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やっと元気に成ったか、それじゃあ出発しますか・・・


「あーー昨日は最悪だったわぁーーあーんっ! もぐもぐ」


「本当に大変でしたね~~はむっ♥」


 ゾレットチーズを美味しそうに頬張るミリカ。

 カキノワチーズを幸せそうに満面の笑みで噛じるシャリル。



「うーーん! おいひぃ~~♥」


 ミリカはそう言って、ゾレットチーズを頬張続けて食べ終える。

 それから、今度は塩辛い青カビチーズのエーデルピルツケーゼを食べ始めた。



「良く食う豚だな・・・次の飯はこいつの肉を切り取って焼いて食うとするか?」


「ひっどーーいっ? 私はずっと寝込んで居たのよっ! これくらい食べて体力を回復しなきゃどうすんのよっ!」


 ミリカの食べっぷりを見ていた、ジョージは余計な一言を言ってしまう。

 その一言にぶちギレて、彼女は怒鳴る。



「こんなに元気に成ったんだから、チーズ&スタウトをまだまだ沢山食べて飲むわよっ!」


「へーーへーー? それはそれは沢山食べて飲めてよーーござんしたねーー」


 元気一杯に騒ぐミリカと。

 オードリー若林の恐ろしき一本調子の歌の如く、適当に返事を返すジョージ。



「シャル・・・もう元気に成ったのかい?」


「ええ・・・アレリオ、大分楽になったわ・・・私の事を心配してくれて有り難う」


 アレリオは、シャリルを気遣い、声を掛けると。

 彼女は、ニコッと可愛らしい笑顔を向けて礼を述べる。



「ジョージ、そろそろ新しい皆に私達の事を説明しましょう」


「だな・・・俺達が何を目標に旅を続けているのか言わなきゃ分かんないよな」


 ミリカとジョージはそう言い合って、新しい仲間に改めて説明をする事にした。

 そして、彼は皆を集めて集会を開く。



「でっ!! ここで説明何だが、俺とミリカは異世界から来たっ!!!」


 ジョージが新しく仲間に加わった三人に自分達の事を教えた。

 キャロル、シニッカ、カブラル達は異世界から来た事を伝えると、三人の反応は。



「異世界っ!?」


「異世界って? こことは別の世界?」


「はっ! 異世界から来たっ・・・?」


 キャロル、シニッカ、カブラル達は驚いた表情と瞳を、ジョージとミリカ達に向けた。



「異世界から・・・この世界に飛ばされて来た俺とミリカは元の世界に帰りたい・・・そこで皆にも協力して欲しいんだ」


「私達は元の世界にどうしても帰りたいの・・・」


 ジョージとミリカ達は、三人に対し協力を頼み込む。

 二人は元の世界に帰りたくて仕方が無いのだ。



「リーダー、協力しますよ」


「リーダーとお姉さまの為なら」


 カブラルとシニッカ達は、主人たるジョージとミリカ達に協力を誓う。

 アンデッドである彼等は、主人たる二人に逆らえる筈は無いのだ。



「私も・・・協力しますっ!」


 キャロルもそう言って、二人への協力を誓った。

 彼女もまた肉体と共に精神がアンデッドへと変化したので、考えが変わったのだ。

 それは、強制的な忠誠心が、彼女の心の底に植え付けられた。

 それ故に、二人へ逆らえる筈は無かった。



「皆・・・有り難うな・・・」


「有り難うね・・・」


 ジョージとミリカ達は、嬉しさの余り。

 そう言って、短い感謝の言葉を三人に述べた。

 そして、彼はこれからの目標と説明を始める。



「でっだっ! これからは世界を見て回り、この夢の島にある遺跡の転移装置と同じ様な物を見つけて・・・それを使って元居た世界に帰ろうと思う・・・そしてら皆で一緒にこのちっぽけな島から飛び出て世界を旅するぞっ!!」


 ジョージは全員の前で、この夢の島からの脱出を、そして世界を旅すると宣言する。


 いったい島から出た先には、どの様な世界が広がっているのか。

 ジョージもミリカ達も、知る由もなかった。



「お姉さまが行くなら、私も行くだけっ!」


「キャロルちゃんは私の事をお姉さまじゃなくてーーミリカお姉ちゃんって呼んでね・・・その方が何かしっくりくるし、良いわ~~♥」


 キャロルがミリカに対して、そう宣言する。

 それに対して、彼女は呼び方をそう呼んでねっと頼んだ。



「キャロルちゃんは他のお姉ちゃん達を呼ぶ時もそう呼んでねっ? シャリルお姉ちゃん、ニウお姉ちゃん、シニッカお姉ちゃんって」


「分かりました・・・ミリカお姉ちゃん」


 ミリカは、ニコッと微笑んで、キャロルに言うと。

 彼女も微笑み、素直に分かりましたと答えた。



「さあて次の目標は・・・?」


「リーダー殿、この島から脱出するなら港町から船を奪わなければ成りませぬ」


 ジョージは次の目標は、何を目指すか迷っていると、リュージンが進言する。



「なら港町を次の目標に定めるか・・・皆、準備を始めてくれ港町まで言って見るぞっ!」


 リュージンの進言を聞き入れた、ジョージは次の目標を港町に定めた。

 彼は、皆に出発の準備の指示を出し、自らも準備を始める。



「皆、準備が出来たな・・・よしっ! 出発だっ!!」


「港町には、美味しい食べ物と可愛い子がいっぱい居るかなーー♥」


 ジョージとミリカ達は、洞窟を流れる川の水をたどり、外へと続く出口を目指す。




 彼等と彼女等の冒険はまだまだ続く。

 人間を殺し、アンデッドに変えて仲間に加えながら。


 ジョージとミリカ達のアンデッドパーティ。

 その仲間達は、長い旅路の果てに何を見て何を得るのか。

 それは、今はまだ誰にも分からなかった。

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