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目指した場所まで後少し・・・


 ジョージ達は歩いて目指す。

 東端のトンネルを。


 彼等、アンデッドの一団は魔物を倒しながら進む。

 現在地は、東端のトンネルの手前の山岳地帯を行軍している。

 目的地、東端のトンネルまでは後少しの距離である。



「リーダー、次に行商人に出会った時の為に魔物の皮や角を取って置いてはどうでしょうか?」


「あ? アレリオ・・・何でだ?」


 アレリオは進言するが。

 ジョージは頭に疑問が浮かぶ。

 何で倒した魔物の体の一部を保管しなければ成らないのかと。



「人数も増えて来ましたし、少し位なら余分な荷物も運べるかと」


 怪訝な顔をするジョージの質問に、アレリオは答える。

 だがそれでも、彼は納得が行かず。



「だから何で皮や角を・・・」


「武器や防具を強化できる上に、商人に売れば、道中の軍資金に成るからですよ」


 アレリオにそう言われた、ジョージはビクッと震え。

 あ、成る程と体中に電撃が走ったように思った。



「・・って言うか、それフォールアウトやデッドアイランドで散々やって来た事じゃねーーかっ! 何やってんだ俺っ! ・・・倒した魔物の材料が勿体ないだろうがっ!」


 と急に言い出して頭を抱えてしゃがみこむジョージ。

 それを見ていた、ミリカはあの馬鹿はまた何を考えているのやらと思い。

 呆れた視線をしゃがみ込む彼へと向ける。



「はぁ~~仕方無いかぁっ!」


 そして、ミリカは長く溜め息を吐くと。

 しゃがんだまま下に俯いている、ジョージに話し掛けた。



「おーーいっ! ゾンビオタク君は何をいじけて居るのかな? お姉さんに話なさいっ!」


「あぁっ!? ・・・なっ! 何だよっ! ・・・いきなりビックリするだろう」


 背後から、ミリカに話し掛けられたジョージは、驚きの声を上げる。

 急に後ろから声がしたので、彼は驚き。

 彼は危うく、しゃがみ込んだまま前方に倒れそうに成った。



「別に、そこまでいじけてねぇよっ!」


「なら・・・トンネルまで行きましょうよ、キャロルちゃんは待ってはくれないわよっ」


 強情なジョージに、ミリカはそう話し掛けると。

 いじける彼を放って置いて、先に歩き出した。



「あっ待てミリカっ、ふぅ~仕方無いな俺も行くか・・・皆っ行くぞ」


 ジョージ達は、トンネルへと向かう為に出発する。

 彼等は歩く。

 険しい道無き道を。

 この山岳には、岩も小石も無かったのだが。

 独特な起伏の激しい山地を、アンデッドのパーティーは進むのに、一苦労する。


 そして、山岳地帯を越えたジョージ達アンデッドのパーティー。

 彼等は遂にたどり着く。

 この島・・・夢の島と呼ばれる一旗上げようと。

 山師やトレジャーハンター等が集まる、この島の東端のトンネルに。



「遂に、トンネルに・・・」


「たどり着いたわね・・・」


 ジョージとミリカ達は、下から見上げる。

 巨大な崖と。

 そこに、大きな魔物が口を開けているように感じる不気味なトンネルを。


 崖だけでなく、トンネルもホーンエレファントが、余裕で通れそうな程の大きさだ。

 その中は、真っ暗くて外からは何も見えなかった。



「さっさと中に入るとするか・・・」


「そうね・・・邪魔な魔物が居ないと良いけど・・・」


 ジョージとミリカ達は共に洞窟内へと入ろうとするが。

 彼女は、中に魔物が沢山居ないかと思い、口から不安が零れ出た。



「リーダー、お姉さま、大丈夫ですよ・・・このトンネルは非常に長く、内部には遺跡等も有りますが、基本的には魔物は住み着いておりません」


「なら、さっさと入りますか・・・さあ、みんなで行こう」


 シャリルが、ミリカを安心させる為に説明をして教えてくれた。

 そして、ジョージは先頭を歩く。


 その後ろには、ミリカ、アレリオ、シャリル達と続き。

 リュージン、ニウ、ビョルン達は、左右と後方を警戒してトンネル内部を進む。


 トンネル内部には、魔物や人は居らず。

 がらんとした、巨大な空洞が広がっているのみであった。


 青灰色のトンネル内を暫く進むジョージ達アンデッドのパーティー。

 その眼前に、今まで通って来たトンネル内部の道とは違う、広々とした空間に出た。


 その空間には、右手に遺跡の建物が幾らかと高い崖があり。

 階段で建物や崖の上まで登って行けそうであった。

 左手には深い崖があり。

 崖側の方には、天井まで届く螺のような螺旋状の登り道がついた岩の柱が三本あり。

 その柱には、崖上まで続く岩の石の橋が掛かっていた。



「さて・・・みんなで作戦を立てようか」


「そうね、でも本当にキャロルちゃん達はここを通るのかしら? もしかすると・・・もう既に通り過ぎちゃって港町まで行っちゃってるって事は・・・」


 ジョージは作戦を立て。

 この場で待ち構えて、騎兵隊に奇襲攻撃を仕掛け様かと考えたが。

 ミリカは、既にキャロルを含む騎兵隊に先を越され。

 この場所は、既に通り過ぎてしまったのでは無いのかと、不安に成る。



「お姉さま、その心配は御座いません、我々は最短ルートを一直線に歩いてきたのです・・・なので騎兵隊に追い付かれているはずが有りません」


「左様、まだ奴等は迂回ルートを馬で走っている所で御座いますじゃ、ここに奴等が着くのはまだ大分後じゃろうな」


 シャリルとリュージン達は、騎兵隊とキャロルに先を越されたのでは。

 と、心配するミリカを説得して落ち着かせた。



「さっ! ・・・それより作戦だ罠や人員の配置考える事に、やることは、いっぱい有るぞ」


 ジョージは、みんなに作戦の準備の指示を出し始めた。

 騎兵隊を罠に嵌め、目標のキャロルを仕留めて仲間アンデッドに引き入れる為に。

200話までは今日中に上げるね。

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