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人間達の反撃は強烈だっ!!


「ビョルン、もっと撃ち返してっ!」


「やってるさっ! ・・・でも敵の攻撃も激しくてっ!」


 シャリルとビョルン達はそう言い合って魔法を放つ。

 体勢を建て直した騎兵隊員と傭兵達は、大楯パヴィスを構えながら二人に迫る。



「シャリルさん、来たよっ!」


「言われなくても、分かっていますっ!」


 騎兵隊員と傭兵達は三人がパヴィスを構え。

 その後ろからは、弩兵と魔法使いが交互に攻撃をしつつ。

 崖と岩柱に掛かっている石橋を進んで来る。


 その数は八人だ。

 彼等は、後方の崖に位置する、騎兵隊員と傭兵達の魔法と銃撃の援護を受け。

 シャリルとビョルン達を倒そうと、前進を続ける。



「くっ! 愚かな人間共がっ! 黙って死んでいなさいっ! サンダーショット、サンダーショット」


「あいつらが来る前にっ!」


「ドドドドドドドドーー」


 シャリルは、パヴィスを構えつつ近づいて来る騎兵隊員と傭兵を狙い。

 雷撃魔法で攻撃するが。

 雷撃魔法は、パヴィスに弾かれてしまう。

 

 大楯パヴィスは、本来は据え置き型の大きな楯だ。

 それ故、手で構えて運ぶ事は通常は行うのは無理であったが。

 今、パヴィスを構えて運んでいるのは三人の大男達であり。

 彼等は、パヴィスを軽々と持ち上げてシャリルとビョルンに迫るのであった。


 ビョルンはパヴィスを構える八人の後方から、遮蔽物に隠れ。

 支援攻撃を行う、騎兵隊員と傭兵達に向けて音波魔法を撃ち放つ。



「撃って来るぞっ! 隠れろっ!」


「ヤバイッ! 身を隠せっ! 狙われているぞ」


 ビョルンに、音波魔法で攻撃された騎兵隊員と傭兵達。

 連中は、遮蔽物である樽と鉄板の陰に隠れて攻撃を耐え忍ぶ。



「良いかっ! このまま前進するぞ」


 そして、魔法で攻撃を行い続けるシャリルとビョルン達。

 二人の側まで、パヴィスを構えて前進する八人は直ぐそこにまで迫っていた。



 一方、崖上のジョージとミリカ達は、眼下の騎兵隊+傭兵達に苦戦していた。

 二人は、人間達が死に物狂いで抵抗して来るとは想像もしていなかった。



『ヒュッ』 


「はっ!? まだ撃って来るのか?」


「中々・・・撃ち返せないわねっ!」


 飛んでくる沢山の矢と魔法と銃弾により身動きが取れないジョージとミリカ達。

 二人は気づいていないが。

 騎兵隊員と傭兵達は、遺跡の階段を静かに登り上がり。

 二人の裏をかこうと近づく。



「良いか? 行くぞ・・・」


 五人組の傭兵達は遺跡の階段を登り終えると。

 階段から顔を出して、崖の淵際で体を伏せている二体のアンデッドを確認する。



「撃て・・・」


 クロスボウと短弓を構えた二人の傭兵達が。

 油断しているジョージとミリカに矢を放つ。

 それは、暗闇を静かに飛翔して行く。



『ヒュッ』 『ヒゥュッ』


「あっ!?」


「なっ何!?」


 ジョージは首の後ろに矢が刺さり。

 ミリカは背中の腰当たりに矢が深く刺さり。

 二人とも、背中からの突然の攻撃に驚き後ろへ振り替える。



「背後を取られたのかっ!?」


「逆に奇襲を掛けてきたっ!」


 ジョージとミリカ達はそう言い放つと。

 矢を放った敵に向けて、即座に魔法を放ち反撃する。



「ダークボール」


「フレイムボール」


 二人が魔法を放つと。

 弩兵と弓兵は階段に頭を引っ込めて陰に隠れ。


 その間に大剣を持つ傭兵。

 短槍を構える槍兵。

 モルゲンステルンを構える戦士。


 この三人で、一斉に駆け出しながら、ジョージとミリカ達に迫る。

  


「ダークボール」


「フレイムボール、フレイムボール」


 魔法で反撃するアンデッドの二人であったが。

 ジョージの放った暗黒魔法は、軽く回避されてしまい。

 ミリカの放った火炎魔法も、傭兵の持つ大剣で弾かれてしまう。



「コイツ等、アンデッドは背中から矢が刺さっても中々死なないなっ!!」


 大剣を両手に構えた傭兵は、そう言って走りながら近づいて来る。

 魔術師との戦いに慣れているのか。

 傭兵は怯む事無く、素早く移動し接近して来る。



「ミリカ白兵戦だっ! 腰から剣を抜けっ!」


「ええっ! ジョージ串刺しにして上げましょう」


 やむを得ず、二人は剣を腰の鞘から抜き取り。

 敵である、三人の傭兵達と白兵戦を展開する。


 ジョージには大剣を装備した傭兵が迫り。

 彼の頭をスイカの様に真っ二つに裂いてしまおうと、大剣を頭上から振り下ろす。



「がっ!!!」


 それを両手でショートソードを構えて、受け止めるジョージ。

 更に今度は横から短槍の鋭い突きが放たれる。

 槍の切っ先は鎧を貫通出来なかったが。

 彼の体勢を崩し、そこを再び傭兵の大剣が襲う。



「殺られるかっ!」

  

 ジョージはダンゴムシ型のラウンドシールドを展開し。

 上から振り下ろされる大剣の攻撃を受け止める。  



「ジョージッ!?」


 劣勢に立たされるジョージを心配するミリカ。

 その頭上には、戦士のモルゲンシュテルンが振り回され。

 間一髪の所で、彼女はそれを避ける。



「コイツ・・・意外に素早いっ!?」


 ミリカは戦士の隙を突いて、レイピアで胸に風穴を開けようと。

 勢い良く刺突を繰り出すが、横から不意に矢が飛んでくる。



『ヒュッ』


『ヒュゥ~~』


「ぐぅっ!」


 ミリカの左腕に矢が刺さり。

 彼女が左腕に気を取られた、一瞬の隙に戦士はモルゲンシュテルンを振るう。



「クタバレッ!」


 戦士は一言そう言うと、モルゲンシュテルンを右横から振り回し。

 ミリカを吹き飛ばしてしまう。



「がはっ! ・・・」


 地面に吹き飛ばされたミリカは、戦士がモルゲンステルンを振り回した時。

 モルゲンシュテルンの棘が体に数ヶ所に刺さり。

 複数の穴が開いて負傷してしまう。



 ジョージ達アンデッドのパーティーは絶体絶命の窮地に陥っていた。

 その様子を観察する陰が、トンネル内にら二つ程あった。

 そして、謎の陰は動き出す。

 


「随分劣勢に立たされているわね」


「早く助けに行かなければな・・・」


 そう言って洞窟内を駆け出す、二つの影。

 その影は黒い短弓とラッパ銃を、それぞれ構えていた。

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