どうする? この薬・・・
ジョージ達アンデッドは非常に困る。
先程買った麻薬をいったいどう処分するのかと。
「ミリカ、どうするんだ・・・この麻薬まさか自分で吸うんじゃ?」
「んな訳ないでしょ、さっき言ったでしょう今度捕まえた人間に、この薬を使うのよって」
ジョージのまさかとの問いに対し、そんな訳無いとミリカは答えた。
その理由は捕らえた人間に使う積もりだからである。
「リーダー、ミリカ樣っ! それはともかく敵が来ましたっ!」
アレリオが慌てて告げる。
ジョージ達アンデッドのパーティーはそれぞれの武器を構えて臨戦態勢を取る。
現れた敵は岩石人形だった。
「・・・・・・」
岩石人形は、その名前のままの人の形をした岩の塊の魔物であった。
岩石の堅い体を持つ、岩石人形であったが。
数は三体程で、ジョージ達の敵と成るほどの脅威ではなかった。
「リーダー、ミリカ樣、コイツ等は魔法と打撃に弱い魔物です、だから俺のモンタンテの重みで、ぶった斬って殺りますよ」
そう言うと、アレリオは駆け出して行く。
一体の岩石人形の前で高く飛び上がり。
モンタンテを振り下ろして岩石人形を一刀両断にする。
「次はアタシ等の番よっ! ビョルン援護してっ!」
「分かった、撃つよニウっ!」
『ドドドドドドドドドドーー』
ニウは、ビョルンに援護を頼み駆け出して行く。
その後ろから、ビョルンは音波魔法を撃ち、ニウを援護する。
「・・・・・・!?」
音波魔法で攻撃された、岩石人形は衝撃で怯む。
そこに、駆け出して来たニウ。
彼女は岩石人形の頭を右手のダンで殴り。
左手のダンで右脚の太ももに打撃を打ち込む。
「・・・・・・・・・!?」
「これで、お仕舞いよっ!」
打撃を太ももに打ち込まれた岩石人形は倒れてしまう。
ニウは、倒れた岩石人形の頭にダンを正面から打ち込み潰して止めを刺した。
「よっし」
「やったねっ! ニウ」
ニウとビョルン達は、二人の息を合わせた見事な連携攻撃を繰り出し。
それで、一体の岩石人形を倒して喜ぶ。
「では、ワシもっ!」
「私も魔法を・・・サンダーショット」
リュージンは姿勢を低くして駆け出して行き、偃月刀で岩石人形の体を薙ぎ倒す。
それを、シャリルが岩石人形の頭に雷撃魔法を一撃で命中させて止めを刺す。
「何か私達活躍する場面無かったね」
「そうだな~~少しも無かったな・・・」
仲間達の活躍を見たミリカとジョージ達。
二人は、自分達の活躍する場面が全く無かったと呟いた。
『ステータス、ジョージ、新スキル死体変化コープス・アンデッド・オブ・クリエイティヴィティを覚えました』
『ステータス、ミリカ、新スキル死体変化コープス・アンデッド・オブ・クリエイティヴィティを覚えました』
「何か新しいスキルを覚えたな?」
「このスキルの使い方は?」
ジョージとミリカ達は、ステータスを見ると。
新スキルの説明と使い方が書かれていた。
『死体アンデッド化、は殺した相手の死体をゾンビに変える魔法で腐肉の塊状態の者等に、この魔法を掛けるとレベル1のアンデッドに進化させる事が出来ます』
アンデッド化を促進させる事の出来る、新しいスキル。
コレを手に入れたジョージとミリカ達は喜ぶ。
「このスキルがあれば、楽に仲間を増やせるなっ!」
「そうねぇ~~これがあれば便利ね?」
そう言って喜んで居るジョージ、ミリカ達。
そんな二人に、またもや敵襲だと叫び声が仲間から告げられる。
「リーダー、お姉さまっ! 敵襲ですっ・・・しかも相手はさっきのホーンエレファントですっ!?」
ニウが慌ててジョージとミリカ達に敵襲だと伝える。
その声を聞いた仲間達も急いで行動に移る。
「くうっ先程の戦闘音に釣られて来たかっ! 皆様方、このまま固まっていれば奴の足に踏み潰されてしまいますぞっ!」
「皆さん危険ですっ! 散開してバラけましょうっ! さあ早くっ!」
「結局戦うのかよっ! くそーーーー!!」
「そんな事言って居る暇は無いわよっ!」
リュージンとシャリル達は、皆を散開させる。
そして、ジョージとミリカ達が散開しようと走ると。
「パオ~~~~~~~~~~ンッ!!」
ホーンエレファントは、大きな雄叫びを上げ。
山の様な灰色の巨体を揺らして、暴れだした。