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二人が帰って来ると・・・


「おっ! 二人が帰って来たぞ」


「はぁーーやっとご飯が食べられる、ふぅ~~」


 ジョージとミリカは肩の力を脱力する。

 向こうから、大きな麻袋を背中に抱えたシャリル。

 それと、細長い木箱を両脇に抱えたリュージンが、来るのが見えたからだ。



「帰って来たかっ! シャル、何を買って来たんだ?」


「肉ぅ? それともチーズッ!」


 アレリオとニウ達は、帰って来たばかりの二人を歓迎するが、ある男はと言うと。



「何でも良いから早く、僕に食べさせてくれ」


「ふふっ? 皆さん慌てないで大量に保存食を買って来ましたから」


 ビョルンは、待ちきれないとばかりに子供の様に文句を口から吐く。

 そして、シャリルは微笑みながら袋を地面に下ろす。 



「シャリル殿、買いすぎでしたぞ・・・」


 リュージンは一言、シャリルに愚痴を言うと。

 運んできた木箱を、そっと地面に下ろした。



「そんな事は有りませんよ、リュージンさん、食料品なんて直ぐに消えてしまうんですから・・・それとリーダー、買って来た食料品はこれなんですが・・・」


 シャリルは愚痴る、リュージンとジョージ達にそう言うと。

 袋の中から、大量のチーズとリンゴと蜜柑等の果物を取り出す。



「他にはこれも・・・」


 彼女はそう言うと。


 ローストビーフの燻製。

 ソフトビーフジャーキー。

 ベーコン。

 ポークジャーキー。

 サーロインジャーキー。

 牛肉ハム。


 これ等を奥から取り出し始め。


 更に奥から。


 サーモン・スモーク。

 ニシン・スモーク。

 ウナギ・スモーク。

 干しタラ。

 塩タラ。


 等々を取り出す。



「後は漬物にピクルスと発酵ピクルスやサワークラフト、ビーツの酢漬け、オリーブの塩漬け、ケッパーの塩漬け、等・・・」


 シャリルが、一通り購入してきた食料品の種類を説明すると。

 大人しく説明を聞いていた、アレリオは。



「やったーーオリーブの塩漬けか、懐かしい故郷の料理がこんな所で食えるなんて感激だぜっ!」


 はしゃいで歓声を上げて喜ぶアレリオ。

 その背後に立つ、ビョルンはとある物が無いかと言い出した。



「シュールストレミングは・・・有るかなな?」


 ビョルンは、シャリルに故郷の料理を有るかと聞いて見たのだが。

 勿論だが、彼女の答えは。



「有るわけ無いでしょう・・・あんな臭いっ! ニシンの漬物何て・・・」


「そんなぁ~~・・・」


 シャリルの怒った表情と言葉にビョルンは、しょんぼりと力無く落胆してしまった。



「ビョルン、元気だしてっ! ほら、ニシンのスモークなら有るからっ!」


 ニウは、項垂れているビョルンを励ます。

 その様子を端から見ていた、ジョージとミリカ達は。



(・・・まあ~~聞くところによると? シュールストレミングは大分匂うからな・・・くさやの十倍の臭さだって言うから相当な匂い何だろうな・・・)


(・・・以前、向こうの世界でシュールストレミングを芸人アンタッチャブル山崎が島田紳助に無理矢理食べさせているのを見たけど相当臭そうだったわね・・・私が嗅いだら・・・きっと気絶するわね・・・)


 ジョージとミリカ達は落胆する、ビョルンを他所に、過去を思い出し。

 シュールストレミングは、やはり臭そうだと考えていた。



「リーダー殿、ミリカ殿、ワシは飲み物と武器を購入して参りましたぞ」


 リュージンは、右の細長い木箱の蓋を開けて中の小瓶を一本取り出して二人に見せる。



「これはレモネードに御座います、他にはエールにスタウト、リンゴと蜜柑と葡萄のジュースに紅茶と緑茶を購入致しました」


「うーーん~~飲み物も揃ったな」


「これで、晩餐の準備は出来たわねっ!」


 リュージンの購入してきた飲み物。

 それを見て、ジョージとミリカ達は顔をニヤけさせて喜ぶ。



「武器は爆弾が無かったので、変わりに火焔瓶を数本と煙玉を四つと・・・後は注文表に載っていた簡易地雷を購入して来ました」


「簡易地雷って・・・?」


 シャリルの説明に、ミリカがそう聞くと。

 丁寧に簡易地雷の事を、彼女は説明し始めた。



「小さな木箱に火薬を詰めた物を数個、地面に設置するか埋めるかしてそれらに繋いである導火線に火を付けて爆発させる兵器ですじゃ」


「コイツが有ればトンネル内で待ち伏せ出来るな・・・」


 リュージンはそう答えると。

 ジョージは一言小さな声で呟いて、小さな木箱を手に取り見つめる。



「リーダーー、お姉さま~~ご飯にしましょうよ~~」


 ニウが、ジョージとミリカ達に御飯のしたくが出来たと上機嫌で声を掛けてきた。



「うんっ! そうだな、そうするか」


「私達も、お腹減ったしねーー」


 ジョージとミリカ達は、みんなと食事を始め。

 ベーコンやチーズを、沢山食べ盛りの子供の様に頬張りつつ食べる。



 その後は、みんな腹がいっぱいに成るまで食べて飲んだ。

 それから、食事が終わると再び移動を開始した。



「待ってろよ、魔法少女・・・」


 ジョージは一人小さく呟くと。

 先頭を歩き始め、皆仲間達も彼の後に続いて歩いて行く。

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