象さん倒れてくれよっ!?
「ダークボール」
ジョージは、ホーンエレファントの左目を狙い。
素早く暗黒魔法を放つ。
掌から放たれた暗黒球は、勢い良く飛んでいく。
「パオーーーーーーー!?」
ジョージが、手をかざした動きを見た、ホーンエレファント。
奴は本能で危険を察知したのか。
頭を左にずらし、放たれた暗黒魔法を避けられてしまった。
「パオーーーーーー」
ホーンエレファントは、ジョージを長い鼻で下から弾き飛ばし。
夜空に高く、舞い上げる。
「あーーーーああーー~~~~~」
(・・・この象さんとの戦いは? まるでワンダと巨像見たいだな・・・ワンダと巨像のゲームはやった事ないけど・・・)
空中に投げ出されたジョージは、宙を舞いながらも頭の中で考える。
そして、落下しながら彼は、ホーンエレファントの登頂部を睨み。
その中心を目掛けて暗黒魔法を放つ。
「ダークボール、そしてっ! これでもくらえぇ~~!?」
「パオーーーーーーーー」
暗黒魔法でホーンエレファントの登頂部の中心に傷を付け。
そこに、ショートソードを突き刺そうと剣を前に突きだして構えつつ。
落下の勢いで加速する速度を利用したジョージ。
彼は、ホーンエレファントの登頂部まで落ちて行く。
「象さんよっ! 今度こそ、止めを刺すぞっ! 死ねえぇーーーーーー!!」
落下する中ジョージは怒声を張り上げ、そう叫ぶと。
ホーンエレファントの傷付いた登頂部に、ショートソードを突き刺した。
「ーーーーーーーーーーーー!?」
ホーンエレファントは、突然の痛みに驚きと苦痛の表情を同時に見せ。
痛みから逃れようと、体を激しく揺さぶり。
頭から、ジョージを振り落とそうともがく。
「パオーーーーーーーー」
「くうぅ~~」
ジョージは、ホーンエレファントから振り落とされまいと。
両手でホーンエレファントの頭に突き刺した、ショートソードを力強く握り締める。
「パオーーーーーーーンッ!!」
痛みで泣き叫び体を激しく揺さぶるホーンエレファント。
奴は、遂にジョージを振り落とす。
「ああーー」
振り落とされたジョージ。
彼は、ホーンエレファントの右足に掴みかかり、滑り落ちて行く。
「だっ!」
ズザザーーと言う音を立てて滑り落ちて来たジョージ。
彼は、急ぎホーンエレファントから離れようと逃げ出す。
「パオーーーーーーーーーーーン」
ジョージを逃がすまいと。
ホーンエレファントは、彼を踏み潰さんと左足を高く上げるが。
『ドンッ』
『ヒュンッ』
「パオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!?」
ホーンエレファントは、不意に訪れた尻の痛みに堪え切れずに驚き。
もがき苦しむ暇も無く、尻尾を巻いて、何処かへと逃げ出して行った。
「おいっ! 危なかったな?」
「あんた達は、前にも助けたわよね?」
遠くの右側の谷上から二人組の謎の人物達の影が現れる。
彼等は、ジョージ達に声を掛けてきた。
「あっ! お前達はっ!?」
「貴方達は? この間の・・・?」
ジョージが二人組の姿を見て呟くと。
隣に、ミリカが来て、彼女も二人組の人物を見て言った。
「まあ~~何だっ? ここから話し合うのも何だし・・・そちらで話をしよう」
「その方が良いわね~~今そっちに行くから待っててね~~」
ラッパ銃を持つ褐色肌の大柄な男。
明るい金髪の弓を構えた小柄な女性。
二人は、そう言ってジョージ達に近づいて来る。
「あっ! 包帯、包帯」
「はいっ! ジョージ、動かないでね・・・あの二人が、こっちに来ると思って包帯を持ってきて正解だったわね」
包帯を無いのかと慌てるジョージ。
彼の顔に、ミリカはそう言いながら包帯を巻いていく。
「すまない・・・ミリカ」
「良いのよ、それよりこっちに来る二人の人間を何とかしましょう」
ジョージのゾンビ顔、左半分の傷が付いている部分。
そこに、包帯をミリカに巻いて隠して貰い。
アレリオやニウ達も、ホーンエレファントとの戦いで負傷したように装い。
顔や体に包帯を巻いて、アンデッドらしい部分を隠していく。
そして、二人の人間達は、ジョージ達の所に向かって来る。
ホーンエレファントが暴れて、鼻を振り回して、崩した谷の岩壁。
そこは、落石と土砂崩れして、積み上がった土砂と岩石が山積みに成っていた。
その土砂崩れした場所を、二人は階段のように下りて駆け寄って来た。