って来て、他の仲間を驚かせた。



 そして最後に・・・。

 あの間抜けな男はと言うと、何処からともなく仲間達の前に姿を現す。


 

「はぁ~~大量の魚をゲットしたぜっ!」


 そう言いながら、一人ぷらぷらと何処かへ行っていたジョージ。

 彼が仲間の元まで帰って来た。

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