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今度は喉が渇いたな


「戦利品を・・・と、それより先に喉が渇いたな?」


「ブラッドカクテルなら、ここに?」


 ジョージは口の中と喉が粘ついた感じがしたので、水分を補給したいと思った。

 そんな、飲み水を求める彼の側にミリカは近づいて、水筒を差し出すが。



「いや、気持ちは有り難いが今は普通の水が飲みたい気分だからな」


「そう? それならーー」


「リーダー、水なら私が・・・」


「交易所からは、フルーツ・ジュースも見つかりましたが」


 ゾンビである、ジョージは吸血鬼であるミリカと違い、余り血液を求めない。

 いや、正確にはアンデッドであるが故に、ゾンビもまた人間の血肉は好みだ。


 しかし、それは彼自身に取っては吸血鬼ほど欲する物でない上、単純に好みでもないのだ。


 そんな二人のやり取りに、シャリルとアレリオ達が気を利かせて飲料を用意し始める。



「うん、悪いな・・・」


 慌てて、荷物の中からジュース類を探す二人を前に、ジョージは申し訳なく思う。

 それは、自身の我が儘に彼等を付き合わせてしまったからだ。



「リーダー、それより先に進みましょう? 魔法少女を追うんでしょう」


「リーダー殿、こやつはどのように処刑しましょう」


「リーダー、私も早くダンを振り回したいですしっ!」


「だって・・・どうすんの、ジョージ?」


 リーダー、リーダーと仲間達から指示を求められる、ジョージ。


 ビョルンは先を急ごうと急かし、リュージンは捕虜となったカブラルの処刑を求む。

 ニウも同様に処刑したいとガッツポーズを取り、ミリカは皆と共に尋ねてくる。



「あーー! いっぺんに話し掛けて来んなっての? 取り敢えず、今は飲んでからだって」


 そう言いつつ、ジョージはリンゴジュースが入った瓶の蓋を噛む。

 そして、蓋を咥えたまま開くとペッと地面に捨てた。



『ゴッゴッゴクッゴク? ゴフッ!』


 勢いよく、オレンジジュースを飲み干した、ジョージ。



「よし、取り敢えずは捕虜の相手をしようか」


 ようやく、ジョージはカブラルの相手をしようと動き出した。



(・・・さて? コイツはサクッと仲間にしようか? そうした方が良いかな・・・)


 等と考えつつ、ジョージはノロノロと歩く。



(・・・いや? どうせ殺して仲間にすんだし~~? ・・・)


 そう思いながら歩く、ジョージの前でビョルンとリュージン達が、何かガサゴソと動く。

 二人は、どうやらカブラルの荷物を漁っているようだった。

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