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麻薬の常習者達・・・


「あんた等も吸いたいのか~~?」


 谷の岩壁の方から、謎の男の声が聞こえて来る。

 その怪しい声の持ち主に、アンデッド達は警戒する。



「ジョージ、アレリオ、ニウ、ビョルン、あんた等は体や顔を隠してっ早く」


「皆さんっ! 私も手伝いますから」


 ミリカ、シャリル達は、傷者の振りをさせるため。

 二人で、包帯を四人の体に巻き付けていく。



「あんた達こそ、いったい誰なんじゃ~~~~?」


 リュージンは、遠くに居る何者かに向かって声を掛けると。

 謎の声の持ち主は、何者かを答えた。



「俺達は薬屋さ、特別な薬を扱ってるな・・・」


 二十人も居る謎の人物達の中の一人の者。

 薬屋と言うより、ヤクの売人らしきフードを被った男は言った。



「さっきは、あのホーンエレファントがやって来たんで隠れるのに苦労したぜ・、・でっ! あんたらも欲しいんだろう薬がさ、へっへっへっ!」


 遠くから此方へと歩いて来る男達。

 連中が着く前に、ジョージ達の体には包帯が手早く巻かれる。


 ジョージ、アレリオ、ビョルン達の顔には包帯がぐるぐると巻かれる。

 これで、アンデッドとしての顔が隠される。


 ニウの体中に掘られている紫色のタトゥー。

 これは、あまり目立つとアンデッドだとバレるかも知れない。

 だから、包帯を体中に巻き付けて隠す。


 そして、シャリルも上着の僧衣を脱ぐ。

 これも僧侶らしくない邪悪な装飾が目立つからだ。



「あんた等? 何を買うんだ、そんなに包帯を巻いて負傷が酷いのか? 傷薬や消毒液何かも有るぞ、それに痛みを和らげる薬もな」


 フードを被った男が此方に来ると。

 そう親切に喋り、アンデッド達の事を心配して薬を販売しようとしてきた。



「ミリカ、どうするよ? コイツ等と戦うか?」


「止めておきましょう・・・人数が多いしここで戦えば戦闘音を聞いたホーンエレファントがやって来たら大変だもの」


 ジョージは、隣に居るミリカにヒソヒソ声で話し掛ける。


 そして、ミリカの意見を聞いたジョージは頭の中で、だよなと一言思った。



「・・・何を相談しているんだ?」


「あっ! いやね? 何を買うのか仲間とちょっと相談を」


 フードを被った男が不思議そうに言うと。

 ジョージは、仲間と相談していたのだと答え、上手く誤魔化した。  



「安くしておくから、何か買ってくれよな気分がぶっ飛ぶ奴も有るし気持ちいい奴も有るぞ」


 フードを被った男は、ジョージ達に薬箱を開けて、商品である中身の薬を見せる。



(・・・麻薬を吸ったり売買する何て犯罪だろう? 屑共が・・・ホーンエレファントが戦闘音で来てしまったら困るから殺さないが・・・そうでなかったら皆殺しにしてやる・・・)


「良いわよ薬を買って上げる、包帯三個とその特別な薬を一種類に付き一個ずつ貰うわ」

 

 ジョージは心の中で呟き、自らを薬屋だと名乗る男を侮蔑すると。

 反対に、ミリカは彼等から薬を購入しようとする。

 

 

「本当か、薬は今四種類有るんだが、気分がぶっ飛ぶ奴と気持ちいい奴、頭がボーーとする奴に感覚が鋭く成る奴、全部で120コインだな」


「分かったわ、誰かお金持ってない? 貸して欲しいんだけど・・・」

 

 フードを被った男が、薬の説明をして値段を提示すると。

 ミリカは仲間に支払いを頼む。



「はいっ! ミリカ樣、俺が支払いますよ」


 アレリオは懐から取り出した財布の中から、コインを出し。

 フードを被った男に支払う。



「ミリカ、お前・・・薬に手を出すなんて最低だなっ」


「ジョージ、私が吸う為に買ったんじゃないわよ、あの薬を上手く使えば仲間を増やせるじゃない」


 薬に手を出すなんて最低だと言うジョージ。

 彼に、ミリカは仲間を増やすために買うと言ってジョージを説得する。



「ん~~何か気が引けるな、仲間を増やすためとは言え、薬を買うなんて犯罪に手を染めるのはな・・・」


「何を言ってんの? もう人間を沢山殺して来たんじゃないの・・・それだって殺人罪よっ! でも、それは仕方無くやって来たんでしょう? 薬を買うのだって仕方無い事なのよ、それに今薬を買わなければ、アイツ等と戦闘に成るかも知れないわよ」


 気が引けるな、と言うジョージに対し。

 ミリカは、フードを被った男と、その仲間にチラッと視線を向ける。



「まだ、何か相談話が有るのか?」


「いえね・・・薬を一変に使ったらどうなるのかなぁ~~なんてね?」


「ハハッ!! そんな事したら、薬が効きすぎて、天国のような快楽を味わう前にくたばって、本当に天国に行っちまうよぉーーーー」


 ミリカが言うと、フードを被った男は笑いながら言った。



「そうね、薬を使う時は天国に逝かないように気お付けるわ・・・じゃあねぇ~~」


「ああっ! あんた等も気お付けな、只もんじゃあ、なさそうな御嬢さんと、お仲間さん達も」


 サヨナラを告げて行こうとするミリカ。

 彼女に、フードを被った男はそう言った。

 その一言に、ジョージは。



(・・・コイツ等っ!? 俺達がアンデッドだって気づいていたのか・・・)


「何時から気づいていたんだ・・・」


「なあ~~に? そちらのお嬢さんなんて、体中に包帯を巻いているが、そのしたに刺青モンモンを隠しているなんて、御互いヤクザもん同士だって直ぐに気づくさ・・・」


 何時から此方の正体が、アンデッドだと気づいていたのだと思ったジョージ。

 彼は、フードを被った男に話掛ける。


 すると、フードを被った男はそう言うと、更に話を続ける。



「それに・・・あんた等からは血の匂いと殺し屋の雰囲気に獲物を狙う鋭い目付きに、魔物の様な殺気がぷんぷん漂って来る、それなら普通わかるもんだろ?」


「ああっ! そうだな・・・これからは殺気を出さないように気をつける事にするよ、それじゃあな」


 と言って、フードを被った男と話を終えた、ジョージは歩きだした。

 ミリカを含む、他の仲間もそれに続いて歩き出す。



「またどこかで会おうなーー」


 フードを被った男。

 彼は、ジョージ達の姿が小さくなる前に、遠くに見える彼等に大声で叫んだ。

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