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落城


「良しっ! ビョルンも来たし、次はあのリザードマンの布陣を何とかしないとな」


 ジョージはそう呟いて、三兵種。


 大楯と槍を構えた槍兵。

 クロスボウ兵。

 弓兵。


 このリザードマンの布陣を、厳しい視線を向けて凝視する。



「ねぇジョージ、あの高い城みたいに立っている、掘っ立て張りぼての天守閣のような塔を崩したら、あいつら下敷きに成るんじゃない?」


 ミリカはそう言うと。

 天井に届く程高く作られた、歪な形の天守閣のような木製の塔を指差す。



「ジョージがいつもやっている様に、あれを魔法を放って攻撃してみようよ」  


「ミリカの言う様にやってみるか」


 ミリカの出した提案に、ジョージはすぐに賛同した。

 それから、全員に天守閣への攻撃指示を出した。



「皆あそこに集中砲火だっ!」


 ジョージが指示を出すと、アンデッド達は、一斉に魔法を放ち始める。

 リザードマン達も矢を放ち、応戦を始める。



「ここで固まって居ると不味いですな・・・リーダー殿、ワシはもう少し先の壁に行き、そこから魔法を放ちますじゃ」


「アタシも行きます」


「俺も、リュージンさんに着いていきます」


 リュージンがそう言い出して駆け出して行くと。

 ニウとアレリオ達も、着いて行きますと言い出した。



「護衛にか? リュージンなら一人で良いだろうけど、念のための護衛も必要だよな、よしっ! 良いよアレリオ、ニウ達に行って貰うか」


 二人の意見を聞いたジョージが許可を出すと。

 早速、三人は前方の瓦礫の山に向かってに駆け出した。



「では、リーダー殿、ワシらは先に進みますじゃ」


 駆け出し始めたリュージン達三人を狙い、矢を次々と放つリザードマン達。

 約半数のリザードマンの注意が、三人に向いた。

 そのお陰で、ジョージ達は前方の歪な天守閣に攻撃を集中させることが出来た。



「放てっ! 放てぇ~~~~!! フレイムボール、フレイムボール、フレイムボール」


「ダークボール、ダークボール」


 大量の魔法の集中砲火を諸に浴びた歪な天守閣はボロボロに成っていく。

 ミリカの火炎球は、天守閣を炎上させ。

 ジョージの暗黒球は、木製の歪な天守閣を粉砕していく。



「サンダーショット」


『ドドドドドドドドドドドドーー』 


 ジョージとミリカ達に続き。

 シャリルとビョルン達も、リザードマン達を牽制するために魔法を放って応戦する。



「エアーカッター」


 リュージンも、別角度からリザードマン達に魔法を放ち圧力を掛けると。

 やがて、歪な天守閣は突貫工事で作られた物なのか、焼けて崩れ落ち始める。



『ガラッガラガラ、ガラッガラッガラッ』


 ジョージから見ると。

 歪な天守閣は、かつて織田信長の居城であった安土城の如く。

 激しく炎上し、焼け落ちている様に見えた。



「ギキッキケ?」


「グケッコカッ!?」

   

『ドオーーン』


 ガラガラと音を立て、倒れ始めた歪な天守閣。

 それは、力無く萎れかかる植物の様に、どんどん倒れていき。

 ドオーーンと大きな音と共に、布陣するリザードマン達を纏めて潰してしまった。



「終わったのか?」


「はあ~~そう・・・見たいね・・・」


 ジョージとミリカ達は疲れ果てて、そう一言呟くと。

 身体から力を抜き、二人ともペタンと地面に腰を下ろした。



「みんな、今日はもう寝ような」


「もう勝手何だから、みんなっ? 二時間事に見張りを交代しながら就寝しましょう」


 そう言うと、ジョージは寝てしまう。

 それを見た、ミリカも仲間達に、自分勝手な命令を言って寝てしまった。



「お姉さま、寝顔も素敵・・・♥」


「本当よねっ? うふふっ! 可愛いっ♥」


 シャリルとニウ達は、無防備な寝顔を向けるミリカの姿を見て喜んだ。

 その後は、みな暫くの間交代で見張りをしながら就寝した。

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