象さん暴れるっ!?
「パオーーーーーーーーーーンッ!!」
自らの強大差、狂暴性。
それを、ジョージ達アンデッドに誇示する為に吼える、ホーンエレファント。
「逃げられないのかっ!?」
「無理よっ! ここまで来たら戦うしか道は無いわよっ!!」
ジョージとミリカ達は、腰に下げている鞘から剣を抜き取り、戦闘体勢を取る。
「パオーーーーーーーーーーッ」
暴れだした、ホーンエレファントは長い鼻を鞭の様に振り回し。
ジョージ達を、叩き潰そうと狙う。
『バチッ!!』
「うわっ! 危ねぇっ!」
アレリオは横に跳び跳ね。
ホーンエレファントの鼻を使った、真上からの叩きつけ攻撃を回避した。
「アレリオっ! 無事なのっ?」
「ああっ! 大丈夫だっ! シャル」
シャリルは、土煙が舞い上る中。
アレリオの声を聞いて、無事を確認すると雷撃魔法を放つ。
「よくもアレリオにぃ~~! サンダーーショットォーーーー!!」
ホーンエレファント目掛けて放たれた雷撃魔法。
それは、巨体に命中するが傷ひとつ付けられ無かった。
「魔法が効かないっ?」
シャリルは自らの放った雷撃魔法の一撃の効果を見る。
それが、ホーンエレファントの巨体に全く効いてない事に驚く表情を見せる。
「魔法が駄目なら、アタシが行くわよっ!」
「なら、僕は援護するよっ!」
『ドドドドドドドドドドドドーー』
ニウは、勢い良くホーンエレファント目掛け飛び出して行き。
ビョルンは、後方からそれを音波魔法で援護する。
「アタシの打撃をくらえっ!」
「パオッ!?」
ビョルンの撃ち放った音波魔法は十数発当たったが全く効かない。
ニウの右足を狙った打撃も全然効いていなかった。
ホーンエレファントは、二人の攻撃に対して、痛くも痒くも無さそうな平気な表情だ。
そして、奴はニウを巨大な前足で蹴飛ばした。
「うわぁぁぁーー!?」
「いけないっ!? エアーストーム」
前足で蹴飛ばされたニウは谷の岩壁まで飛んで行く。
リュージンは、ぶつかった時の衝撃を和らげようと、彼女に風魔法を放つ。
ニウの体に追い風が吹き、そのまま岩壁にぶつかった。
幾分かは、衝撃が和らいだのか彼女は呻き声を上げる。
「うぅぅ・・・」
「ニウッ!?」
ビョルンは、ニウを心配して駆け寄って行く。
そして、今度はリュージンがホーンエレファントに攻撃を仕掛ける。
「ワシは左側から攻めましょう」
リュージンは素早く駆け出して行き。
ホーンエレファントの左足を偃月刀で横一線に斬りつける。
「パオーーーーーーーーーーーーーーン」
リュージンに斬りつけられたホーンエレファントは再び暴れだし始めた。
だが、奴は足を切られ傷が付いたから暴れだしたのでは無かった。
ホーンエレファントの皮膚は分厚い。
リュージンが斬ったのも、分厚い皮膚の表面を本の少しだけしか傷付けてないのだ。
ホーンエレファントが再び暴れだした理由。
それは、ジョージ達の攻撃が自らの体を這い回る虫の様に痒く感じたからだ。
「パオーーーーーーーーーーーーン」
「くっぅ・・・」
ニウは岩壁に強く叩き付けられ地面に倒れていた。
しかし、アンデッドとしての仮初めの命に別状は無かった。
「ニウッ! 無事だよねっ!?」
「ええっ! それより、あの象さんは結構強いわね」
ビョルンは、ニウの体を起こして無事を確認する。
そして、リーダーであるジョージの指示が出る。
「それぞれが勝手に攻撃したら各個に殺られるだけだ、皆連係をとって戦うんだっ! ミリカとシャリルは魔法で援護をっ! 俺とアレリオ、ニウ、は正面から仕掛けるっ! リュージンとビョルン達は両側面から攻撃を仕掛けてくれっ!」
ジョージは大声で指示を出し終えると。
自らも、真正面から戦いを挑み素早く駆け寄っていく。
その横には、右側にアレリオ、左側にはニウが並ぶ。
「リーダー、俺もお供しますよ」
「アタシも着いていきますよ」
「二人共、奴の足と鼻には気をつけような、それと攻撃しながら奴の弱点を探るぞっ!」
アレリオ、ニウ等はそう言いつつジョージの後に着いて行く。
ジョージは、ホーンエレファント目掛けて走る。
一方、援護チームと側面チームは。
「シャリルちゃん、私達も魔法で援護するわよっ! 例え魔法が効かなくても注意を引くくらいはできるからねっ! フレイムボール、フレイムボール」
「はいっ! お姉さま、共にリーダー達を魔法で援護しましょうっ! サンダーショット」
ミリカとシャリル達は魔法攻撃による援護射撃を行う。
そして、両側面に回り込んだ二人は。
「行きますぞっ! エアーカッター、エアーカッター、エアーカッター」
「僕のニウによくも手を出してくれたなっ!」
『ドドドドドドドドドドドドーー』
ホーンエレファントの右側面に、素早く回り込んだリュージン。
左側面へと、回り込んだビョルン。
二人は、両側からホーンエレファントに走りながら魔法攻撃を仕掛けて行く。
「パオオーーーーーーーーンッ!!」
ジョージ達アンデッドの魔法攻撃を受けたホーンエレファント。
奴は、体に張り付く彼等を、蝿の様に五月蝿いやつらだとしか考えてない。
なので、蝿を叩くかの如く、牙や鼻、前足を使ってアンデッド達を攻撃してきた。
181話まで、上げるわ。