鴨が葱を背負ってやって来た・・・
ジョージとミリカ達。
彼等は、目の前に立つ、二人の人間達に話し掛ける。
なんと、二人の人間達は、ジョージ達の正体にまだ気がついていないのだ。
「二人とも雇って、給料はちゃんと支払うさっ! 金じゃなくて肉と血でなあっ!」
「そっ! 二人には私達アンデッドの仲間に成って貰いまーーすっ! クスクス・・・」
ジョージは、顔の包帯を取り不気味な笑みを浮かべ。
ミリカは、クスクスと軽薄な笑みを浮かべながら二人にそう言った。
「はっ!? お前らわあーーーー!?」
「アンデッドっ! 何でっ!?」
大柄な褐色肌の男。
明るい金髪の小柄な女性。
二人は、ジョージとミリカ達の正体に驚き。
焦りながらも武器を構える。
その周りを、アンデッド七体が囲む。
「お前らは死んだら、仲間に入れてやるよっ」
「ジョージぃ~~あの金髪ちゃんは私に頂戴よぉ~~」
ジョージとミリカはそう言うと。
早速二人を殺し、アンデッドに変えて、仲間に加えんと遅い掛かる。
「ぐっ! 誰がお前らの仲間に成るものかっ!」
「死ねっ! 私達は絶対に、アンデッド何かには成らないっ!」
威勢の良い人間達はそう言うと。
直ぐ様武器を構え、ジョージとミリカに攻撃を加える。
「喰らえっ!」
『ドォンッ』
「ぐわあーー」
ジョージはラッパ銃で撃たれ。
黒く丸い複数の散弾に、後方へと吹き飛ばされてしまう。
「ジョージッ!?」
「貴方はこっち」
『ヒュッ』
ジョージの身を案じて、背後へと振り向いたミリカの横顔に向け。
素早く矢が射ち込まれる。
「ぐうぅっ・・・」
それを、ミリカは咄嗟に左腕で防御し、左手の甲に矢が刺さる。
そして、彼女は良くもやってくれたなと怒りの表情を見せる。
「ミリカ俺は無事だっ! 皆っ! そいつらを逃がすなっ!」
ジョージの体は、頑丈な鎧を纏っていたおかげで大した怪我は無く。
顔にも、命中したラッパ銃の散弾は幸いにも、下顎に数発当たっただけであり。
脳を傷付けておらず、その身は無事であった。
「リーダーの御命令だっ! 大人しく死ねっ! 人間どもめっ!」
「貴方達も、リーダーとお姉さまのお役に立てるのです、身に余る光栄に感謝なさいっ!」
アレリオは、モンタンテを両手で強く握りしめ。
大柄な褐色肌の男を目掛けて、振りかざす。
シャリルは、メイスを明るい金髪の小柄な女性に向けて振るいながら襲い掛かる。
「殺られてたまるかぁーー!」
「囲まれてるわねっ・・・」
アレリオに、モンタンテで襲われた、大柄な褐色肌の男。
彼は両手でラッパ銃を掴むと。
自らに振り下ろされる、モンタンテをラッパ銃の銃身で受け止める。
シャリルに襲われた明るい金髪の小柄な女性。
彼女の方は、灰色の軍服の下に隠していた、武器を取り出す。
それは、小型で木製の柄に美しい彫刻が施されたナイフだ。
そのナイフを振るって、メイスの重たい一撃を何とか受け止める。
ラッパ銃を手に持つ大柄な褐色肌の男。
彼は、アレリオのモンタンテと自らはラッパ銃で、鍔ぜり合いに成っていたが。
アレリオを力で無理矢理、押し倒し。
襲い掛かる他のアンデッド達を、ラッパ銃のストックを振るって。
上部に取り付けてあるバヨネットを振り回して。
激しく暴れまわりながら、逃走を図る。
小型ナイフで、シャリルの振るったメイスを受け止めていた明るい金髪の小柄な女性。
彼女は、ナイフを一旦、自らの方に引き。
メイスを力強く押し付けてくるシャリルの体勢を崩し。
隙にできた脇腹をナイフで斬り付け、大柄な褐色肌の男に続いて逃走を図る。
「アタシが逃がしはしないわよっ!」
「お前達はこれでも、喰らえっ!」
『ドドドドドドドドドドーー』
ニウは、ダンを大柄な褐色肌の男の頭に目掛けて鋭い殴り打撃を放つ。
ビョルンは、ニッケルハルパで明るい金髪の小柄な女性に、音波魔法を連射する。
「邪魔だっ! 東洋の女戦士っ!」
「がっ!?」
大柄な褐色肌の男は、ニウの一撃を素早く回避し。
逆にラッパ銃のストックで、ニウの顎に強烈な打撃を撃ち込む。
それを、まともに喰らったニウは、舌を噛んで口から血を流す。
「どきなさいっ! アンデッドの音楽家っ!」
明るい金髪の小柄な女性は横に跳び跳ね。
ビョルンの音波魔法による、連続攻撃を回避し終えると。
素早く弓を引いて、ビョルンに矢を放つ。
「はっ!?」
ビョルンの右肩に矢が刺さる。
その後も、二人の人間達はジョージ達から逃れようと走る。
大柄な褐色肌の男が、ラッパ銃で敵を殴り、活路を開き。
明るい金髪の小柄な女性は、弓を射ち。
追い掛けて来る、ジョージ達アンデッドを牽制するが。
「御二方・・・もう一人、アンデッドが居るのを忘れて為さらぬかのぉ~~」
そこに、リュージンが逃げ回る二人の人間達の前に不意に現れ。
強敵として立ちはだかった。




