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魔法少女は悪堕ちする?


 儚げな印象の少女の魔法使いの容姿。

 それは、オレンジがかった金色の髪色が。

 より強く光るゴールデン・オレンジ色に変わり。

 ボブヘアーの髪型に、オリンピア・グリーンの瞳と様変わりした。


 肌は、薄透明な青白い色に変化する。

 肌だけでなく、服装を含めた体全体の見た目が雰囲気が変わる。

 薄透明な感じの儚げな印象に変わり果てていた。


 服装は、魔法使いの白いトンガリ帽子を被る。

 背中には、パステル・グリーン色のマントを羽織る。

 その下はミストホワイト色のブレザーを着ていた。

 パウダーピンク色のスカートを履き、脚には白いタイツを履いていた。


 武器は音楽指揮者が持つような、シンプルな青白い色の短い杖を手に持っていた。


 儚げな印象の魔法少女の見た目。

 それは、正にゴーストの魔法使いと言った風貌に変化していた。

 そして、キャロルは棒立ちしていた。

 それから、やがて疲れたのか、ぺたんと座り込んでしまう。

 彼女は、体を横にしてぐっすりと眠り始めた。



「変わり果てたわね~~早くお目々を覚まさないかしらぁ~~?」


 ミリカは眠りこける、キャロルを見つめながら一言呟く。

 そんな彼女に対して、ジョージは横から話し掛ける。



「おいっバカ女っ! 岩柱の下に移動するぞっ! つーーかお前ら・・・居たんだなっ?」


 ミリカに対して、ジョージはそう言うと。

 今度は、カブラルとシニッカ達に顔を向けて声を掛ける。



「我々もアンデッド化して、不老不死の肉体の素晴らしさに気づかされました」


「はい、私もアンデッド化した今はこんなに美しい姿に変えて下さり大変感謝しています」

  

 カブラルとシニッカ達は二人とも、片膝を地面に付け。

 深く頭を下げて、臣下の礼を取る。



「あーー? それは有りがたいんだが・・・今はさっさと岩柱の下まで早く行こうな?」


 ジョージは、二人にそう言うと、キャロルを抱き上げる。

 次いで、螺旋状の岩柱を目指して走り出した。



「ジョージ、何でそんなに急ぐの?」


「騎兵隊が体制を立て直して、再び反撃して来たら大変だからだっ! ミリカ、皆ぁっ! 行くぞっ!!」


 ミリカの問いに対して、ジョージは答える。

 彼は、仲間に指示を出して石橋を渡り岩柱まで走って行く。

 ミリカもそれに続き、他の仲間達もリーダーである彼の後を追い始めた。



「あっ! 待って、ジョージッ!」


 そうして、十体に増えたアンデッドのパーティ。

 彼等は、岩柱の螺旋状の道を下りて行き、やがて崖の底にたどり着いた。 



「ここは・・・暗くて冷たく湿っぽいな・・・?」


「霧? 障気? 何なのこのもやは・・・」


 先頭を歩いていたジョージとミリカ達は辺りを散策する。

 そこで、二人は水で削られて出来た溝に緩やかに流れる川を発見した。

 湿った霧の元は、この川から漂って来ていた。



「この川を辿って行くぞ・・・」


「そうしましょっ!」


 ジョージとミリカ達はそう呟きながら奥へと歩いて行く。

 奥へ奥へと進んで行く、彼等二人を先頭とするアンデッド達の一団。



「で? 二人は私達アンデッドの仲間になって私達を追って来たわけね・・・」


 ミリカは、アンデッドのパーティーの最後列に位置する二人に顔を向ける。

 そして、新入りのアンデッドであるカブラルとシニッカ達に話掛ける。

 


「はい、アンデッド化する直前に聞かされた少女の話から、俺が教えたトンネルに向かっているだろうと思い貴殿方を追い掛けて来ました」


「私も、お姉さまに可愛がって頂きたくて追い掛けてきました、あの時私は結局お薬を自ら欲っして・・・お姉さまにせっかく飲ませて頂いたのに・・・」


 カブラルとシニッカ達はここまでの経緯を説明する。

 そして、彼女の方は回想を語り始める。



「あの時・・・」


 シニッカは思い出す。



「やっ! 止めっ!? あがが・・・」 


 シニッカは顎を、シャリルに押さえつけられ。

 口を無理矢理に明けられて居るので、喋る事も抵抗する事も、まま成らなかった。



「それじゃあ、一気にぃ~~? 一気まーーすっ♥」


「ぃあっ! むぐっ!? 『ゴポゴポゴポッ』ゴクゴクゴク、ンーーンんーー~~」


 ミリカに、吸血鬼の血を混ぜられた、ブラッドカクテルを再び飲まされる、シニッカ。


 彼女は、ブラッドカクテルを無理矢理に味わされる。

 普通の酒よりも、強い血液の苦味とアルコール度数のブラッドカクテル。

 これを飲まされた、シニッカは口から水筒が離されると大きく息を吐いた。



「ぷはぁーー? はぁはぁ・・・うん?」


「じゃあ、後はサクッとね?」


 シニッカは、酒を強引に飲まされた事で苦しがっていた。

 そんな彼女の胸に、ミリカは一気にレイピアの切っ先をブッ刺した



 それから少し時・・・。



「うぅ・・・」


「あっ! 良かったわぁーーまだ生きていたのねっ?」


 シニッカは、白眼を剥いたまま起き上がり。

 虚ろな眼をしたまま声の聞こえたミリカの方に振り向いた。



「あう・・・・あ・・ぅぁ?」


「あ? アンデッド化したわね」


 様子のおかしくなった、シニッカの呻き声を聞いた、ミリカ。


 彼女の想像通り、胸を刺されてからアンデッド化した。

 なので、胸以外は外傷の少ない綺麗な見た目の腐肉の塊に変化していたのであった。

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