悪墜ち前の下ごしらえ
「さあ~~お次は、また私達が貴女を味わう番よ」
ミリカはそう言うと。
シニッカの灰色コートを後ろから掴む。
更に、下に着ている、青いベストと白い割烹着を抱く。
「シニッカちゃんの? お腹はムニュムニュしてて柔くて暖かいなぁ~」
「はっ! 嫌っ! 何するのっ!」
ミリカが、シニッカの腹を揉みしだく。
「嫌がっても無駄ですよ、私もニウもかつてはお姉さまに逆らい、愚かにも戦いを挑み敗北しました、その後は御覧の通りのお姉さまに忠実な妹分と化してしまいました♥」
「そうそうっ! アタシもミリカお姉さまに、人間の血液の美味しさと~~アンデッドの肉体の素晴らしさ、そして女の子同士の絆の美しさを教えて頂いて、とーーっても感謝しているの♥」
きゃっきゃ、ウフフと騒ぎ。
シャリルとニウ達は、二人揃って顔を赤らめつつ、嬉し恥ずかしそうに語る。
シャリルは目を瞑り。
頬に両手を当てて、嫌ん嫌~~んと体を揺らし。
恥ずかしそうに、シニッカへ向けてそう言った。
ニウも、シニッカの後ろから左手で頭を撫で。
自らの右手の人差し指で、彼女の左腕をつぅーーとなぞり、耳元で囁く様に言った。
「いっ!? ・・・イカれているわ・・・」
「イカれているわ? ・・・ですって? ・・・そんな事を言う子には、もっとブラッド・カクテルを飲んで気持ち良~~くなって貰いまーーすっ♥」
ボソッと呟いたシニッカの言葉を聞いた、ミリカ。
彼女は、水筒を取りだし、蓋を開く。
そして、ミリカは水筒を、シニッカの口へ近づける。
「お願い、シャリルちゃん、ニウちゃん、ちょっとの間シニッカちゃんを押さえつけて置いてね」
ミリカが忠実な僕である、シャリルとニウ達へと頼むと。
二人は喜んで、顔に邪悪な笑顔を浮かべて命令に従った。
「はいっ! お姉さま、シニッカさんにはブラッドカクテルを入れて良ぉーーく味わって貰ですね」
「お姉さまっ! 彼女もきっとブラッドカクテルを飲んだら、甘味と深みの有る味を気に入って病み付きに成るでしょうね」
シャリルとニウ達はそう言うと、シニッカの頭を押さえつける。
シャリルは、シニッカの顎と前髪の辺りを押さえつけ。
ニウは両手を頬に添えて、ガッチリと固定して動けなくるする。
「やっ! 止めっ!? あがが・・・」
シニッカは顎を、シャリルに押さえつけられ。
口を無理矢理に明けられて居るので、喋る事も抵抗する事も、まま成らなかった。
「それじゃあ、一気にぃ~~? 一気まーーすっ♥」
「ぃあっ! むぐっ!? 『ゴポゴポゴポッ』ゴクゴクゴク、ンーーンんーー~~」
ミリカに、吸血鬼の血を混ぜられた、ブラッドカクテルを再び飲まされる、シニッカ。
彼女は、ブラッドカクテルを無理矢理に味わされる。
普通の酒よりも、強い血液の苦味とアルコール度数のブラッドカクテル。
これを飲まされた、シニッカは口から水筒が離されると大きく息を吐いた。
「ぷはぁーー? はぁはぁ・・・うん?」
「じゃあ、後はサクッとね?」
シニッカは、酒を強引に飲まされた事で苦しがっていた。
そんな彼女の胸に、ミリカは一気にレイピアの切っ先をブッ刺した。