象さん、やっと頭に剣を刺すぞっ!!
ジョージ達三人を薙ぎ倒さんと。
ホーンエレファントの長い鼻が横から鞭の様に迫り来る。
「またあの長い鼻が来るぞっ! アレリオ、ニウッ! 気をつけろっ!」
「リーダー分かってますよっ!」
「はいっ! リーダーアタシも分かってます」
ジョージが叫ぶと。
アレリオとニウ達は回避しようと膝を曲げ、ジャンプの準備を始める。
「鼻が来たぞっ!」
ジョージが叫ぶと。
ホーンエレファントの長い鼻が、右横からジョージ達を押し潰す壁の如く迫る。
「よっと」
「はっ!」
「ふっ!」
ジョージ、アレリオ、ニウ達。
この三人は高くジャンプして、ホーンエレファントの鼻を避ける。
ホーンエレファントの長い鼻をジャンプで回避した三人。
彼等は、またホーンエレファントの長い鼻を使い攻撃して来る前に、走り出した。
だが走り出したジョージ達を目掛け。
今度は、左斜め上から奴の長い鼻が鉄パイプの如く振り下ろされる。
「ヤバイよ、ヤバイよ、ヤバイよっ!!」
「リーダーーーー!?」
リアクション王、出川哲朗の如くジョージは取り乱す。
そんな彼を、ホーンエレファントからアレリオは庇い。
前に出て、奴の長い鼻にモンタンテを使い。
縦斬りの傷を入れるが。
「パオーーーーーーーーン」
ホーンエレファントは縦に入れられた傷を気にする事なく。
そのまま長い鼻を叩き付けるのではなく。
鮭を捕まえる樋熊の腕の如く叩き付け、ジョージ達を空中に吹き飛ばす。
「うあああぁっ!!」
「あああぁ~~」
「いやぁーーーーーー」
宙を舞う、ジョージ、アレリオ、ニウ達に強い風が吹き。
三人はそれぞれ地面に激突するが。
風のおかげで衝撃が和らぎ。
無事とまではいかないが、大きな怪我を負う事は無かった。
「リュージン、有り難うっ! また、お前に助けられたな」
ジョージが遠くに居るリュージンに向かって、大きな声で礼を述べると彼は。
「リーダー殿、皆様方っ! 礼よりも早く逃げなされっ! 次の攻撃が来ますぞっ!」
「はっ? うわっ! また来たあーーーー」
そう叫んで、皆に警告を発するリュージンであったが。
その言葉を聞いて、後ろに振り返ったジョージは叫ぶ。
ホーンエレファントはまた右から長い鼻を振り回し。
ジョージ達、三人に攻撃を加えようとする。
長い鼻は縄跳びの縄の如く、右横から迫り来る。
「リーダー、ここはアタシにお任せあれっ」
ニウは、ホーンエレファントの右から迫り来る鼻を狙い。
ダンで左右から殴るのだが、奴はびくともしない。
その上、鼻を地面に擦り付けながら土煙を巻き上げ、ジョージ達に迫る。
「効かない!?」
ニウは二発殴った後、打撃が効かないと分かると。
直ぐに鼻の上までジャンプして、向こう側に着地して回避する。
「クソッ! これじゃあ、まともに動けないぞ」
『ドドドドドドドドドーー』
「サンダーショット」
ジョージが、ホーンエレファントの鼻による攻撃に困って居ると。
そのホーンエレファントの顔面に、複数の魔法が飛んできて攻撃を牽制する。
「パオーーーーーーーーーーーー」
「みんなぁっ! このままジョージ達を援護して、あの象さんの顔面に攻撃を集中させるわよっ!」
ミリカが、仲間達に指示を出し。
魔法攻撃による援護を、ジョージ達を支援する為に行う。
「ミリカ、有り難う助かったよ」
「フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール、ジョージあんたはそんな事を言うより他にやる事が有るでしょ、ほらっリュージンさんに合図をっ」
ジョージが礼を言うと。
魔法を連続で放ち続けるミリカは、合図を送れと、彼を急かす。
「ミリカ、そうだったな・・・よしっ! リュージン今だっ! 風魔法を頼むっ!」
ジョージは遠くで、風魔法を放ち続ける、リュージンに向かって叫ぶと。
「待ってましたぞ、リーダー殿っ! では、行きますぞよっ! エアーストーム」
リュージンは風魔法を詠唱して風を起こす。
起こされた風はやがて強風に変わり。
ジョージの体をフワッと持ち上げる。
「おしっ! 行くぞっ! 象さんっ!」
宙を強風に乗ってジョージは舞う。
そして、彼はホーンエレファントの牙の部分まで目指して風に飛ばされて行く。
そんなジョージを狙い。
ホーンエレファントは、蚊を叩き落とすように、下から長い鼻を丸め。
無防備な彼を、ベチッと叩く。
「うわっ!?」
ジョージは叩き付けられた勢いで、ホーンエレファントの登頂部まで飛ばされて行く。
「ああぁ~~~~ーーーー」
(・・・ん? このまま行けば・・・)
ジョージは飛ばされて行く中で思う、このまま上手く行けばと。
ショートソードを突きだして構え、そのまま登頂部まで飛ばされると。
彼は、ホーンエレファントの額に、ショートソードで斬り込みを入れる。
「パオーーーーーーーーーーン!?」
ホーンエレファントは、額を斬られた痛みで泣き叫ぶ。
そして、ジョージを鼻を振るい。
左横から、バチッと大きな音を立てて叩き落とす。
「落ちて堪るかよっ! 俺はしぶといぞっ!」
叩き落とされたジョージは、ショートソードを握り。
ホーンエレファントの頬から、うなじに掛けて斬り込みを入れつつ落ちて行き。
右側の牙の上に落ちる。
「次に斬り込みを入れるのは、頭の天辺だっ! 象さんめっ!」
ジョージはそう言ってホーンエレファントの右の牙から鼻へとよじ登り。
奴の眼を狙って暗黒魔法を放とうとする。